今井澂プロフィール

講演・出演など

お問合せ


« 傑作西部劇と民主党代表選 | トップページ | 映画「終着駅 トルストイ最後の旅」と連載最終回ごあいさつ »

2010年9月21日 (火)

映画「TSUNAMIーツナミー」と朝鮮半島の激変

「TSUNAMIーツナミー」は韓国で1300万人を超える観客を集めたパニック映画。対馬近辺の大地震が高さ100メートルのメガ津波を生み、韓国の代表的リゾートで夏に100万人が訪れるヘウンデを襲う。

このテの映画は、見せ場の津波の前にたくさんの人のドラマが進行し、そこに悲劇がーとなる。そこいらが平凡なので少々辛抱が要るが、CGを使った巨大津波のシーンは大いに見ごたえがある。

いま、北朝鮮に異変が起こりつつあるらしい。マスコミは独裁者、金正日総書記の3男で、まだ20代の金正銀が後継者となることに関心を集中している。しかし、ある事情通は「実権は金正日の妹の夫で経済改革派の張成沢に与えられる。44年ぶりに開かれる労働党代表社会で、改革開放路線が採択される」とみる。

その根拠は8月下旬の金正日訪中と胡錦とう中国主席との会談である。ここで中国側は「自力発展策では経済発展を達成できない。市場原理を導入せよ」と強く勧めている。

金成日は、失敗したら責任を中国が取ってくれるか尋ねているはずだ。中国の保障があれば、経済的にも政治的にも破綻のリスクは低下する。だから同時期に訪朝していた米カーター元大統領に会わなかった。

 統一コリアは50年に世界2位へ

北朝鮮の改革開放が進めば中国のメリットは大きい。核廃棄の見返りに在韓米軍を撤退させ、朝鮮半島から米国の影響力を低下させられる。

韓国紙「中央月報」(9月9日付)は「南北間の激変が突然発生する可能性が非常に高い」とし、「統一コリア」への韓国の財政負担は数百兆項ウォンと推定した。津波のような事態と考えているらしい。韓国国防研究院は、その相当な分は日本から賠償金として取れる、とリポートをまとめている。

「統一コリア」については、米ゴールドマン・サックスが従前からメチャメチャに強気な見通しを発表している。同社のソウル支社のクオン・グフン氏の書いたリポートでは、2020年代に統一が成立し、その後の15年間、北は年15%成長、南は3%成長と見込んでいる。シナジー効果で2050年には一人当たり所得は北が7万ドル、南が9万6000ドル、平均して8万6000ドル。これは仏、独、日本を抜いて世界第2位になる。北の鉱物資源の活用と、優秀で安価な労働力の利用が強みになる。

これまで韓国経済の大きなリスクは朝鮮半島の冷戦だった。これが中国との関係が強化されると北は軍事的暴挙が出来なくなり、在韓米軍、そして沖縄の海兵隊駐留の必要度も低下してゆく。北朝鮮の軍部が抵抗して、改革解放どころか、何か大変なことが起きるかもしれないが。

映画のセリフから。津波を予想した地質学者が、対策をためらう上司に言う。「中国の四川省地震もインドネシアの津波も、予想もつかなかった。災難には予測はありません」。ある日突然、起きるかもしれない激変事態、案外近いのではないか。

« 傑作西部劇と民主党代表選 | トップページ | 映画「終着駅 トルストイ最後の旅」と連載最終回ごあいさつ »