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2011年8月16日 (火)

映画「未来を生きる君たちへ」と米国債格下げ(第573回)

本年度のアカデミー賞最優秀外国語映画賞を獲得した秀作。デンマーク映画で監督は女流スザンネ・ピア。

 二人の男の子が中心に話は展開する。エリアスは医師の母と弟の三人暮らしで、父はアフリカの難民キャンプで働いている。

 歯の矯正でネズミに似ているとバカにされいじめを受けたエリアスは、転校して来たクリスチャンに助けられて親友に。

 クリスチャンは母をガンで亡くしたばかり。ロンドンを離れデンマークの祖母の家に来たが、父親と仲が悪い。

 この映画のテーマは明快。理由もなく自分が暴力の被害を受けたとき、復讐すべきか?アタマでは暴力の連鎖が何も生まないことを知っているがー。

 もう何回も何回も、日本は米国発の金融危機と円高の被害を受けてきた。その都度お隣の韓国はウオンを切り下げ、メリットは大。

 この不条理というか、金融市場からの暴力はどう対処したらいいのか。

 実は、私のファンの方々から「イマイ先生、予想はピタリでしたね」とおほめを頂いた。このブログにもあるが、毎日「エコノミスト」誌1月25日号で87年10月のブラックマンデー再来を予測した。

 その中で「本命」の理由としたのが、「米国債格付けの引き下げ」だったのだから、たしかに大当たり。

 ただし私は不満だ。二つある。

 「秋から年末のどこか」と「株、ドルに加えて債券価格下落(長期金利上昇)のトリプル安」の二つは外れた。反省しています。これ、ホント。

 さて、今後をどう見るか。

 まず、オバマ政権と共和党との妥協で財政赤字に制限がついた。これで来年以降の米国経済が何で成長するか。どうもダメくさいので「日本化」つまりデフレの長期化というヨミが成立する。

 そうなれば格付けはワンランク下がったが、2013年央までは金融緩和だし、債券価格は上がる。

 ドル安円高の方は仕方あるまい。前記した1月25日号「エコノミスト」でも、また私の講演会でも1ドル73~4円という予想を申し上げてきた。とりあえず、まだこの数字は変えない。

 その先は、2005年にやった本国投資法が期待できる。

 これは米国のグローバル企業が海外に蓄積した1兆ドルの資産を本国に送金する場合に大幅減税するというもの。施行の年には対ユーロ15%、対円14%のドル高になった。

 株価のほうは過去に国債の格付けが下がった例を見ると日本、カナダ、オーストラリアなど全て悪材料出つくしで株高。

 日本は1998年11月にムーディズがAaaからAa1に格下げされたあと株高で2割上昇した。

 米国も同じとは思わない。8日連続安というのは6月末に投資家に支配的だった「年後半回復加速」シナリオがダメらしい。となって、巻き戻したためだろう。戻りはあるにしても、5月2日の1万2876ドルには及ぶまい。

 日本はどうか。世界的株安は米、欧、中など主要地域の成長率低下だから、ソニーだトヨタだという国際株は買えない。建設株など復興予算関連はよさそうだ。

 映画のセリフから。アフリカで虐殺を繰り返している暴君が足の傷が悪化し医師のところへ。とりまきの武器に対して医師がキャンプ内への持込をやめろという。「オレがきめる」「いや、医師の私が決めるんだ。」市場は景気見通しで決まる。当分世界の景況に目をこらそう。

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