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2011年6月22日 (水)

映画「127時間」と日本の海底資源大国の夢(第563回)

映画「127時間」は「スラムドック弗ミリオネア」で1昨年のアカデミー賞を獲得したダニー・ボイル監督の最新作。しかも同監督が自ら企画書を書いて発案者となって作った傑作である。

 アウトドア好きな若者アーロンは一人で岩登りをしている途中で落石事故に巻き込まれる。身体は無事だったが、右手が岩と岩の間に挟まれ身動きがとれなくなる。

登場人物はフランコ一人。しかも行き先を他人に告げることはしないまま来てしまっているから救助は来ない。映画は主人公が一歩も動けないで、しかも結末は予想できる。

 この難しい制約が多い映画を、見事にボイル監督はこなして感動作にした。襲ってくる渇きと空腹、痛みと絶望、死の恐怖の中で、アーロンは自分の人生が一人で生きてきたのではなく、実に多くの人々とかかわってきたことを改めて知る。そして最後、失ったものはあっても充実した人生で得るものの方が多くなったアーロン。

 不幸はあっても、それだけで止まっては意味がない。前進して、つらい体験の本当の意味をあじわったことになる。

 この20年間、バブルが飛んだ後の日本はデフレと沈滞した経済に悩まされて続けてきた。老齢化と少子化がこれに輪をかけた。そして決めうちは今回の大震災と政治の混乱。いったい日本はこれからどうなってしまうのだろう。誰でも不安だ。不安のない日本人は、恐らく政権欲で自分のことだけ考えて生きているあの政治家だけだろう。

それでも私は、ここ当分の混乱は認めるものの、2010年代の終わりごろから「新しい日本」の夢が生まれると期待している。それは2012年度の採掘実験が始まる「メタンハイドレート」だ。

 これは海底の低温と高圧でメタンガスと氷が合わさって蓄積されたもの。2014年度に第2回の採掘テストが始まり、2018年度から商業化に乗り出す計画。

 この2018年には「海底熱水鉱床」の本格探査が始まる。メタンハイドレートで深海から資源を採掘する手法を確立し、これを金、銀、プラチナ貴金属、同、鉛、亜鉛、ニッケル、それにレアメタルの採掘に応用する。

 前記したメタンハイドレートは日本近海に日本の使っている天然ガスの97年分ある。また貴金属、非鉄金属、レアメタルなどの採掘可能量は4億トン近く。現在の市況から見て700兆はあろう。これにメタンハイドレートは200兆を越すから、これらだけで資源大国といえる。

これに例の尖閣列島の原油がある。中国側の推定では上限、1500億バーレルの埋蔵量がある。サウジ、イラン、イラクに次ぐ第4位の産油国になれる。

 いまの日本は石油、ガスなどが年27兆円、主に非鉄金属の鉱石などの輸入で年3兆円支払っている。自前で素原材料が手に入るメリットは言うまでもない。

 その日本の海底資源の開発技術は世界ダントツ。2008年にはカナダとロシアのシベリアのバイカル湖でメタンハイドレートの連続採取に成功した。

北海原油の採掘に成功した英国の例をとると、予算の16%は原油の利益でそれまで大量に発行していた国債(GDPの2倍も!)は減少しGDPの70%になった。また輸出の20%も北海原油で稼ぐ。

1979年に颯爽と登場した英サッチャー首相は「ビッグ・バン」を推進し、シティと呼ばれる金融界を充実させてGDPの15%をかせぐところまで立て直す。最近でこそ北海原油のマジックはおとろえたが、それでも斜陽と言われた英国が3~40年間立ち直ったのだ。日本は2020年以降、5~60年は「日本の時代」が復活するのではないか。「軍事大国日本」「経済大国日本」に次ぐ第3の日本だ。

まだ関連株は早すぎておすすめする段階ではないが①日本海洋掘削②三井海洋開発③石油資源開発④国際石油帝石あたりをウォッチして頂きたい。あと三井物産、清水建設も

 映画のセリフから。アーロンは手持ちの中国製万能ナイフで右手を押えている岩を削ろうとするが、ナイフの方がイカレてしまう。「中国製は使うもんじゃあないなあ。」そのうちに、やはり日本のものでなければ、と世界的でまた言い出す。まあ見ててごらんなさい。

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