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2011年4月17日 (日)

映画「引き裂かれた女」と外国人投資家の弱気転換〈第551回)

 「引き裂かれた女」は昨年亡くなったフランスの巨匠クロード・シャブロル最晩年の佳作で只今ヒット中。20世紀初頭の米国の有名な犯罪を取り上げた。この事件はすでに2回映画化されている。

 高名な作家で富豪のサンドニはTVのお天気キャスターのガブリエルを愛人とするが、美貌に惹かれた若い経営者ポールは求婚し三角関係に。

 浮気なサンドニは何とうぶなガブリエルを乱交パーティに引きずり込んだ後、ロンドンに発ち部屋のカギはかえ、ガブリエルを捨てる。

 落ち込んだガブリエルはポールの求婚を受け入れるが、上流階級のポールの一族からは受け入れられず、そのうちにサンドニとの関係を知り怒ったポールは、公開の席で射殺してしまう。

 ガブリエルを演じるリュディヴーヌ・サニエの映画冒頭の美しさ、可愛いさは息をのむほどだが、終わりには身を落とした女で終わる。

 これと同じように震災直後は外国人機関投資家の日本経済への信頼は揺るがなかったが、4月中旬あたりから雲行きは怪しくなってきた。

 海外から見ると、日本経済の復興はたしかにいつかは果たされるのだろうが、どうもそれが明確になるまでは、途方もなく長い時間がかかるー。警戒的な姿勢が4月中旬に入って目立ち始めたように思う。

 その兆候は米国での日本金融機関の資金調達が次第にやりにくくなってきていること。かつてのジャパンプレミアムつまり90年代の邦銀の経営不安時代の再現の不安が起こり始めている。

 金融市場だけではない。首都圏の不動産をはじめ、外国勢が日本に持つ資産を処分し始めたという噂も聞く。

 そのきっかけっはやはりフクシマダイイチ原発の政府発表のあやしさに、復興予算を増税、なーんだ、ということになる。

 また東京電力が失った信用リスクというか補償などを早々と国が補填する発言があるかと思うと、そうではなく、なんとなく東電に押し付けるなど、ゴタゴタ続き。また前3月期の決算発表時に交付される今期見通しも、不透明ながら減益は固そうだ。

 それに加えて、ECBや中国などの金利引き上げがある。一番景気回復が遅れ超低金利が続くこと確実な日本。当然円キャリートレードが始まり、円安のはずだが、たとえば3月の投信販売を見ると、国内株型投信は純減で、海外の債券やREITに投資するファンドが大きく増えた。個人投資家の投資パターンも円安方向。

 ところが「円安になっても株安」。日本の工業品までが風評被害を受けて放射能被害がないという証明書がないと輸出しにくい状況になっているためだ。

 珍しくイマイさん弱気じゃないか、という声が聞こえそうだ。しかも、どうもみなで団結して、とかばかり言い過ぎる。そのくせ、まだ無能な菅政権は何もしていない。1ヶ月以上になっているというのに。1300億円以上ある義捐金はまだ配られていない。原発はまだ安心といえる状況にない。

 これじゃあ3月に1兆4000億円も買ってくれた外国人機関投資家が、日本を見捨てそうな不安が私には残る。

 映画のセリフから。サンドニに奥さんが言う。「あなたがグルメだという噂は効果的ね。どこへ行ってもシェフは腕を振るうし、いいワインも。でも現実にはオムレツ一つ作れないのに。」日本のイメージがどんどん悪くなってゆく。げんにロボットでは世界一のハイテクのはずだったが使えなかった。なーんだ、という声が怖い。

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