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2011年4月10日 (日)

映画「黄金」と新高値の金価格の今後(第549回)

 映画「黄金」は1948年名匠ジョン・ヒューストンの秀作で同年のアカデミー作品賞、監督賞を獲得。主演はハンフリー・ボガート。

 舞台は1920年代のメキシコ。ある港町で3人の流れ者が知り合う。シエラマドレの山中に金鉱を求めて旅たつ。老人でヨボヨボしていた男が、実際には屈強で、金鉱の知識もゆたかな山師。砂金の鉱脈の発見に成功する。

 山賊とメキシコ警察、3人はこれとまず戦はなければならないが、そのうち採掘では協力していた仲間は仲たがいしてゆく。幕切れでは、強い季節風がこぼれた黄金を吹き飛ばしてしまう。全ての冒険と苦労が無になったのを知って、生き残った老人はただ笑うしかない。

 金価格が上昇している。オンス1470ドルを超えた。日本での価格はグラム4000円突破。勿論史上最高値の更新である。

 価格上昇の背景は、ヤマのようにある。

 需給が大切だが①中国、インド、ロシアなどの新興国の買い②宝飾用の民需の盛り上がり③金ETFをつうじた機関投資家、とくに欧米年金の買い、などなど。

 そして問題は「買う動機」だが④インフレ懸念⑤ペーパーマネーに対する不信感、があげられよう。

 インフレは原油や食料の価格上昇というコストプッシュ型。

 もうひとつはインフレをおさえるには金融引き締めが必要だが、まだリーマン・ショック以降の世界不況への懸念がある。金融政策の発動がワンテンポもツーテンポも遅れるーという不安感が、金の人気を支えている。

 もちろん、上昇相場の基本にあるのは、米国の資金供給の激増である。マネタリーベースの額でいうと、リーマン・ショック以前の8000億ドルから最近は1兆8000億ドルへ。当然低金利だから、利息のつかない金投資でも先高期待で買う。

 問題は米FRBの6000億ドルに上る量的金融緩和QEⅡが、この6月で終了すること。

 連邦準備制度理事会のメンバーのなかにはもうやめたら、とか、縮小すべきだ、との主張が出始めている。すでに先物市場では1%台への金利上昇が折りこまれ始めた。

 また世界的に金利上昇の流れも。中国、ECB,豪州など。

 理屈では金利上昇は金価格には大敵のはずだが、ドルにもユーロにも不安があるので金価格は上げ足がつづく。たしかに買い疲れの徴候はあるが、押し目には新興国の買いがすぐ入る。

 目標値をよく聞かれるが、とりあえず1900ドルといっている。

 1980年の高値875ドルを現在の価値にインフレ修正すると2400ドルになる。そこまでは行くと思うが、2000ドルの大台まえでやはりひとやすみ、とみている。

 私は「こんな先が読めない時代だからこそ、資産の3^5%は金の現物を買って長期保有せよ」とおすすめし続けてきた。私の勝ちだ。目先にこだわっての投資はダメ。

 映画のセリフから。金探しの名人の老人が言う。「金は魔物だ。2万5000ドル掘ろうと思って出かけて何ヵ月も見つからないと、1万ドルでいいと思い、5000ドルでもいいと思う。だがイザ金を発見したら、あと1万ドル掘るために死んでもいいとおもう。」くれぐれも申し上げる。あまりツエを長くしないように。また早目におりてしまって、その後に手が出ない方でも、これからでも間に合います。ご検討を。

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