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2010年12月19日 (日)

映画「素晴らしき哉、人生!」と米国の新商品(第524回)

 クリスマスシーズンに必ず米国ではTV放映される永遠の名作。1949年の製作だから驚異的な長寿ヒットだ。名匠フランク・キャプラ監督。

 クリスマス・イブの夜。ジョージ・ベイリーという男が川に身を投げようとしている。神様は2級天使クラレンスを呼び、この男を救うことに成功したら、念願の翼を与え格上げしてやると約束する。

 ジョージ(ジェームス・スチュアート)は父親から受けついだ住宅金融業を経営、大恐慌のときも低利で融資し町の人を助けるが、その代わり、新婚旅行は中止。同業からニラまれる。その後の人生は不運続き。

 会社の金が紛失し横領を疑われたジョージは自殺しようとするが、そこに天使が。

 「生まれてこなければ良かった」というジョージに天使は「生まれなければどうなったか」を幻の世界で見せる。生きる希望を取り戻す。そこに窮状を知った町の人々が、寄付金を持って続々と集まってくる。

 米国の年末商戦。いい数字が出ている。当たり前だ。失業率が問題にされるが、それは表面上のポーズ。スリム化した米国企業は労働生産性を上げ社員の給料は上昇中だ。株高もあるし購買意欲は大きい。

 人気商品ナンバー・ワンは円形の掃除ロボット「ルンバ(4万2900円)」だ。アイロボット社が地雷除去技術を米政府委託で開発、このナビゲーション技術を土台に家庭用ロボットとした。

 同社の今12月期は30%以上の増収、利益は6倍。価格が200ドル以上の世界の掃除機の市場規模は40億ドルで同社はシェア5%を獲得した。

 「ルンバ」は日本でも安い型なら3万9000円で買える。1ヶ所を平均4回掃除するようプログラムされており、ゴミ除去率99.1%というのがウリだ。400万台を売ったという。

 「ARドローン」というラジコン・ヘリコプターも人気。1台4万3800円。これも軍の無人偵察機の技術が応用されており、アイフォーンかipodを使って無線で操作し、前面についているカメラを通じて飛行したり、ホバリング(停止)したりする。

 軍事技術が民生用品に応用される例は米国では数多いが、このところ「インターネットに次ぐ巨大市場につながる技術」としてロボットが注目されている。

 近く打ち上げられるスペースシャトル「ディスカバリー」で世界で始めて人間の形をしたロボット宇宙飛行士R2」が飛び立つ。NASAとGMが共同開発したもの。目標は宇宙船の内外で人間の宇宙飛行士を支援できることだ。

 これはまだ先の話にしても、前記した地雷除去技術のほか、近く民生用に応用される技術は①無人ロボット車の自律走行技術②戦地で負傷した兵士のために開発された遠隔手術ロボット技術の実現が近そうだ。

 現在日本ほどでないが米国でも老齢者市場が意識され始めている。オバマ政権は各省庁のロボット関連の開発プロジェクトに重点的に予算を配分するよう指示した。

 現在のところ圧倒的に世界市場を押さえ、技術的にも優位にある日本だが、米国が本気になってやってくると楽観できない。現在のロボットは30年前のパソコンと同じで標準的なオペレーション・システム(OS)を欠いているので多様なロボット技術がアプリケーションから応用されていない。ここをビル・ゲイツのような米国人がおさえ込んだらー。

 映画のセリフから。ジョージへの寄付の中に天使が持っていた「トム・ソーヤー」の本の見返しのところに「友達を持っている人には落伍者はいない。翼をありがとう」とメッセージが書いてある。そこにクリスマス・ツリーのベルが鳴って幼い娘が「今、天使が翼をもらったわ」というのがオチに。早くロボットのOSを日本が開発できないものか。力強い友達になれるだろうに。

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