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2010年9月14日 (火)

傑作西部劇と民主党代表選

 映画「ワーロック」は1959年の西部劇の異様な傑作。亡くなった映画評論家瀬戸川猛資さんが絶賛してやまなかった。

 西部の町ワーロックで無法者どもがしたい放題に暴れている。町の住民は連邦保安官を呼ぶ。これがヘンリー・フォンダで無類の拳銃の使い手。相棒がアンソニー・クインでこれも腕っこきのガンマン。2人は華麗なガンプレーで悪党どもを消す。

 普通の西部劇と違い、ここで映画は終わらない。残り3分の1は正義の士のはずのフォンダとクインが決闘、生き残った1人は町の人々の冷たい視線を浴びて去ってゆく。

 政権交代で古い勢力は倒される。しかし倒されたあとは革命家自身が悪い権力と化し、血で血を洗う抗争が始まる。今回の民主党代表選挙で私はこの映画を思い出した。監督エドワード・ドミトリクは「赤狩り」旋風の犠牲者で、理想主義の崩壊を目の当たりにした人だ。

 私がある有力政治家から聞いていたお話は、円高・株安の国難を理由に、無競争の選挙にする。出馬断念の代わりに小沢氏は、腹心を幹事長職に据えるというもの。事実、鳩山氏はそう動いたが、世論の高い支持率を見て菅氏が拒否したのだろう。

 円高・株安は止まらない  

 代表選のシステムが現職国会議員の比重を大きくしており、現時点では圧倒的に小沢氏有利。この人は負ける戦に出る人じゃない。ただ、党代表になっても自分が首相になるかどうかは疑問だ。恐らく元自民党勢と救国連立政権を作り、ねじれ国会を切り抜けるつもりだろう。

 この間、円高・株安は止まらない公算大。ヘッジファンドは真空状態の日本で円買い・株売り戦略を止めることはあるまい。特に外資系証券が大量の先物売りで既に大きな利を取っている。簡単には終わらない。

 円高を止める妙案は財政出動と為替介入の組み合わせである。新政権になってもすぐには政策が出ないので、暗い時期がまだまだ続く。というのも米国、ユーロ圏共に通貨安を示唆する悪材料が出ているからだ。

 まず米国。住宅も雇用も悪いし、耐久財受注(除く航空機)が前月比8%も急低下し、設備投資の先行き悪化を示している。オバマ政権の支持率は急低下中で、中間選挙での大敗=レームダック化がほぼ確実だ。

 ユーロ圏では、ギリシャをはじめとした南欧諸国の信用リスクが再び注目されている。ユーロ加盟国スロバキアがギリシャ支援融資計画を国会で否決、ユーロの構造的問題が明らかになっている。

 こうした悪環境のなか、ニューヨーク株に「ヒンデンブルグの凶兆」という大幅下落の予告指標が8月中下旬に4回も出た。この指標はリーマン・ショックを3カ月先行して予告しただけに、不安は高まる。

 映画のセリフから。着任した保安官が町の人に言う。「初めは歓迎されますが、本当に平和が来ると冷ややかな批判に変わるんです」。マスコミの小沢氏叩きが当選後どう変わるか。まず歓迎か。その後が問題だ。

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