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2011年4月28日 (木)

映画「ダイ・ハード」とQEⅡと金価格・株〈第552回)

 ご存知の大ヒットシリーズの第1作。これでブルース・ウィリスは大スターになった。

 NYの警官ジョン・マクレーンはロスで働いている妻の職場にクリスマス休暇でやってくるが、そのビルが最新兵器で武装したテロリスト集団に占拠される。

 たった一人で、しかも助けてくれるはずのロス警察からまるっきり信用されず。それでもジョンはテロ集団に戦いを挑む。ダイ・ハードとはガンコものの意だが、いかにもピタリのブルース・ウィリスが大活躍する。

 大いに注目されていたFOMCとFRB議長バーナンキ氏の記者会見が昨夜にあった。私は深夜目をこすりながらパソコンでFRBウエブサイトを見ていたが、内容としては充実したものだった。サプライズはなかった。

 まずQEⅡを6月末で終えることが明確に述べられたが、一番大切だった「FRBのバランスシート規模が維持される」ことも明らかになった。

 「コアCPⅠインフレ率や期待インフレ率上昇が確認されなければ、雇用が十分に回復されない現状ではバランスシート縮小はない」という表現。

 これで「早期の金融引き締め(正常化)」という一部のタカ派理事の主張を取り込みながら何となく市場へは、恐らく年末ごろにはFF金利を0・0%~0・25%からの引き上げがあるのかな、という印象を与えた。

 実は、バーナンキ氏は映画のジョン・マクレーン警部と同じで、ただひとりで米国の景気を支える役割を演じている。

 というのは米国でも景気てこ入れのため政府支出は急激に拡大、財政赤字は記録的規模に膨らんでいる。

 米国では、政府債務の上限が14兆3000億ドルにきめられているが、米財務省によるとこの上限に5月16日に到達する。当然上限引き上げを法的改正で決めなくてはならないが、共和党は反対で、おおモメは必至だ。

 恐らくオバマ政権は今後の財政支出を大幅に削減して妥協するのだろう。財政の協力なしで金融政策が一人で米国景気浮揚という大仕事に立ち向かわなくてはならない。まるでマクレーンだ。

 目先はドルは堅調に転じたが、やはりこの金融緩和でドル安の流れは変わるまい。当然金価格は高値更新になる。まNYダウ30種のうち20銘柄はドル安で海外資産が高い評価となり、収益は上がる。株高だ。

 まあ、そうはいっても米国経済の根っこは住宅不況。まだ主要20都市の価格指数は低下中で、あと15~20%は下落、と専門家は言っている。ブッシュ減税と株高による資産効果で「まあクルマでも買うか」というカラ景気だ。

 色んな矛盾が暮れか、その前の秋か、どこかで暴発して「第二のブラックマンデー」が起きるというのが私の見立てだが、さて、どうなるか。

 映画のセリフから。テロリストの首脳が部下を次々にやられるのでカンシャク玉を破裂させて怒鳴りまくる。そこで奥さんがひそかに同僚に言う。「あんなに人を怒らせることが出来るのは、ジョンだけよ。」と。ビルを占拠したテロリストが権力を握っているように、バーナンキの次の発言が、世界の市場を左右するものとして、注目されよう。

2011年4月21日 (木)

映画「キラー・インサイド・ミー」と米国の株急落不安〈第552回)

 先日私はニューヨークとワシントンに出張して、機関投資家やヘッジファンドの運用担当者と面談した。その後も連絡を取り合っている。

 只今ヒット中の映画「キラー・インサイド・ミー」は、ちょうど現在の米国株式市場の状況に似ている。まず映画の方からー

 ジム・トンプソンという原作者はごく近年再発見され評価が高まっている。ペキンバー監督、スティーブ・マクィーン主演の「ゲッタウエイ」の原作者。スティーブン・キングによると「白鯨」や「ハックルベリー・フィンの冒険」に並ぶアメリカ文学の傑作がこの「おれの中の殺し屋」だそうだ。いかにも、ものすごい小説だ。

 1950年代テキサスの田舎町の保安官補ルーは、上司に最近流れてきた娼婦を町外に追放せよと命令される。職場では勤勉で人当たりがよく婚約者もいるルーだが、この娼婦と会って関係して、長年封じ込めてきた暴力衝動が抑えられなくなり、人を計画的に殺して殺して殺しまくる。私は高く評価する映画だ。マイケル・ウィンターボトム監督。

 一見順調に見える主人公の毎日が、内面にコワーい暴力への憧れを抱えている。ちょうど現在の市場に似ている。

 なぜニューヨークの株価がコワーいのか。理由は後で説明する。

 ともかく「現時点で米国の大手資産運用会社と銀行でトリプル安うを検討していないところはない。とくに日本の大震災とS&P社の米国国債の格下げ検討ーのニュース以来、どこも真剣になっている」と現地の事情通は言う。

 トリプル安というと、株安、債券安(長期金利上昇)、ドル安のこと。1987年10月19日ブラック・マンデー、ダウ平均508ドル、23%の暴落が想起される。

 「恐らく秋と考えていたが、場合によってはもう少し遅れるかも。それは明年の大統領選にブツける反オバマ暴落の性格があるからだ。」たしかに年末あたりから予備選挙が始まる。

もともとウォール街じめのオバマ政権には弱点が多い。

 中間選挙で勝利した共和党は財政赤字の巨大化に反対。債務の上限引き上げを強行するなら米国国債を無理やりデフォルト〈債務不履行)させるゾとおどしている議員もけっこういる。4月9日には民主。共和両党の争いがこじれた挙句、予算切れで政府業務ストップ寸前という危機的状況があったほどだ。S4P社の米国国債格下げはこれが背景である。

 このほか、トリプルやすにつながる不安材料は数多い。

 まず東北大震災。日銀は米国国債の有力な買い手だが、当分買える状況にない。すでに昨年10~12月で米国国債の63%はFRBの買いによるもの。もっとFRBへの比重が高まることは下げ材料だ。

 肝心の株価。昨年から量的金融緩和(QEⅡ)で6月まで6000億ドルを使ってFRBは米国債を購入、同時にリーマン・ショック以降購入した住宅ローン担保証券(HBS)の満期になった分、大手証券会社に資金を回して株価を支えている。

 住宅価格が依然下落を続けている米国、マイナスの資産効果を補うための株高で、ダウ1万4000ドルが目標と聞いた。無理して支えている株価なのでどこかで破綻する。

 QEⅡが6月に期限が切れた後、QEⅢが債券・株式を支えればいいが、前記した政治情勢からかなり難しい状況だ。以上から、そう遠くない将来、第2のブラックマンデーは必至と見られているわけだ。

 米国の大幅株安が発生すれば日本も影響大。世界にも伝播しショックが起きよう。次のツナミはウォール街から、となりそうだ。

 小説の中で主人公ルーが娼婦に悪態をつかれ、平手打ちにあいながら考える。「この場所から出て行かなくては。絶対に。殺すまでいかなくても、オレの体の中の病気がぶり返すかもしれない。。」でもルーの体のもう一人の自分が目覚めてしまう。解説の中でスティーブン・キングは「人類愛の時代を迎えてはずの世界に広がった孤立感」と表現した。うーん、そうかも。

2011年4月17日 (日)

映画「引き裂かれた女」と外国人投資家の弱気転換〈第551回)

 「引き裂かれた女」は昨年亡くなったフランスの巨匠クロード・シャブロル最晩年の佳作で只今ヒット中。20世紀初頭の米国の有名な犯罪を取り上げた。この事件はすでに2回映画化されている。

 高名な作家で富豪のサンドニはTVのお天気キャスターのガブリエルを愛人とするが、美貌に惹かれた若い経営者ポールは求婚し三角関係に。

 浮気なサンドニは何とうぶなガブリエルを乱交パーティに引きずり込んだ後、ロンドンに発ち部屋のカギはかえ、ガブリエルを捨てる。

 落ち込んだガブリエルはポールの求婚を受け入れるが、上流階級のポールの一族からは受け入れられず、そのうちにサンドニとの関係を知り怒ったポールは、公開の席で射殺してしまう。

 ガブリエルを演じるリュディヴーヌ・サニエの映画冒頭の美しさ、可愛いさは息をのむほどだが、終わりには身を落とした女で終わる。

 これと同じように震災直後は外国人機関投資家の日本経済への信頼は揺るがなかったが、4月中旬あたりから雲行きは怪しくなってきた。

 海外から見ると、日本経済の復興はたしかにいつかは果たされるのだろうが、どうもそれが明確になるまでは、途方もなく長い時間がかかるー。警戒的な姿勢が4月中旬に入って目立ち始めたように思う。

 その兆候は米国での日本金融機関の資金調達が次第にやりにくくなってきていること。かつてのジャパンプレミアムつまり90年代の邦銀の経営不安時代の再現の不安が起こり始めている。

 金融市場だけではない。首都圏の不動産をはじめ、外国勢が日本に持つ資産を処分し始めたという噂も聞く。

 そのきっかけっはやはりフクシマダイイチ原発の政府発表のあやしさに、復興予算を増税、なーんだ、ということになる。

 また東京電力が失った信用リスクというか補償などを早々と国が補填する発言があるかと思うと、そうではなく、なんとなく東電に押し付けるなど、ゴタゴタ続き。また前3月期の決算発表時に交付される今期見通しも、不透明ながら減益は固そうだ。

 それに加えて、ECBや中国などの金利引き上げがある。一番景気回復が遅れ超低金利が続くこと確実な日本。当然円キャリートレードが始まり、円安のはずだが、たとえば3月の投信販売を見ると、国内株型投信は純減で、海外の債券やREITに投資するファンドが大きく増えた。個人投資家の投資パターンも円安方向。

 ところが「円安になっても株安」。日本の工業品までが風評被害を受けて放射能被害がないという証明書がないと輸出しにくい状況になっているためだ。

 珍しくイマイさん弱気じゃないか、という声が聞こえそうだ。しかも、どうもみなで団結して、とかばかり言い過ぎる。そのくせ、まだ無能な菅政権は何もしていない。1ヶ月以上になっているというのに。1300億円以上ある義捐金はまだ配られていない。原発はまだ安心といえる状況にない。

 これじゃあ3月に1兆4000億円も買ってくれた外国人機関投資家が、日本を見捨てそうな不安が私には残る。

 映画のセリフから。サンドニに奥さんが言う。「あなたがグルメだという噂は効果的ね。どこへ行ってもシェフは腕を振るうし、いいワインも。でも現実にはオムレツ一つ作れないのに。」日本のイメージがどんどん悪くなってゆく。げんにロボットでは世界一のハイテクのはずだったが使えなかった。なーんだ、という声が怖い。

2011年4月15日 (金)

映画「ザ・ファイター」とレベル7の影響(第550回)

 「ザ・ファイター」はボクシング映画の佳作だが、家族の中の”困った人”をテーマにしたところが面白い。

 貧しい労働者の街で、正確もファイティングスタイルも全く違う兄弟がプロボクサーをしている。兄のディッキーはかつて実力派ボクサーとして活躍、いま弟のマネジャーをしている。かつて著名ボクサーから一度ダウンを奪ったのが誇り。しかしいまは麻薬に溺れている。この役を演じたクリスチャン・ベールは先日のアカデミー男優助演賞。

 弟のミッキーはこの兄とマネジャー役の母、それに7人の姉を養わなくてはならない。やさしくしてくれたバーの女性と恋仲になるが、兄は無茶をして監獄入り。たくさんの小姑と恋人は不仲。その中で世界チャンピオン戦と言う幸運が舞い込む。

 フクシマダイイチ原発事故の「尺度」がレベル7という史上最悪とされてきたチェルノブイリ事故と並んでしまった。これで官民協力して原発の海外からの受注に努力したのが全てパー。せっかく東芝がウエスティングハウスを買収したのも、何のためにやったのか分からなくなってしまった。日本の信用は大きく落ち込んだ。原発に絡む色んな期待も雲散霧消となっている。

 映画ではミッキーはいい加減な契約をした兄と母のために、20キロも違うボクサーと戦わなくてはならなくなり、コテンパンにやられる。今の日本はメチャ負けしたミッキーに似ている。

 こうなると日本を見る外国の目が変わる。大震災発生直後は被害者への同情一色だったが、最近は放射性物質が自国に来るかどうかの不安になっている。

 過敏には違いないし、とくに韓国が100もの学校が休校するのには呆れたが、騒ぐのも無理はない。

 私が東京電力と菅政権の大失敗と思うのは、汚染水1万1500トンも数日間だが海に流したことである。

 空気中に出てしまった放射能は事故だし、しかたない。スミマセンというほかない。 しかし、海に放出するのは、日本という国家の責任である。すでに中国あたりでは「日本は無責任国家」と言い出した。

 狙いは勿論、日本が自動車、エレクトロニクスなどで競争力を落とし、安全性で定評のあった農産物にも輸出にストップがかかった。また国際金融の世界では東京から上海、香港に移させる。要するに「隣の不幸はウチのしあわせ」である。コンチキショウ、絶対に忘れないぞ。

 さて、このレベル7のショックは投資の世界での株も商品とくに原油の売りにつながった。

 ここ何週間かへジファンドは円を借りて原油や金を買うという「円キャリートレード」を行っているが、これが巻き戻しになった。円は急騰。ゴールドマン・サックスの「目先売り」推奨も材料のひとつになった。ここ当分、巻き戻しは続きそうだ。

 もちろん、長期では原油も金も価格上昇が見込める。日本のエネルギー輸入は増えそうだし、金はこのブログでふれた通り。上昇スピード調整だろう。

 映画では牢屋にいる兄の助言で弟はチャンスを掴む。「ヘッドアンドボディ。顔を狙うとハラのガードが空く。そこを狙え。]第7ラウンドまで相手に打たせ放しで疲れさせ、猛烈なボディパンチで勝利。時間はかかるだろうが、日本は再び勝つ。ただし、復興資金の調達を増税でまかなうというバカなことはしない、という条件付だが。

2011年4月10日 (日)

映画「黄金」と新高値の金価格の今後(第549回)

 映画「黄金」は1948年名匠ジョン・ヒューストンの秀作で同年のアカデミー作品賞、監督賞を獲得。主演はハンフリー・ボガート。

 舞台は1920年代のメキシコ。ある港町で3人の流れ者が知り合う。シエラマドレの山中に金鉱を求めて旅たつ。老人でヨボヨボしていた男が、実際には屈強で、金鉱の知識もゆたかな山師。砂金の鉱脈の発見に成功する。

 山賊とメキシコ警察、3人はこれとまず戦はなければならないが、そのうち採掘では協力していた仲間は仲たがいしてゆく。幕切れでは、強い季節風がこぼれた黄金を吹き飛ばしてしまう。全ての冒険と苦労が無になったのを知って、生き残った老人はただ笑うしかない。

 金価格が上昇している。オンス1470ドルを超えた。日本での価格はグラム4000円突破。勿論史上最高値の更新である。

 価格上昇の背景は、ヤマのようにある。

 需給が大切だが①中国、インド、ロシアなどの新興国の買い②宝飾用の民需の盛り上がり③金ETFをつうじた機関投資家、とくに欧米年金の買い、などなど。

 そして問題は「買う動機」だが④インフレ懸念⑤ペーパーマネーに対する不信感、があげられよう。

 インフレは原油や食料の価格上昇というコストプッシュ型。

 もうひとつはインフレをおさえるには金融引き締めが必要だが、まだリーマン・ショック以降の世界不況への懸念がある。金融政策の発動がワンテンポもツーテンポも遅れるーという不安感が、金の人気を支えている。

 もちろん、上昇相場の基本にあるのは、米国の資金供給の激増である。マネタリーベースの額でいうと、リーマン・ショック以前の8000億ドルから最近は1兆8000億ドルへ。当然低金利だから、利息のつかない金投資でも先高期待で買う。

 問題は米FRBの6000億ドルに上る量的金融緩和QEⅡが、この6月で終了すること。

 連邦準備制度理事会のメンバーのなかにはもうやめたら、とか、縮小すべきだ、との主張が出始めている。すでに先物市場では1%台への金利上昇が折りこまれ始めた。

 また世界的に金利上昇の流れも。中国、ECB,豪州など。

 理屈では金利上昇は金価格には大敵のはずだが、ドルにもユーロにも不安があるので金価格は上げ足がつづく。たしかに買い疲れの徴候はあるが、押し目には新興国の買いがすぐ入る。

 目標値をよく聞かれるが、とりあえず1900ドルといっている。

 1980年の高値875ドルを現在の価値にインフレ修正すると2400ドルになる。そこまでは行くと思うが、2000ドルの大台まえでやはりひとやすみ、とみている。

 私は「こんな先が読めない時代だからこそ、資産の3^5%は金の現物を買って長期保有せよ」とおすすめし続けてきた。私の勝ちだ。目先にこだわっての投資はダメ。

 映画のセリフから。金探しの名人の老人が言う。「金は魔物だ。2万5000ドル掘ろうと思って出かけて何ヵ月も見つからないと、1万ドルでいいと思い、5000ドルでもいいと思う。だがイザ金を発見したら、あと1万ドル掘るために死んでもいいとおもう。」くれぐれも申し上げる。あまりツエを長くしないように。また早目におりてしまって、その後に手が出ない方でも、これからでも間に合います。ご検討を。

2011年4月 4日 (月)

「ドライビング MISSデイジー」と原発ルネサンス」〈第548回)

 「ドライビング MISSデイジー」は1989年の映画で同年のアカデミー作品賞など4部門で受賞した秀作。主演のジェシカ・タンディは最優秀女優賞を獲得した。共演モーガン・フリーマン。

 この原作になった戯曲は日本で上演。2005年、奈良岡朋子、仲代達矢が主演。二人とも見事な演技だった。

 今回ニューヨークで私は何とジェームス・アール・ジョーンズとバネッサ・レッドグレイブの共演での希少チケットが手に入り、見ることが出来た。映画や日本の舞台版と違う演出だったが、芸達者な二人がコメディを感動的に盛り上げた。

 1948年のアトランタ、72歳の元教師のユダヤ系老婦人デイジーが、買い物のためキャでラックにのるが運転を誤り隣の垣根に。見かねた富豪の息子が運転手を雇うようすすめるが聞く耳を持たない。

 初老の黒人運転手ホークが雇われる。初めは意固地に拒絶していたデイジーだが、ついにホークの車に乗る。デイジーが成金と周囲に思われまいと危惧していたからだが、ホークのまじめな仕事不利と正直な人柄に感銘し、次第に信用する。

 まだ人種的偏見の残る南部。ルーサー牧師の話とかKkk団のテロとか、話のワキに絡む。次第に二人が仲良くなっていくのが楽しい。今回の原発騒動も、ゆっくりだが、明るい方向に向かっていると思う。米国の支援もあるし。

 ニューヨークでもとくにワシントンでも、訪問中そこかしこで福島第一原発をテーマにしたセミナーや公聴会が開かれていた。

 みどりの党の反原発でドイツのマスコミはひどい誇張でアオっていた。しかし米国のマスコミは、ちょうど震災直後の情報不足から最悪の事態を恐れていた段階から、過度の悲観論を後退させた。現在では対日支援と原発推進に変わっていた。

 たとえばチュー・エネルギー省長官の「2012年度予算で新規の原発建設のための融資保障ワクの拡大を要請する」としている。もっと菅政権が世界に情報を発信していたなら、あの80キロの逃避勧告もなかったに違いない。

 事情通に聞くと、一時大阪などに逃避していた各国大使館も帰京し始めた。またフランスのサルコジ大統領とアレバ首脳が来日したのは、来るサミットで今後とも原発の推進の方針の組織を再確認することにある。

 そのためには、福島第一を廃炉にしないで再建するという。現在では途方もない非現実的な、と思われる案も考えられている、とか。勿論そのためにはさまざまな不安をまず除去しなくてはなるまいが。

 世界原子力協会(WNA)のジョン・リッチ理事長は米CNNのテレビ番組で「福島原発事故は、津波発生後の冷却系の不全問題だ。直前の原子炉緊急停止まで正常に作動していた。これらは新型の原子炉では問題は解決済みである」。つまり冷却系等の再検討の必要性を認めるものの、原発は安全だという立場にある。

 サルコジ大統領は「どんなに再生可能エネルギーを活用しても、現状では原子力のかわりにならない」と述べた。直前の停止まで原子炉は正常に作動していた。これらは新型の原子炉では問題は解決済みである」。冷却系等の再検討の必要性は認めるものの、原発は安全だという立場にある。

 たしかに、日本の再生と技術の高さを世界に示すには、時間はかかっても「フクシマダイイチ」の再生は名案。「不屈の日本」を示せるだろう。

 この流れから、一時額面の500円を割れた東京電力株は買いだし、半値になった仏アレバ、日立、東芝の株は買いだろう。

映画のセリフから。ホークを雇うときに息子が言う。「オフクロは頑固で手ごわいよ。」ホークはその後に言う。「たった6日で折れたんですよ。たいしたもんでしょう?神様が世界をおつくりになった日数です。」いまは途方もなく先に見える将来だが、案外近いかも。

2011年4月 1日 (金)

脱・中国の動き

「日経トップリーダー」経営者クラブから出版された『トップの情報CD』に、「脱・中国の動き」というテーマで講演が収録されました。

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