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2010年10月20日 (水)

映画「大奥」と流れの逆転(第513回 2010年10月20日)

 ただいまヒット中の「大奥」は、よしながふみの漫画の実写化で金子文紀監督。

 若い男性だけがかかる伝染病で、日本中の男性人口は激減。男女の役割は逆転し、肉体労働を含め外で働くのは女性だけ。男性は子ダネが貴重とされる世界だけに、体を売って生計を立てる。

 当然将軍家も女子相続で、八代目は英明の誉れ高い吉宗(柴崎コウ)が就任。一方貧乏旗本水野祐之進(二宮和也)は家を救うため、3000人の美男がひしめく男の園に身を投じる。大奥は陰謀の渦巻く巣窟(ソウクツ)だった。

 ところが将軍の初夜のお相手に選ばれたのがこの水野。破瓜 で将軍の身体を傷つけたという理由で、打ち首、というなんとも不条理な展開に。さあ、どうなるか。

 昔私は掛け算で「マイナスとマイナスをかけると、プラスになる」という価値の逆転に驚かされた記憶がある。この映画の男女逆転に似ている。

 山一證券に入って、株式相場の世界を見て、この逆転のロジックが、ほとんどそのまま、株価の動きに現れるのを見た。

 あるところまで、「好」でも「悪」でも材料が株価を動かす。まあ昨年からだと①民主党②円高③株主無視の増資④デフレ。それにグローバルなデフレ「日本化」シナリオとか、まだくすぶる米国の住宅バブル後始末と中国の不動産バブル破裂説、つまり世界長期不況説。このあたりだろう。

 これに日本株の「持ち合い解消」、日本全体の「老齢化・少子化」、あと「日本国財政破綻」。これで「株価が安い」「だからオレは株は買わないの一覧表は終わり。あと何かあったら教えてください。

 ともかく、この悪材料のマイナスが過大視されると、株価の下げが行過ぎてしまう。そこいらで、株価は底値で,買いの大チャンス。

 まあこれらの悪材料の中で、最大で最も見通しの立てにくいのが、カワセ、つまり円高問題だろう。

 財務大臣が「断固として」を連発し、先日は2兆円以上の市場介入を実施したが、効果は少ない。

 TVを見れば意地悪そうな女性エコノミストは1ドル50円、なんていう!。

 私は実は「2011年1ドル74円」というのが最も信頼しうる予想、と考えている。

 これは1971年の1ドル360円からの8年サイクルの波動からみたもの。若林栄四さんが何年も前から言っている。(「2019年までの黄金の投資戦略」2009年2月日本実業出版社)。

 この円高のピークは明年7~9月について、その後は若林さんによると、2015年には1ドル147円をこえる円安、ドル高局面もありうるという。ついでにいうと「そのあたりで日本経済はデフレ脱出」とも。

 この人は永い間私は注目してきたが、予測精度は高い。

 79円75銭という対ドル円レートの高値は切ったら、マスコミは大騒ぎし株価もベタ安が予想される。しかし私はそのあたりで全力を挙げてドル建てMMFや輸出株を買うつもりだ。

 米FRBの2008年ごろの研究では、1兆ドルの量的緩和は10年もの米国債の利回りを0.5%押し下げる。この金利下落はGDPを1.17%押し上げ、インフレ率は0.6%上昇。そしてここが肝心だが「ドルは5%下落。」別の研究でも大体同じ。

 いまの円の対ドルレート81円の5%高だと77円。まあ少しサバをよんでも74円というのはいい水準。あと上昇余地は知れている。

 映画のセリフから。予算緊縮のため吉宗は美男50人を庭に呼んで、大奥を去り江戸市中で女性に子種を与えてやれ、という。あまりの宣告に身動きできぬ50人に言う。「聞こえなんだか。下がりゃ!」そして吉宗は「さて、この国をこれからどう動かすか。」この国の転機はあと半年と少し。まあ、そろりと参ろう。

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