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2010年11月23日 (火)

映画「リミット」と私の相場観(第519回)

 「リミット」は今年のベスト5に入るだろうスペイン映画の傑作。

 米国人のトラック運転手ポールはイラクで軍の仕事をしているうちにテロに会い、棺に入れて埋められる。暗闇の中、手にふれたのはライターと携帯電話。

 94分間、場所は棺の中で登場人物はただ一人。必死で脱出のため電話をかけまくるだけだが、何しろものすごい迫真力があり、引き込まれる。

 この映画の主人公と今の日本株は同じ。閉塞感が強い。

 その理由は「ダメ政治」「中国(プラス韓国)脅威論」「老齢化・少子化」「円高」「デフレ」などなど。

 これを全部論破するのは、とてもじゃないが難しい。これに加えて「世界長期不況論」「ドル大暴落」と来たら、一晩かかっても終わるまい。

 「だから日本株は買わない」というのが東京株式市場の最大の買い手、外国人機関投資家のセリフだった。

 10月に入ってこの外国人買いが急増している。日経平均1万円の大台回復のとき、マスコミは過剰流動性のおこぼれ説だったのは一理ある。しかし国外からのマネー流入があれば円高になるはずだが、為替市場ではやや円安。しかもシカゴ市場での円の先物買い建てがここ3週間で半減。目先はまだ円高の動きはない。

 為替市場よりも、量的緩和政策をとっている日米両国で債券市場の動きがもっと注目されていい。

 まず米国10年国債。8月の量的緩和観測以降金利は低下し10月8日に2.33%をつけた後、最近は3%近辺へ。日本の10年国債も10月6日の0.82%のボトムから最近1.125%まで上昇している。

 米国のQEⅡが「デフレ心理を一掃し物価の上昇心理をもたらす」政策である。またFRBの意図する「米国景気が上昇するまで、量的緩和の第3弾(QEⅡ)も」という読みもインフレ期待を増加させる。日本の方はー後述しよう。

 ふつう債券市場での金利上昇は株価の悪材料だが、何せ日本は10年以上のデフレ、そして米国は「日本化」不安で、機関投資家はあまりにも債券を持ちすぎていた。

 要するに債券、円の買い、日本株売りのワンセットが、ここ1ヶ月で巻き戻しになった。ヘッジファンドの決算が11月末が多いのもその巻き戻しを加速させた。これが現状だろう。

 では12月に入って、また債券と円買い、日本株売りの再開だろうか。私はインフレ、又はデフレ脱出があれば、まあ超低金利に戻らないと思う。

 円高?ドル安?

 かりに米国の景気が良くなったとしよう。シェール・ガスの恩恵もあるし。良くなった米国経済の成長率は日本より高いから、そのときはドル高。良くならなかったら?QEⅡで新興国のバブルでやはり世界はインフレ基調。これはどちらかといえば円高材料。しかし私は良くなると思っている。それほどイザとなったときの米国は、やる。

 日本の方。10~12月期はマイナス成長で7~9月期の前期比年率3.9%からガタ落ちするが、エコカー補助金の期限切れの反動。

 二番底がお好きな向きはご不満だろうが、10月が底で上昇。三菱UFJの嶋中雄二さんの説。私は信用する。

 さて結論。株価は7月の9000円近辺、9月の8796円、そして11月上旬安値で「逆三尊」という底値形成の形。短期のボトムがあっても下げは軽く、明春にかけ4月の高値挑戦となるだろう。そして、もちろん、抜く。

 映画のセリフから。今回だけ、ありません。

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