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2012年3月10日 (土)

映画「戦火の馬」と米国大統領選挙(第613回)

映画「戦火の馬」と米大統領選挙(第613回)

 スティーブン・スピルバーグ監督の最新作で私はものすごく感動した。涙したのは私だけではなかったと思う。アカデミー作品賞にノミネートされたのも当然だろう。

 舞台は第一次大戦時代の英国。貧しい農家の息子アルバートは愛し大切に育てた馬ジョイを、英国軍に軍馬として不本意ながら売られてしまう。ジョーイは戦場の最前線で英独両軍に使われ走り続ける。アルバートも徴兵され戦場へ。巨大な戦争の波に、馬も人も翻弄される。

 戦争は結局どちらかが勝ち、どちらかが敗れるのだが、双方とも傷つく。それも深い心の傷を。

 米共和党の予備選挙のヤマ場で10州が決まるスーパー・チューズディが終わった。全米のほぼ半分の州で予備選挙が終わったが、ミット・ロムニー候補がリードしているものの決定したわけではない。まだ戦争中だ。

 1月末にフロリダ州でロムニー候補が勝った時には、これで決まりと見る向きが多かったが、すぐ2月に入り3州でサントラム候補、それにギングリッチ候補はジョージア州を、押さえ決定力不足が明らかになっている。

 ロムニー候補の経歴はビジネスマンとしては立派なもの。コンサルタントとして成功し、次いでベンチャーキャピタル会社を設立、多くの企業を再生させた。ウオール街でロムニー人気が高いのも当然だ。

 ところが共和党内部の選挙戦では①企業再生の過程で、社員のクビを切った②高額所得(2010年17億円)にもかかわらず低税率(配当収入なので14%)で連邦所得税の35%より低い、などが攻撃された。

 以前からロムニー候補がモルモン教徒なことがハンディとされてきたが、豊富な運動資金をバックに有利な選挙戦を続けてきた。しかしスーパー・チューズディでもまだ決定力不足は否めない。

 現職のオバマ63、ロムニー34、残りの候補はひとケタ、というのが「イントレード」という賭けWEBサイトの賭け率だ。この予想はここ2か月ほど変わっていない。結局ロムニーだがオバマにはかなわない、とみていることになる。

 ではオバマ第2期ならどうなる。一般教書と予算教書で目立つことを。

 まず税制改革を、一種の階級闘争として扇動しているということ。高所得への増税、税優遇措置の廃止で2013年度から財政赤字は改善。著名投資家ウォーレン・バフェット氏が言い出したため「バフェット・ルール」と呼ばれる。ロムニー候補への対抗策。「私のような立場の者は自分の秘書より高い税率を払うべきだ」というバフェット氏の秘書が、一般教書演説の時にオバマ夫人の隣に招待してTVに映した。

 第二は「シェールガス革命への『信仰』。ウオールストリートジャーナルがこう名付けた。天然ガスを自動車燃料として活用することを「とりわけ重要」とし、カリフォルニア州ロングビーチとユタ州ソルトレークシティを結ぶ初の『天然ガス回廊』第一号を称賛した。

 私がドル高円安を主張していることはこのページをご覧の皆様はご存じだろう。シェールガスの寄与で米国の貿易収支赤字が急減する時期は近いのはドル高要因。円安の要因は日本の貿易収支の黒字転換の遅れや、海外企業に対するM&Aなどなど。私は3年か4年の間に120円ぐらいはあるのでは、と考えている。輸出株特に自動車を注目している。

 映画のセリフから。兵士が言う。「伝書鳩は勇気があるんだ。下を見ると恐怖と死。その上を飛ばなければ、ウチに帰れないんだぜ。」円高恐怖を唱える本は書店にヤマとあるが、外れると私は見ている。結構勇気が要るんだが、私はドル高円安論の方が当たると考える。

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