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2017年3月20日 (月)

映画「知りすぎていた男」と想定外のリスク(第850回)

映画「知りすぎていた男」と想定外のリスク(第850回)2017・3・20

 

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先々週ヒッチコックの名作を書いたら、何の因縁かBSで56年の「知りすぎていた男」を放映したので。この作品は英国時代の「暗殺者の家」の再映画化、ヒッチコックが自作をリメークしたのはこれだけ。主演はジェームス・スチュアートとドリス・ディで、主題歌の「ケ・セラ・セラ」はこの映画のためのオリジナル。この歌が映画の中で決定的な役割を果たす。

 ドリス・ディはもともと歌手だが主演映画は好きで、ずいぶん観た。「二人でお茶を」「夜を楽しく」「ミンクの手ざわり」、それに私のお気に入りでは「先生のお気に入り」でクラーク・ゲーブルと組んだ。

 医師夫婦が息子を連れてモロッコにバカンス旅行するがバスでフランス人の男と知り合う。翌日マラケシュの市場で瀕死のその男に医師は「政治家がロンドンで暗殺される。アンブローズ・チャペル」と耳元でささやかれる。暗殺犯行のグループは「何も話すな。息子を誘拐した」と脅され、舞台はロンドンへ―。

 首相を暗殺から救い、お礼に大使館に招待され、有名歌手の妻はまず大声で「ケ・セラ・セラ」を歌い、息子の口笛で軟禁されていることを知った医師が救いにゆく。

 「ケ・セラ・セラ」の歌詞がいい。

 私が小さい女の子だった時、ママに聞いた。私は何になるの?きれいになる?お金持ちになれる?そしたらママはこう答えた。

 ケ・セラ・セラ なるようになるのよ。

 先のことなど わからない。

 ケ・セラ・セラ なるようになるのよ

 私は「先のことなどわからない」のに、何とか先を読んで、このショウバイを何十年も続けてきた。幸い証券と銀行の業務がわかり、英語もそこそこできた。またオカルトじみて聞こえたら笑ってほしいが「予知能力」もあったので、市場の曲がり角でヒト様よりうまく立ち回ることができた。間違いはヤマのようにあったが、びっくりするようなファンの方々に支えられ、おかげさまで81歳と半年、この好きな仕事を続けてこられた。

 私はこのブログやほかの著作で、毎週ひとさまの余り気づいていない事件や物の見方、始まりかけている芽をご紹介してきた。①シェールガス革命を「21世紀最大のエネルギー革命」として2011年に紹介②アベノミクス第一の矢で「円高とデフレ」の悪循環が「円安と株高」に変わる、とHFが180度投資方針を転換したニュース③いわゆる「中国リスク」をNY大学ヌリエル・ルービニ教授の指摘より早く2012年に指摘。

 とくに第二次安倍政権の成立直前、当時のゴールドマン・サックス・マネジメントの会長のジム・オニール氏が「円売り日本株買いが投資家の唯一の作戦」として「早く安倍さん当選してくれ!」をメールで述べたと紹介したのは、日本中で私だけだったと思う。

 すぐにジョージ・ソロス氏がこの作戦で3か月で90億ドルももうけた。しかし日本人はバカなことに、売り向かった!

 当時小池百合子さんに口惜しさをブチまけたことを思い出す。

 私はこれまで絶対にこのブログで書かなかった自慢話をしなかった。年寄りの過去のヒットの話は読者に退屈に決まっているから。しかし、今回だけですから。

 私はかつて安国寺恵が毛利家に送った情報で「信長公はここ3、5年は勢威が高まる一方だが、その後あおのけざまに高転びに転ばれるだろう」と述べた。(手紙は「藤吉郎さりとはの者に候」という言が入っており「中国大返し」の時にこれがひびく)。

 実はわたくしはここ2,3週間森友学園問題をしてきた。内閣支持率は高いし、経済指標は良好、外国とも(どうにもならない中・韓国は除いて)対トランプを含めてもうエクセレント。でも危機対応への緊張感が欠けていると、飛んでもないことになってしまう。今がそうだ。

 私は16日の参院予算委の与野党議員にあの学園理事長が「100万円首相夫人から建設寄付金として“安倍晋三からです”として手渡された」としたことが心配のひとつ。(これはそのご否定される証言は籠池側から出ていなかったと思う)。

 首相側は全面否定だが、23日の証人喚問で新たな爆弾証言が飛び出すかもー。心配は尽きない。これで鎮静化がうまくいけば4月から株価急騰に一挙に変わるのだが。

 もともと昭恵夫人が森友学園の名誉校長になっていたのは、何ともワキが甘かったというしかない。稲田防衛大臣も、観ていられない。

 幸い民進党の支持率は低い。しかし「何かあったら自分は衆議院議員を辞める」と言ってしまっている。私の心配はつきない。悪材料出尽くしを待つことを待つことにしよう。

 トリビアをひとつ。「ケ・セラ・セラ」は実はフランス語でもイタリア語でもない。作曲したジェイ・リビングストンが「裸足の伯爵夫人」でエヴァ・ガードナーと結婚する伯爵家の古い城を見たときに書いてあった家訓をメモして題にした、とか。この作曲家は「ボタンとリボン」の主題歌(あのバッテンボーです)「モナ・リザ」(ナット・キング・コール)が大ヒット。この「ケ・セラ・セラ」と合わせて三回アカデミー賞をとっている。

 なるようになる。気を病んでも仕方がない。「ケ・セラ・セラ」だ。


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