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2011年1月19日 (水)

映画「ソーシャル・ネットワーク」とオバマ=胡錦鋳会談(第530回)

 映画「ソーシャル・ネットワーク」は近く決定される米アカデミー賞の最有力候補。デビット・フィンチャー監督。

 不特定多数を対象とするマスメディアから、知人・友人関係中心のソーシャルメディアに。インターネットを使った、人付き合いの革命を起こした男を画く。

 2003年ハーバード大学の学生マークはコンピューターの天才。マシンガンのように早口で、コロコロと話題が変わる。ガールフレンドを平気で傷つけ、女の子の品定めサークルを、振られた腹いせにネット上で立ち上げる。これが世界最大のサービス「フェイスブック」に成長してゆく。社会現象を巻き起こし、巨大企業に。

 マークは金儲けや売名に関心が薄く、ドラッグや遊びにも興味が薄い「パソコンおたく」で、未成熟な子供同然。周囲を傷つけ、仲間からも離反されても、たいした打撃にはならない。他人のアイデアをイタダいたり、ハッキングしても罪悪感がほとんどない。

 この主人公を見ていて「まるで中国だな」と感じる人は多かろう。平気でヨソの国の技術を盗み、尖閣列島のあの事件で日本人がみんな理解したように、強欲で身勝手で傲慢だ。

 評論家で中国に精通している宮崎正弘氏のお話を聞く機会があった。以下ご紹介しよう。

 中国の軍部は、実は国家ナンバーワンのはずの胡錦鋳も全てを掌握できていない。行政のトップの温家宝も「お飾り」。

 中国軍部は①総装備部②総参謀 部③総後勤部④総政治 部という四つのタテ割り組織があり、それぞれに武器輸出企業、運輸会社からホテル経営などを通じて利権を奪い合っている。

 宮崎正弘氏によると「中国という国は行政がリンゴの皮、中身が共産党、軍も役人も末端はすべて党に属する。」

 そして党の内部も一枚岩でなく、江沢民率いる上海派、胡錦鋳・温家宝率いる団派、それに習近平を中心とする太子党の三派が、地域ごとに激しくせめぎ合っている。

 こうした中国人は外交とは「官場」、つまり交渉して歩み寄る場でなく、自分たちのパフォーマンス、威張って見せるための場である。

 だからこそ、ウォール・ストリート・ジャーナルに胡錦鋳は訪米前の「いまの国際通貨制度は時代遅れ」とこき下ろした。かつて江沢民がわが国の宮中晩餐会で人民服で出席して威張って見せたのがいい例だ。また陛下に謁見を懇願した習近平がふんぞり返って見せたのも同じ。

 そんな国なのだから、オバマがどんなに米中両国のきずな構築を願っても無駄骨だろう。

 胡錦鋳はNYタイムス紙によると「共産党独裁政治の歴史で、最も弱い指導者」(1月18日付)。

 その前の週、米国ゲーツ国防長官が訪中したタイミングを狙って中国製ステルス爆撃機の試験飛行を公開した。ところが胡錦鋳はこの軍の動きを知らなかった。胡は共産党中央軍事委主席で軍を統率する立場なのに。

 2007年の衛星破壊実験、2009年の中国艦隊による米海軍音響測定船への妨害も、胡・温首脳部は知らされていなかったという。

 たしかに米スコウクロフト元大統領安全保障担当補佐官が嘆いたように「中国軍は開放路線に参画していない」のである。

 今回の訪米で、米中関係の悪化はひとまず終わったように一見、見えるが、現実にはどんどん悪化してゆくだろう。逆に日米関係の緊密化が進行する。

 映画のセリフから。仲間に訴えられ落ち込んだマークに女性弁護士が示談をすすめて、いう。「裁判でも証券の85%は誇張、15%の偽証なの。そして神話には、”悪”が必要とされてあなたは悪人にされるの。」そして映画の終わりに言う。「あなたは別に性格が悪いんじゃないの。ただ、やっていることがひどいだけ。」うーん、ますます中国だ。

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