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2011年2月12日 (土)

映画「ザ・タウン」と日米関係と株、円〈第538回)

 映画「ザ・タウン」は只今米・日でヒット中のクライムもの。主演、監督ベン・アフレック。けっこう女性ファンが多い。

 広いアメリカのどこよりも銀行強盗が多発する地域の、ボストン北東部のチャールスタウン。住民は先祖代々銀行強盗がショウバイで、休日ともなると友人、家族と連れ立って川向こうの景気の良い街に強盗をしに行く。

 閉鎖的なムラ社会から抜け出そうと苦闘する若者というと、お決まりものだが、銀行を襲う手口はまことに鮮やかで面白い。

 主人公は人質の女性が「ザ・タウン」の住人とわかって正体がばれたのではーと焦る。一方FRBも次第に捜査の網を狭めてくる。

 生まれ持った宿命から逃れるのが大変な主人公のように、日本はタチの悪い隣国、ズバリ言うと中国や北朝鮮の脅迫からなかなか逃れられない。

 ごく一例が尖閣。昨年9月のあの中国漁船の体当たり、その後の中国のさまざまな無法で横暴な態度。これに対し民主党政権のあまりにも弱腰な外交姿勢を、苦々しく思わなかった日本人は一人もいないだろう。

 原油があるとわからない時代は、せいぜい靖国問題や南京大虐殺を言っていた程度だったが、大量な埋蔵量〈イラク並み、1000億バーレル)が確実視された途端「オレのものだ」。

 私は香港の「亜州週刊」に載っていた在外華僑2世、3世達の「新華僑」集団の「6月17日、1,000隻の漁船をチャーターして尖閣諸島を取り巻き、何人か定住」という計画を深く懸念している。

 この集団は恐らく中国共産党の指導を受けているのだろうが、民間の在外団体だから、外交上は知らん顔をしていられる。タチが悪い。

 6月17日という日にも意味がある。

 この日は昭和46年(1971年)に沖縄返還協定が日米間で調印された日。尖閣だけでなく、沖縄も中国のもので、米国が世界の覇権を握っていた時代の取り決めなど、無効、といいたいのだろう。

  要するに「中国こそ世界だ」といっている。昨年7月のAPEC会議でベトナム、フィリピンなどが南沙諸島への中国侵略を問題とした。揚中国外相は「オレの国は大国、あなた方は小国。これが現実だ」と答えた。この呆れるほどの尊大さ!

 幸い昨年9月にはただちに米クリントン国務長官が「尖閣は日米安保条約が適用される」と声明していっぺんに日本人は安心した。同長官はAPEC会議に出席した前記の揚発言を聞いていた。その後米国務省では「中国を甘やかしすぎだ」との反省が起き「日本にもっと元気になってもらわなくては」というムードも、と聞く。

 最近、いくつも経済面で対日協力を示してくれている例を見る。 

 第一が昨年末に「米政府は電気自動車320台の使用に当たって、急速充電装置を日本方式を採用」。従来の排日ムードのときは恐らくドイツの方式を採用していただろう。

 第二が「トヨタ自動車の急速加速が同社の電子装置の欠陥によるものではない」という発表。米運輸長官は「私の娘にもトヨタ社を使わせたい」とまで述べた。トヨタたたきが過去のもの、と印象づける出来事だった。

 そのせいか、米系ヘッジファンドは「円売り、日本株買い」で、ひところの円買い株売りを180度転換している。なかなか大きな押し目が発生していないのは、そのせいだろう。

 映画のセリフから。タウン以外の高級住宅地に住む住民を「トゥーニー」と呼ぶ。主人公が言う「トゥーニーはトヨタのプリウスに乗るんだよな。」トヨタのグレードがよくわかる。

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