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2010年6月 8日 (火)

映画「グリーン・ゾーン」と金価格の私の目標値

映画「グリーン・ ゾーン」はイラクの戦争の内情を描いた戦場サスペンス。ボーン・シリーズを大ヒットさせたマット・ディモン主演・ポール・グリーングラス監督のコンビ。凄い迫真性がある。
      
        題はバグダッド中心部の米軍駐在区域のこと。周囲は危険に満ちているが、ここは絶対安全。そのゾーンの中心で情報戦争が始まる。映画は戦争のきっかけと なった大量破壊兵器がどこにあるのか、兵器捜し部隊長が疑問を持つ。国防総省とCIAの対立が明瞭に。ついにナゾの核心に迫ってゆく。
      
       いまやユーロは対ドルで4年ぶりの安値。まだ通貨市場では米系ヘッジファンド中心の売り越し額が増加を続けている。
      
        年初から手揃いで売り仕掛けをはじめたときの売り目標は、ユーロの対ドルレート1対1.まあこれは信用しない方がいいが。ただ売りのテーマが「ソブリ ン・リスク」つまりユーロ圏のリスクの高い国が、次から次へ債務不履行(デフォルト)に陥ることだ。これは容易じゃあない。
      
        今年一杯このソブリン・リスクがテーマになりそうだ。それは米国景気の回復、中国など新興国の内需拡大で「百年に一度」の世界大不況どころか、かなりの 好況。当然、現在の超低金利とか過剰流動性は修正に入る。あと1年もすればグローバルな投資資金の争奪戦が始まる。米系ヘッジファンドの仕掛けの目的は ユーロを投資地域から外させ、その分対米投資が増えること。ギリシャ危機は資金獲得戦争の開幕戦だ。現に米国債への投資は急増中。
      
       それでもやはりペーパーマネーに対する不信感は拭い切れない。
      
       ユーロに劣らず米ドルも大幅財政赤字で大いに問題があるし、円だってヒト様のことをいえる状況にない。人民元は別だが。
      
       となると金だけが安全な「グリーン・ゾーン」の中にいる。新高値更新も当然だろう。
      
       利子のつかない金への投資。しかも歴史的高値更新なので、早くから強気を申し上げてきた私のところにはお問合せが多い。以前から言っているのだが、あらためてお答えしよう。
       
        とりあえずの目標はオンス1400ドル台のどこか。次は1900ドル近辺。
      
       理由は次の通り。主に経験則だ。
      
       金価格は1980年1月にオンス875・00ドルの高値。その後下落を続け1999年7月に253.20ドルの安値をつけた。下げ幅621・80ドル。
      
       株や商品で価格が何年も下落を続けていたのが反転上昇に転じたとき、目安として「倍返し」つまり下げ幅の分がかつての高値にプラスされることが多い。この場合875プラス621・80だから1496ドル。
      
       だが私はこの価格も上抜くと考える。理由は中国、インドなど新興国の購買意欲だ。
      
       中国は2008年末の保有分が600トン。これが昨年末に1054トンに。自国産出分と市場購入と両方だろう。ある高官は「数年間で1万トン保有」といっている。
      
       インドは同じように1年間で200トン保有を増やし557トンへ。つい先日オンス1060ドルで市場の売り物を全部さらっていった。かつての外貨危機の経験から金保有の意欲は強い。ロシアも同じ。
      
       これに米年金などの金ETF買い。恐らくオンス2000ドルが目標として広く共有され、現実にはその直前までゆく。そこらが天井ではないか。
      
       映画のセリフから。通訳のイラク人が隊長に言う。「俺だって自分の将来を考え、この国の未来を思ってるんだ。あんたたちの思いより強くな。」未来を考えると、やはり金投資か。

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