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2011年11月 5日 (土)

映画「ステキな金縛り」とTPP(第592回)

 三谷幸喜監督の最新作で興行収入トップ。まことに楽しい映画で館内爆笑が何回もあった。法廷ものでこんなに面白い作品は珍しい。

 ストーリーは三谷作品らしく奇想天外。失敗続きでもうアトがない三流弁護士エミはある殺人事件の弁護が持ち込まれる。

 資産家の妻殺しの容疑で捕まった夫だが、アリバイがあった。事件の夜、旅館の1室で落ち武者の幽霊に一晩中のしかかられ、金縛りにあっていた、という。

 さっそくその旅館に泊まったエミは、421年前に無念の死を遂げた更科六兵衛の幽霊に金縛りにあう。「どうか、裁判で証言してください!」

 こうして、前代未聞の裁判が始まる。しかし幽霊の姿は、ごく限られた人にしか見えない。また検事は一切の超常現象を認めない敏腕カタブツ。どう展開するか?

 幽霊が証人であることを認めるかどうかで検察と弁護両サイドが対立したように、現在の日本ではTPPを巡って賛成派と反対派が激しさを増している。

 私の見るところ賛成派は①輸出立国②農業改革の二つを信条としている。

 一方反対派は①嫌米②国体護持③農業保護④既得権益保護を基本的な立場としている。 

 だから書店に並んでいる本のタイトルを見ても「アメリカの陰謀」「日本は一方的に不利益」「日本の独立と国家主権が脅かされる」などの主張が多い。

 賛成派は言うまでもなく主要メディア、経団連、それに元農水省官僚でキャノングローバル戦略研究所山下一仁氏が農業改革派のオピニオン・リーダーだろう。

 山下氏は9月12日に日本証券アナリスト協会で「TPPと農業再生」と題して講演した。私も聞いた。

 農業については少子高齢化と人口減少で、農業の維持、発展のためには輸出が必要。それは米総消費量が40年で半減してしまうため。」

 またTPP反対のウソとしてー

 アメリカ陰謀説は日本が言いだしているだけ。まだ米政府は議会を説得できていない。

 デフレ論は「食料品で買い控えは起きない」。

 あり得ないことが起きるとして国民を脅かしている。たとえばィ.労働基準が引き下げられ外国から単純労働者が入ってくるㇿ.医療の自由化を求めて来るㇵ.農業補助金は非関税障壁として廃止されるニ.投資協定で政府は外国企業に訴えられまくり、規制内容まで変更させられる、などなど。

結論として山下さんは「品質の劣る海外の米と比較して競争力がないという主張はおかしい。インド車と比較してベンツは競争力がないというのか?」

「1kg当たり価格は日本産コシヒカリ380円、カリフォルニア産コシヒカリ240円、中国産コシヒカリ150円。しかし日本国内でも魚沼産コシヒカリは一般ものと1・7倍の価格差。」

 

「低品質の米が100万トン輸入されたとしても高品質米を300万トン輸出すればいい。」私は全面的に賛成する。

 私もメンバーの一人の総研エコノミストクラブでもNPO法人総合政策研究会が「TPP参加に全力を挙げよ」と提言した。野田首相の決意が問われる。

 映画では落武者の幽霊を見ることができる人は①なんとなく運勢が落ち目②身近な人(あるいは犬など)の死③シナモンが好き、の3条件。TPPの方も、将来の日本が見えていない人が反対しているのではないか。

 

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