今井澂プロフィール

講演・出演など

お問合せ

広告


« [チキンレース」と世界一斉株暴落②(第589回) | トップページ | 映画「王様と私」とタイの大洪水と企業収益(第591回) »

2011年10月27日 (木)

[猿の惑星:創世記」と金価格の行方(第590回)

 もう公開後何週間も興行収入トップを続けているヒット。チャールトン・ヘストン主演の1968年のシリーズ第1作の衝撃的なラストは忘れられないが、その映画のナゾ「なぜ猿が人間を支配するようになったのか」に迫る。だから「創世記」。

 研究者のウィルはアルツハイマー症のための新薬を開発。チンパンジーに臨床試験。知能が飛躍的に向上したことを発見。その事実の発表直前、その雌チンパンジーは狂暴化し射殺され、研究は闇に葬られる。

 しかしオスの赤ん坊が産み落とされ、ウィルは自分の家で育てる。名前はシーザー。ところが8年後、十分に生育したこのチンパンジーは、ある事件で強制的に類人猿管理センターに収容される。

 頭の悪い飼育係に虐待されたシーザーは、法に縛られ、センターに抗議もできないウィルに失望、シーザーは猿のグループのボスになってゆく。そして自由を求めてほかの収容所にいるサルたちと、人類との全面戦争に。

 人類がオレこそ支配者だと思い込んでいるうちに、いつの間にか猿に天下をとられたように。時代は大きく転換してゆく。

 9月6日にオンス1911ドルの歴史的高値を付けてから、9月26日に1524ドルまで急落。その後の金価格は1600ドルの大台にとどまっている。ご投資家の中にはジレる人も。

 5月から6月の1500ドルの大台をなかなか抜けなかった時もそうだったが、あの時は強含み横這い。すぐ上昇に転じた。

 今回は20日間でオンス387ドル、2割近い下げだけに「もう終わり」説が出るのももっともだ。

 「天井」「バブルだった」説の論拠は①7,8月の上昇が棒上げで、しかも上ヒゲの長い陰線天井②9月の世界同時株安で金が下がったのは安全資産でない証拠③金価格とドル相場、あるいはインフレとの相関性は弱い④米ドット・フランク法の絡みで銀行の自己勘定の縮小で市場の価格変動が上昇⑤金先物証拠金引上げ⑥スイスの市場介入で手持ち金の売却懸念、などなどの理屈はいくらでも出てくる。

 私はたしかに1900ドル台は天井値であった可能性はある、と思う私の著書(2008年)でもそう書いた。「2000ドルに皆が行くと思えば、その少し手前で天井がつく」。

 しかし、私の見ている金の買い材料①金はペーパーマネーに対する不信任指数②同時にアメリカにとっての不快指数③中国、インドなどの個人の金買い、は三つのバックボーンだが、これは変わらない。

 私は先日、米NBCで紹介されたウラ話を忘れない。前FRB議長アラン・グリーンスパンは講演が多くひっぱりだこで10万ドルとるそうな。主催者が「どの通貨で講演料を払いますか、ドル、ユーロ、円?」返事は「ゴールド」。

 同氏は90年代欧州の中銀が金売却したとき上院銀行委員会で米国は金を売却しないのかという質問に「金は究極の通貨だ」と述べた。目先の調整は別にして、大天井はまだ先と思う。いまのところ「2012年、2000数百ドル」とお答えしている。

 映画のセリフから。シーザーが初めて人間の言葉を言う。「NO!」。それも強制収容所のようなところから引き取りに来た育ての親ウィルに対して。市場は容易でないことを言っているのでは。

 

« [チキンレース」と世界一斉株暴落②(第589回) | トップページ | 映画「王様と私」とタイの大洪水と企業収益(第591回) »