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2011年6月12日 (日)

映画「パイレーツーーー」と大連立(第561回)

 映画の正式な題は「パイレーツ オブ カリビアン4 生命の泉」。カリブ海の海賊船長ジャック・スパロウを演じるジョニー・デップ人気と海洋スペクタクルが売り物のシリーズだ。今回は3D画面。

 飲めば永遠の生命を得ることが出来るという「生命の泉」を求めて、英国海軍、スペイン政府、海賊バルボサと黒ひげ、それに勿論ジャック・スパロウも。

 生命の泉から湧き出る水に人魚の涙を一滴落とし、銀の杯に入れて飲まないと効き目がない。まず人魚を生け捕りにしなくてはー。

 今夏の菅内閣の不信任案否決に絡んで、永い間存じ上げている元財務官僚の高橋洋一嘉悦大学教授が民主党のトロイカ三人組について傑作な永田町ジョークを紹介していた。

 政界で一番ズルい人は菅直人

 政界で一番バカな人は鳩山由紀夫

 政界で一番ワルな人は小沢一郎

 つまり、辞めると思わせて鳩山をだましたズル、だまされたバカ、菅おろしの黒幕はワルと言うことだ。

 早速、これも昔から存じ上げている自民党の三役級大物議員に「大連立」の可能性を伺った。「ない」という返事。まあ駆け引きのひとつの作戦なのだろうが。とりあえずは「拒否」。

 理由は「官邸を握らない大連立じゃあダメ」。外交や安全保障問題などで、やはり首相の座をとらないと閣内不統一になってしまう。映画で言うと生命の泉の水プラス一滴の人魚の涙、これがなくっちゃ、というところか。

 それを聞いて次に私はある大新聞の政治部のベテランに「ワルはなんていっているんだ?」と聞いた。

 答えは「あれだけ固守せよと主張していた民主党マニフェストを“修正してもいい“と言ってるよ。」私は呆れた。

 ワルのズルへの批判は常に「マニフェストを守れ」だった。リーダーシップがないという声に総理として何かしようとすると、党内の最大派閥が足を引っ張るのだから、ダメに決まっている。もともと子供手当て、戸別所得保障、授業料無償化、ガソリン暫定税率廃止、高速道路料金無料化、などなど。おいしい話を並べ立てたのは選挙民を釣るエサだった。なんともバカにされたものだ。

 ワルは「政策は政党にとり、大道具、小道具だ」(日経6月9日)と言い出した。もともと深刻な財政危機でもともと実行不可能なマニフェストだったことは誰の目にも明らかなのに。

 自民党の中の若手が大連立にためらうのは、三つの理由があろう。

 第一は、もともと民主党でマニフェスト修正を目指していたのは、菅=岡田だったこと。民主党内の小沢グループの反対がなければ自民党など野党の協力は進み、復興のスピードは上がっただろう。

 第二は後継者と交代時期が不明なこと。民主党内部からでも具体的な名前は何人か挙がっているがー。

 第三は、大連立が小沢復権につながってしまうことへの警戒感。

 それにしても一日も早い被災地のために対策が、掛け声だけでなく具体的な行動が求められている。政治が安定してほしいと、日本国民は皆望んでいる。

 映画のセリフから。終わりのシーンでスパロウ船長に部下が聞く。「生命の泉の水、ほしくなかったんですか?」「いや、オレは海賊として人生を送って、終わりが来れば死ぬさ。」前記のズル、バカ、ワルは、そろそろ終わりになったら。

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