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2011年6月27日 (月)

映画「SUPER8/スーパーエイト」トアジア進出〈第564回)

 製作総指揮スティーブン・スピルバーグ、監督J・J・エイブラムスのアドベンチャー―映画。

 UFO,ETとの交流、子供たちだけの冒険、淡い恋心。要するにかつてのスピルバーグ映画のエッセンスに最新のVFXを詰め込んだ、なんとも懐かしい楽しい作品だ。

 70年代のオハイオ州、映画好きの14歳の少年ジョーは母親を亡くしたばかりだが、親友や気になる美少女と自主映画作りで立ち直りかけている。

 ところがある晩、撮影最中に目の前で貨物列車が大事故。以降街には軍が駐留し、怪現象が起こり始めるー

 ここ何年も私は意図して欧米よりも多くアジアを視察旅行して来た。その都度感じるのは、かつての日本の持っていたエネルギーに満ちた熱気だ。

 昭和30年代に東北から、就職のために上京してくる中学生の群れ。みんなでTV(白黒だが)、冷蔵庫、洗濯機(自動車なんて夢だった)を欲しがったあの時代。

 当時の日本人があこがれていたのはアメリカ。早くあんな生活がしたいと誰もが思っていた。

 いま、日本が今度は新興国の目標になった。かつての日本人のように「追い付き、追い越せ」のヴァイタリティを多くのアジアの若者に感じるのが現在だ。

 少し古い統計だが、日本人の一人当たりGDP(2007年)までの流れにたとえると、いまの中国は昭和40年、インドは昭和28年に当たる。韓国は昭和50年。最近はもっと差は縮まっているだろうが。

 やはり日本は人口が減少し老齢化している。

 一方、アジアは現在の安価な労働力がある。これを活用するための海外進出が数年前まで主流だったが、アジアあの旺盛な需要にこたえるための対応は変わった。

 平成21年度の内閣府の企業行動調査によると77%が現地の需要対応で、安い労働コストを理由とする比率45%を上回っている。

 日本企業のマーケット志向は、アジアなどの新興国で「ボリュームゾーン」と呼ばれる世帯当たり可処分所得が5000ドルから3万5000ドルの層の急拡大のためだ。

 通商白書によると「2020年にはアジアのボリュームゾーンは20億人」。アジア全体の消費市場は米国を越える16兆億ドルにまで拡大すると見込まれている。新興国側も規制緩和や制度改革が進み垣根が低くなっている。

 私は、当初大企業だけが新興国へ進出していたのが、次第に中小企業に拡がってきたことに注目している。

 中小企業白書によると、海外に拠点を持つ中小企業の比率は2000年の8・7%から2007年には12・1%に。うち製造業では11・7%から17・1%に上昇した。とくに海外に進出した中小企業では労働生産性が向上し、国内の従業員数も増えている。成長力を増しているのは力強い限りである。海外拠点の売り上げ比率も急上昇(50%以上が17%)。

 もちろん製造業だけではない。日本の伝統の丁寧な接客やキチンとしたサービスの技能が受け入れられる基盤が出来てきた。

 ジェトロの調べでは、海外で活躍が期待できるサービスとして①宅配便②セキュリティサービス③美容サービス④恒久旅館、がある。私もそう考える。

 東北大震災による風評被害で日本を訪れる観光客が急減し、「日本ブランド」の信頼性、安全性も低下している。しかし、相手側のニーズがあり、日本側の意欲があれば、流れは止まるものではない。

 アジアで成功している企業というとスズキ、資生堂、味の素、フアーストリテイリング。それに非上場だが、サントリー。ただし、投資はあくまで長期。目先は私は弱気だ。

 映画のセリフから。ジョーの父親が言う。「おまえはもう小さいころと違うんだぞ。」日本の昔のころを思い出さなくちゃ。

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