今井澂プロフィール

講演・出演など

お問合せ


« 雲散霧消しかねないユーロ圏(「選択2011年3月号) | トップページ | 映画「ツーリスト」とあえて言う「菅総理留任せよ」(番外編) »

2011年3月 9日 (水)

心配でならない6月17日の尖閣(先見経済2011年3月15日号)

 昨年9月の尖閣島での中国人船長の事件を、忘れている方はいないだろう。誰しもが中国の無法な強欲振りと自分勝手な押し付け、そして日本の政治家の弱腰ぶりに憤りを感じたはずだ。

 あの事件の後、海外に移住した華僑の二世、三世のグループ「新華僑」が「1,000艘の船をチャーターして尖閣列島に押し寄せ、同島を占拠する」という記事が香港の「亜州週刊」に掲載されている。

 その日が「6月17日」というところに私は深く懸念している。

 この日は、昭和46年(1971年)に沖縄返還協定が調印された日である。つまり尖閣列島を問題としているなら、明治28年(1895年)の日本領編入の日を問題とするはずなのだが、中国の一部の人たちは沖縄も問題としているのである。

 言葉を変えれば、この日を選んだということは、単なる領土意識や中国人独特の拡張主義の発想ではない。 日米が調印した日を問題とする、というのは国際政治で米国が世界を支配していた時代の国境は認めない、ということだ。

 恐らく共産党指導部とか人民解放軍の参謀本部が立案し、中国の民衆や在外華僑団体を指導していなくては、民衆の中からの自然を発想ではありえない、と思うのである。

 これに対し、日本側の対策は十分なものなのだろうか。先日の船長開放を思い出すと私は不安でならない。

 というのは中国の最近の国内情勢が民衆の不満を高めており、先日の反日デモと同じく主に権力闘争を背景にした官製の反日運動なので、そう簡単におさまらないと考えられるからである。

 中国はこれまででも次から次へと反日テーマを見つけてきた。歴史教科書、靖国問題、南京大虐殺、旧日本軍の遺棄した化学兵器などなど。その都度、進歩的文化人が必ず日本の方に非がある、として結局中国側は自国の意図を貫徹させてきた。

 今回だけは違う。民主党政権のあまりの弱腰にあきれ果てて、中国支持どころか反中国デモも発生した。

 それはそうだろう。中国はあまりに勝手で自己中心だ。かつては尖閣のセの字もいわなかったのに、大量の原油・ガスが発見されてから急に自国のものだ、と言い出した。同時に「600億バーレルないし1500億バーレル」という推定埋蔵量を発表した。これならイラク並みの産油大国だ。

 しかも中国は無謀なまでのエネルギー消費の拡大を続けている。

 国際エネルギー機関IEAの調べでは、すでに2009年に米国なみの石油換算エネルギーに達した。勿論一人当たり消費量に直すと中国は先進国の三分の一に過ぎないが。

 しかし中国は今後20年間、7%成長という目標を掲げている。7%成長で20年ならGDPは4倍になる。4倍になったGDPを支えるエネルギー、資源、食糧も4倍か、場合によっては4倍以上になる。まあ資源は有限であり、かつての日本が石油ショックから10%成長が4%に成長したようなことになる、とは思う。そうは思うが私は中国が他国から資源を奪って成長を続けよう、としているのだろうと考える。

 狙われている日本。6月17日には何としても1,000艘の漁船が尖閣を占領する事態を避けなくてはならない。その覚悟が、民主党政権にあるのか、どうか。

« 雲散霧消しかねないユーロ圏(「選択2011年3月号) | トップページ | 映画「ツーリスト」とあえて言う「菅総理留任せよ」(番外編) »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« 雲散霧消しかねないユーロ圏(「選択2011年3月号) | トップページ | 映画「ツーリスト」とあえて言う「菅総理留任せよ」(番外編) »