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2010年10月28日 (木)

映画「インシテミル」と尖閣と中国株(第514回 10月28日)

上映当初は大した入りではなかったようだが最近ではヒットし上位に。映画「インシテミル」はホリプロ所属のスターがズラリと並んだホラー。藤原竜也、綾瀬はるか、阿部力、石原さとみ、片平なぎさ、北大路欣也。

 題名は「淫してみる」という意味で原作者米澤穂信氏によると「伝統的な本格的なミステリーの世界に淫している反面、ミステリーという作り物のあり方に揺さぶりをかける」意。

 時給11万2000円という求人広告につられた10人の男女がある場所に閉じ込められる。仕事は7日間経過するか、生存者が二人になった場合にのみ1600万円の金を手にする。個室は与えられるが24時間監視され、各室には武器が置いてある。そして連続殺人。

 平和ボケしていた日本人が、尖閣事件がウエイク・アップ・コールになって、国益をどうしたら守れるかを考えるようになった。映画で集められた10人が、遊び半分のつもりが容易でない環境を認めたとたん、隣人を疑い始めたのに似ている。

 尖閣問題の中国側の違法行為は、西沙、南沙諸島で、ベトナム、フィリピン、インドネシアなどを押さえて実効支配したやり口と同じ。

 史実も現実も無視して中国の領有を宣言する。漁民を装った中国人を、自分たちの領土と主張する島や海に侵入させる。本来の領有権を持つ国が中国船を拿捕したり漁民を逮捕すると、軍事力を背景に相手を屈服させる。

 今回もいろいろ調べてみたが、菅内閣の無能力と国家意識の欠落を見越しての、十分に準備された戦略戦術だ。

 幸い、レアアース輸出差し止めなどで中国異質論は欧米に拡まった。日本は国際世論をバックに、次の更なる外交的敗北をしないよう準備しなくてはなるまい。

 中国の反日デモは沿海部大都市では起きていない。反政府デモに転化しかねないし、江沢民院政の匂いのする習近平の後継者就任ほぼ確定で一応ヤマは越えているが、従来の中国の領海浸出の手口から見て、必ずまたやってくる。

 少々ワキ道に行過ぎた。

 経済面での「中国問題」は現在の意図的な景気減速がかなり進んでいるにもかかわらず0.25%の利上げを発表していること。

 中国の実質成長率は7~9月期前年比9.6%と立派なもの。しかし「先進国と同様に季節調整をかけて前期比年率で表示すると6%前後で、5カ年計画の7.5%にも及ばない。」(スフィンクス・リサーチ藻谷俊介代表)。

 にもかかわらず利上げしたのは、G20での中国包囲網を緩和するために、小幅でやったのだろう。来春には利下げが始まると思う。

 中国株は過熱の気配はあるが、まだ上値が十分見込める。上海総合指数は2007年10月の高値6124で、最安値は2008年の1665、戻り高値は昨年8月の3478。現在の3100近辺は株価収益率17倍で、まだ割安だろう。

 しかし、そろそろ人件費の高騰で外国系企業はベトナムなど他国に移転し始めた。10年先には高齢化の時代が始まる。中国株はあと5年間。人民元の預金はもう少し先まで。

 私は中国株を薦める本を2004年4月に書き、ペトロチャイナ、チャイナインシュアランスなど注目株7銘柄は丸4年で目標通り5倍。春に利食って頂いたので、リーマン・ショックの影響なしに済んだ。私にとり中国株はゲンがいい。

 映画のセリフから。主人公が「武器を捨てよう」というと他の者は「抑止力になるから持っていたほうがいい」。狡猾な相手には、賢く、同時に強くなくては。

 

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