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2011年4月15日 (金)

映画「ザ・ファイター」とレベル7の影響(第550回)

 「ザ・ファイター」はボクシング映画の佳作だが、家族の中の”困った人”をテーマにしたところが面白い。

 貧しい労働者の街で、正確もファイティングスタイルも全く違う兄弟がプロボクサーをしている。兄のディッキーはかつて実力派ボクサーとして活躍、いま弟のマネジャーをしている。かつて著名ボクサーから一度ダウンを奪ったのが誇り。しかしいまは麻薬に溺れている。この役を演じたクリスチャン・ベールは先日のアカデミー男優助演賞。

 弟のミッキーはこの兄とマネジャー役の母、それに7人の姉を養わなくてはならない。やさしくしてくれたバーの女性と恋仲になるが、兄は無茶をして監獄入り。たくさんの小姑と恋人は不仲。その中で世界チャンピオン戦と言う幸運が舞い込む。

 フクシマダイイチ原発事故の「尺度」がレベル7という史上最悪とされてきたチェルノブイリ事故と並んでしまった。これで官民協力して原発の海外からの受注に努力したのが全てパー。せっかく東芝がウエスティングハウスを買収したのも、何のためにやったのか分からなくなってしまった。日本の信用は大きく落ち込んだ。原発に絡む色んな期待も雲散霧消となっている。

 映画ではミッキーはいい加減な契約をした兄と母のために、20キロも違うボクサーと戦わなくてはならなくなり、コテンパンにやられる。今の日本はメチャ負けしたミッキーに似ている。

 こうなると日本を見る外国の目が変わる。大震災発生直後は被害者への同情一色だったが、最近は放射性物質が自国に来るかどうかの不安になっている。

 過敏には違いないし、とくに韓国が100もの学校が休校するのには呆れたが、騒ぐのも無理はない。

 私が東京電力と菅政権の大失敗と思うのは、汚染水1万1500トンも数日間だが海に流したことである。

 空気中に出てしまった放射能は事故だし、しかたない。スミマセンというほかない。 しかし、海に放出するのは、日本という国家の責任である。すでに中国あたりでは「日本は無責任国家」と言い出した。

 狙いは勿論、日本が自動車、エレクトロニクスなどで競争力を落とし、安全性で定評のあった農産物にも輸出にストップがかかった。また国際金融の世界では東京から上海、香港に移させる。要するに「隣の不幸はウチのしあわせ」である。コンチキショウ、絶対に忘れないぞ。

 さて、このレベル7のショックは投資の世界での株も商品とくに原油の売りにつながった。

 ここ何週間かへジファンドは円を借りて原油や金を買うという「円キャリートレード」を行っているが、これが巻き戻しになった。円は急騰。ゴールドマン・サックスの「目先売り」推奨も材料のひとつになった。ここ当分、巻き戻しは続きそうだ。

 もちろん、長期では原油も金も価格上昇が見込める。日本のエネルギー輸入は増えそうだし、金はこのブログでふれた通り。上昇スピード調整だろう。

 映画では牢屋にいる兄の助言で弟はチャンスを掴む。「ヘッドアンドボディ。顔を狙うとハラのガードが空く。そこを狙え。]第7ラウンドまで相手に打たせ放しで疲れさせ、猛烈なボディパンチで勝利。時間はかかるだろうが、日本は再び勝つ。ただし、復興資金の調達を増税でまかなうというバカなことはしない、という条件付だが。

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