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2011年2月 4日 (金)

映画「トゥルー・グリット」と北朝鮮の重大な変化と中国とエジプト(第535回)

 1969年に「勇気ある追跡」として主演のジョン・ウェインがアカデミー賞を獲得した西部劇の名作のリメーク。監督はコーエン兄弟。

 父をならず者に殺された14歳の少女マティは手元資金をはたいて、飲んだくれで片目の保安官を雇う。これをジェフ・ブリッジス。昨年のアカデミー主演男優賞受賞者だ。

 同行者にテキサス・レンジャー隊員のラビーフも加わり、犯人追跡の過酷な旅が始まる。

 米国で大ヒット中のアカデミー賞候補だが、私にはジョン・ウェインのユーモアに満ちた演技が忘れられない。結末も今回のは少々暗い。毒蛇に噛まれたマティが片腕を失うし、30年以上経過してから再開にゆく、とかー。やはり、リメイクは元の作品よりオチる。まあ水準以上の作品だが。

 ところで、このところ重要な変化があった。まず北朝鮮への中国軍駐留。

 朝鮮日報が15日付で「中国軍が北朝鮮の羅先特別市に駐屯」というニュースを報じた。

 この羅先はロシアと北朝鮮の国境にある港湾で、中国東北部の吉林省揮 春市から鉄道と高速道路も中国がつくる。別に豆満江に大きな橋を建設する。

 中国は日本海に港を得た。また北朝鮮に政府が崩壊するような有事の事態にも、韓国主導で統一させないための重要な一石になる。

 これまで中国は北朝鮮の無法ぶりを押さえ込めなかった。しかし中国人保護、施設保護の名目で軍が駐屯できれば話は別だ。平和的統一はなくなったが、「北」の暴発にも制御がかかる。ちょうど映画でマティが父を殺した犯人に肋骨を折る打撃を与えたのに似ている。

 これはわが国には暴発がなくなった分はプラスだが、次第に日本企業にとって中国で操業するメリットが消えつつあることが大問題だ。

 日本企業出資の中国現地法人は約5000社。安い人件費を巨大な市場に目がくらんで進出した。

 しかし、広東省を例にとると月額平均賃金は一昨年790元(1万円)だったが、昨年は1000元(1万5000円)をこえる。今年もっと上昇するだろう。

 昨年5月からの2ヶ月間、ストが発生し大幅賃上げを呑まされた外資系企業は多いが、そのほとんどは日本企業だ。

 当然、脱中国が図られる。ユニクロのファーストリテイリングはすでに製造の一部をバングラディシュに移し、今後製造の三分の一を「中国以外」へ。また先日私が訪問したベトナムやインドなども人気。

 私は早めに逃げ出したほうが賢明と思う。春節が終わったら、現地での労働力確保はまた困難になるだろうし。

 最後にエジプト。民衆の声が政権交代につながるかまだ不明。しかし、このニュースで金先物市場でQEⅡのスケールダウンの思惑で売っていた連中が買い戻しに入り、金価格は底を入れた。また上昇ペースを取り戻すだろう。

 米ABCテレビにスレイマン・エジプト副大統領は「大統領はこう言っている。次の選挙には自分も息子のガマルも出馬しない」とした。即時退任というデモ隊の希望は否定されたが、いぜん米国は早期に大統領改選を行うシナリオに固執している。まだ事態は流動的だが、スエズ運河の閉鎖という最悪の事態は回避されそうだ。原油価格の方は、ここいらが目先の上限と考える。

 今回の結論。金価格はいよいよ次の目標のオンス2000ドルに向かって前進を始める。

 映画のセリフから。保安官が言う。「相手が大勢でも、こっちが本気で闘い始めると、相手の方が自分が多数だということを忘れてしまうんだ」。金価格の上昇が終わるには、米国の短期金利がゼロから脱出、1%ぐらいになることが必要だろう。

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