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2010年10月24日 (日)

映画「エクスペンダブルズ」と量的金融緩和と円高」513回

 映画「エクスペンダブルズ」はシルベスター・スタローンの主演、監督のアクション。ともかくズラリと並んだスターたちが凄い。シュワルツネッガー、ブルース・ウイリス、ジェイソン・スティサム、ジェット・リー、ドルフ・ラングレン、それにミッキー・ローク。

 題は「消耗品」という意味で、傭兵軍団のこと。スタローン率いるエクスペンタブルズは、南米の島国を押さえる独裁者の将軍の抹消を依頼される。視察に向かうと、独裁者の娘ながら民衆の苦しみを知る女性と出会い、心を惹かれる。

 いま米国、FRBが計画している量的金融緩和のもたらす効果を読んで、ヘッジファンドの仕掛けが花盛りだ。映画の中のアクション・スターたちの、ご自慢の肉体美の活躍に似ている。

 11月2,3日のFOMCで、ある情報レターによると6ヶ月間で5000億ドルの米国国債購入。FRBの資産2兆2800億ドルから見て半端な額じゃない。市場は半年でこの金額ですまないから1兆ドル、と解釈し、米国債利回りは急低下、NY株も戻り高値を更新。

 超金融緩和を材料にした金融相場で、従来からの研究によると「1兆ドルの国債購入は2年間でGDPを1・7%上昇させ、長期金利を0・3%引き下げ、インフレ率は0・6%上昇させ、ドル価値は5%ダウン」というストーリーが信じられている。

 ヘッジファンドは三方向の投機を開始した。①通貨市場でスイスフラン、豪ドル、円、ユーロの買い②商品では金、銀、銅、WIT原油先物、綿花、小麦などの買い③エマージング株式、とくにインドネシア、フィリピン、タイ、インドなど。

 一部は不動庵市場にも廻っている。尖閣列島問題でチャイナ・リスクを意識した日本企業が例えばベトナムに向かう、とよんでハノイ近辺の土地が上昇中。

 ともかくコストがゼロのFRBの資金供給によって、米国経済がデフレの恐怖から脱却する前に、皮肉にも世界でマネーゲームが展開し始めた。

 いい例が円だろう。G20の間は投機筋は遠慮しているが、終了後は動き始めよう。すでにスイスフランは史上最高値を更新。円も95年4月の史上最高値を抜きそうだ。

 G20共同声明時にガイトナー米財務長官は「強いドル」を強調したが、何と言ってもFRBの第二次金融緩和はこれから。ドルの下落が懸念される。

 たしかにFRBがゼロ金利政策に続いて大規模な量的緩和は踏み切ろうとしていることは理解できる。経済指標は停滞が続いており、このままではデフレが始まり不況は長期化。おわゆる「日本化」の不安が頭をもたげる。

 当然かつて「日銀はケチャップを買え」と日本のデフレ対策の生ぬるさを罵ったバーナンキ議長としては、メンツがかかる。

 やはり、1兆ドル。途方もない資金が供給される。日本人としてはドル安=円高が心配。

 先日榊原英資氏の講演を聴いたが「95年の79円75銭は現在の感覚では65円」とまだ続く流れを示唆した。私は最近述べたように大局観としては「2011年、7~9月に74,5円」という天井を予想している。

 映画のセリフから。傭兵の一人が敵地に乗り込む飛行機で叫ぶ。「オレたちは生まれたときな別々だが、死ぬときは一緒だ!」ヘッジファンドが一斉に始めた投機。本番はこれからだ。私は来年から強気を言うつもりだが、目先は警戒。

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