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2011年10月14日 (金)

映画「カンパニー・メン」と米国の失業と日本化(第587回)

映画「カンパニー・メン」と米国の失業と日本化(第587回)

 「カンパニー・メン」は率直に言って批評家の点数は低いが、私には面白かった。

 リーマン・ショック以降の不況。ボストンの巨大複合企業でも大規模なリストラを断行する。主人公ベン・アフレックは年収16万ドル、恒久住宅に住みポルシェに乗る生活が突然解雇される。

 再就職支援センターに通うが求人はほとんどなく、面接にこぎつけてもかみ合わない。ついに義兄のケビン・コスナーの大工仕事の手伝いにまで身を落とす。

 このほか溶接工から重役になったがもう再出発の利かないクリス・クーパー。CEOの非情な強欲資本主義を批判するトミー・リー・ジョーンズ。みなオスカーをとった役者ばかり。

 題を直訳すれば「会社人間」。私は山一證券で30年、日債銀で7年半サラリーマン生活を送ったし、両社ともご存じのとおり、今はなくなってしまった。会社に文字通り懸命につくしたサラリーマンたちの運命も見てきた。

 それだけにこの映画の、人生に再び挑戦する男には家族の支えが何より大切、というテーマが心を打った。映画の出来栄えも悪くない。

 いまの米国の失業は表面には1410万人、失業率は9%台だが、現実にはもっと多くの人が仕事も失っている。推定2600万人。

 まだある。一家4人で年間2500ドル以下の収入の貧困家族には月間290ドルの食糧費を「フードスタンプ」としていわば食券を支給している。

 このフードスタンプ受給者が4630万人。米国の人口32000万人、労働人口半分として16000万人だからすごい比率だ。

 これは公表されている失業者のほかに、職探しをあきらめた人やパートタイム、それに「オマエは週2日の出勤でいいゾ」と言われた人がいるからだ。だから全米でデモが起きる。

 実は昨晩(1013日),ウォール・ストリート・ジャーナル紙の副編集局長アラン・マーレイ氏の講演と質疑応答があった。

 質問「今回の米国の不況は長期化し、いわゆる日本化が起きているのではないか。」

 答え「つい半年ぐらい前、日本化はあり得ないというのがコンセンサス。米国にはダイナミズムがある。FRBは対策を心得ているなどなど。しかし、ここ12か月の間に全く認識は変わってしまった。全く新しい不況、90年代の日本と似ているーという認識です。

10年?20年?私にはわからない。分かっていることは、今回の不況は戦後のあらゆる

不況より永く続いてしまうだろう、ということです。」

 私はこの見通しを早くから述べてきたので少しも驚かないが、私の米国債券市場の暴落不安説に対してのマーレイ氏の返事には少々がっくりした。

 「米国の国債に代わる大きな投資物件はないんです。だから米国債の利回りが上昇しても米国金融市場は大丈夫です。」

 この楽観論!

 時間がないので追加質問はできなかったが、私の頭の中には「カンパニー・メン」的な回答だな、ということ。11月にも起こりうると私が予想している大変事をマトモに「ありえますね」というはずもなかった!(別の機会に、詳しく)

 今回の結論。「日本化」つまり長期の不況は今や米国で定着化しつつある。

 映画のセリフから。「先は読めないが、オレはチャンスはあると思うよ。」時代は厳しいが、私はチャンスを探そう。

 

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