今井澂プロフィール

講演・出演など

お問合せ


« 映画「春との旅」と長寿リスクと北朝鮮、ユーロ、株価 | トップページ | 映画「孤高のメス」と管政権の経済運営 »

2010年6月22日 (火)

映画「川の底からこんにちは」と新内閣と株価

映画「川の底からこんにちは」は新鋭監督石井裕也の傑作コメディ。上映館がまだ少なくてかわいそうだが、今年のベスト5に入るだろう。

        主人公は上京して5年目のOL佐和子(満島ひかり)。しようがないが口癖の無気力な毎日で何回も男に捨てられ、付き合っているのは子持ちのバツイチで まったく頼りない。そこに父親が重病。ひとり娘として帰京しシジミの加工工場を継ぐ。ところが工員のオバサンたちはやれ駆け落ちして逃亡した女、とかいっ て嫌う。子連れでついてきた男は子供を残して逃げ出す。

       全く希望の持てない状況。ところがそこで主人公は開き直る。「所詮自分は中の下」だが世の中みんなそうじゃないか。コペルニクス的な大転回。

        上海万博に行っていたが留守中に政変。まあ誰がどう見てもひどすぎる首相だったから、後継者に期待がかかる。私の見るところ選挙管理内閣だが、父親や祖 父が首相でない政治家、脱(かどうか分からないが)小沢というのがセールスポイント。だが普天間とか政治とカネとか負の遺産は多い。ひるがえって世界を見 ると①欧州財政危機②金融規制導入③中国のバブルは列懸念④朝鮮半島の緊張⑤流動性危機とこれまた容易に解決しそうもない問題点ばかり。映画の主人公が押 し込められた環境に似ている。

       しかし私は日本株について楽観的だ。まずNY。乱高下を繰り返しているが、これは大底圏の特徴だ。

        株価が上昇基調にあることを数字で示そう。株価の基本は企業収益。日経平均225種の予想一株当たり利益はリーマン・ショック後瞬間マイナスに下落し た。2008年末から2009年初頭の金融危機が一番ひどい時期である。結局2010年3月期は343円だが、ピーク時の2007年11月の1000円近 くの三分の一。

       しかし2011年3月期の予想利益は650円。2012年3月期は野村證券金融経済研予想では792円。増益基調が続く。NYも。また一株当たり純資産と株価との比率が1倍割れとか。騰落レシオ63ポイントとか、底値を示す指標が続出している。

       実は実体経済のほうでもあまり注目されていないのが不思議だが、長い間苦しめられていたデフレに終わる兆しがすでに目立ってきている。

        これは実績で示した方がいいだろう。第一・四半期のGDPが5月20日に発表されたが、勇気付けられるポイントが多い。まず成長率。2009年度の実質 成長率は-1・9%と政府や日銀の予想より上振れし、ゲタとのからみで2010暦年が3%台、年度でも2%台となること確実だ。

       デフレについてだが、2008年10~12月期から5四半期連結して下落した国内需要デフレーターが前期比プラス0・4%とプラスに転じた。これにもっと注目されていい。

       恐らく名目の雇用者報酬の好転が寄与している。8四半期ぶりに前期比①・6%の上昇に転じ、実質でも2四半期ぶりに上昇した。

       GDPの6%30兆円が需給ギャップというのが定説だったが、輸出を中心に急速に縮小している。このため現金給与と雇用者数が前期比でプラスに転じたのが雇用者報酬の基調変化につながっているのだろう。

       では1~3月期に良くて4~6月期はダメかというとほとんどの景気指標は好調持続。もう少し時間がたつと皆が言い出すだろう。

       映画のセリフから。主人公の作った社歌。「上がるゾ上がるゾ消費税。来るゾ来るゾ大不況。そうなりゃ政府をぶっつぶせ。」そりゃそうだ。                                                                                           

« 映画「春との旅」と長寿リスクと北朝鮮、ユーロ、株価 | トップページ | 映画「孤高のメス」と管政権の経済運営 »