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2011年1月 1日 (土)

映画「ロビン・フッド」と新年の見通し(第526回)

新年明けましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いします。

「ロビン・フッド」はリドリー・スコット監督、ラッセル・クロウ主演の「グラディエーター」コンビの最新作。ヒット中だ。

12世紀の英国。十字軍遠征から帰国中のリチャード獅子心王が戦闘中に落命。王冠を母国にもちかえる役割の領主はフランスのスパイに闇討ちされ、ロビンがうけつぐ。

身分制の下、兵士のロビンは王冠を王に渡すには身分を詐称しなければならない。殺された領主の身分に。父親に剣を返してくれと頼まれたロビンは、盲目の父親の領主に頼まれて領主の替え玉になる。

暴君ジョンは財政が破綻しているので一段の重税を宣言。フランスのスパイは国内の不満を募らせるため、搾取。そこへフランス軍が侵攻して、ロビンは国を守るために立ち上がる。

新年にあたり有力ストラテジストの皆さんの見通しが揃った。強気が圧倒的だ。たしかに企業収益の増加プラス金融緩和というのは、株高には、理想的な環境だ。

私は、このブログの読者がご存知の通り、「今後20~30年の長期株高」を予想している強気論者だが、今年は上昇過程の間の、避けがたい大波乱があると考える。

時期はわからないが、私の経験からみると秋から年末のどこか。NY発だろう。

債券安(金利高)、株安、ドル安のトリプル安。1987年型。その場合円レートは70円台に突入し、そこが長い間の円高の終わりだろう。日本の株価の下げは、NY株に比べて小幅に止まるだろう。

なぜトリプル安か。三つの理由が考えられる。

第一は米中の新冷戦。米国はQEⅡなどで、自国も含めて世界をインフレ気味にしたい。中国のほうは人民元を割安にしておいて、世界中にデフレを輸出している。

両国とも、政治サイクルは年末の激突を予見させる。

両国とも2012年は首脳の交代がある。米国では今年末には予備選挙が始まるので、ワシントンの政治情勢は、中国叩きを後押しする。中国のほうは何らかの形で、優位を示しておきたい。

ドル安になるので、本気で叩き売りはしないだろうが、手持ちの米国債を売却して、米国を困らせるかも。

米国債の格付け引き下げが契機になるかもしれないし、米国による中国の為替操作国認定かも。

まあこういうムシリ合いみたいな騒ぎは、騒音は大きいが、短期で終わる。

第二は中国内部の問題表面化による「チャイナ・ショック」だ。

食料品の値上がりはひどい。ニンニク、ショウガ、砂糖、食用油、豚肉など、ひどいものは実に6倍になった。ストライキも暴動も空前の水準だし。

この中国関連のバージョンとしては「北」の金一族放逐とかクーデターとか、第三次核実験のからんでのモメ事とか。

第三の「本命」は債券バブルの終焉。リーマン・ショック以降、ともかく安全性を、というわけで長期金利は2.04%まで下落した。

その後QEⅡと、景気の回復を予想させる指標への高い評価とで金利は3.3%まで上昇している。2%台後半の成長率と2%のインフレを考慮すると5%でもおかしくない。

債券価格は下落を続けるので、株式市場への資金シフトは続くが、ある日突然、理論的に割高,と気が付いた投資家が売りに転じて、急落が起きる。

2007年当時、悪い材料が見当たらない、として「ゴルディロツク〈ちょうどいい温度のスープ〉」と言う言葉が流行したし、ブラツクマンデー直前も楽観ムードが支配的だった。1989年の日本もおんなじだった。だから、1990年に私が長期のしかも大幅な株価下落を予想して、一流経済誌に発表したときには「何というバカなことを言っているんだ」と評判が悪かった。

私は今年中に起きる買いチャンスに、株と為替に本気で買い出動する。具体的な銘柄はいずれ別の機会に。

映画のセリフから。ロビンがジョン王に言う。「王様が自分の恣意で何でも決められる、というのは誤りだ。法律に基づいた自由を国民に与えてください。そのためにはルールをきめる憲章を書くことが必要です。」その後十年あとだが、マグナ・カルタが決められ、ジョン王はサインする。

株価には金利から水準を判断するという、いわばルールがある。私の警戒感はそのルールからのものだ。

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