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2012年3月18日 (日)

映画「マーガレット・サッチャー」と海底資源大国日本の夢(第614回)

映画「マーガレット・サッチャー」と海底資源大国日本の夢(第614回)

 メリル・ストリープが先日のアカデミー賞で主演女優賞を獲得した話題作。彼女の演技を見るだけでも一見に値する。

 英国史上初めて女性首相となり三度の総選挙で勝利し、11年も在任した。ウィンストン・チャーチルと並ぶ大宰相だ。

 ところがこの映画は、女性監督の作品らしく、亡くなった夫デニスがしばしば現われて、妻としてまた女としてのマーガレット・サッチャーの歴史が画かれる。反共産主義者として「鉄の女」と呼ばれた豪腕政治家としての姿は、フォークランド紛争での主戦派として画かれるだけ。それでも戦いで死亡した兵士に母として手紙を書く。

 私は英国とも合弁会社を二つも証券会社時代と銀行時代に設立した。そこでサッチャー首相が来日した折に英国大使館に呼ばれて話をしたことがある。今回の映画を見て、そっくりの演技に驚嘆した。

 実は1979年にサッチャー首相が出現したときには、75年から始まった北海原油の寄与で、英国がドン底から立ち直りかけていた。

 その後原油の収入が財政の六分の一、輸出の五分の一を占めて英国経済は回復。日本人の製造業の能力を高く評価していたサッチャー首相は日産とNECの工場を招致し、勤勉さを労働者に学ばせた。また北海原油で余裕のできた財政を背景に、ロンドンの金融街シティにビッグバンを実施して金融立国を狙い成功する。

 老大国で斜陽の英国、しかも今の日本と同じく重い債務に苦しんでいた状況から立ち直らせたのは北海原油だった。

 私はこれに似た立ち直りを、海底資源の開発の日本経済への寄与で期待している。このブログの読者ならご存知の通りだ。メタンハイドレート、海底熱水鉱床からの金、銀、銅、亜鉛、レアメタルなどなど。今年中にメタンハイドレートは愛知県沖でテスト採掘がはじまり2014年に第二次、そして2018年から本格採掘が始まる。

 第二次大戦で負けるまで、日本は明治維新以来の軍事大国を目指した。その夢は英、米に次ぐ第三位の海軍で一応達成されたが、敗戦でパー。

 その後昭和24年にお隣の中国で共産主義政権が誕生、ソ連も当時は隆々とした大国で、米国は資本主義のモデル国家として西独とともに復興、成長させるべく対日政策は変わった。日本は今度は経済大国へ。1989年の株価3万9000円近辺へ、世界第二位のGDP、「ジャパン・アズ・ナンバーワン」と皆が信じた。

 まず株価、次に地価から下落、2003年には本格的デフレに突入。いい気になっていたツケが回ってきた。日本国債が危ないという悲観論は消えない。

 しかし、為替市場での円安は次第に先安観が定着し始めた。つれて超円高で息も絶え絶えだった自動車などの輸出が伸び始めている。やはり2月14日の日銀の「物価上昇1%目途」声明は効いている。原発ストップと原油高はやはり円安材料。一方米国はシェールガス革命でドル高要因が出てきた。今時代は変わろうとしている。そのうちにだれもがそのことに気が付く。あと1年?2年?遅くとも海底資源開発のメドがつく2014年だろう。

 先日若林栄四さんのセミナーを聞く機会があった。私のかねてからの見方と7,8割一致していてびっくりした。「不連続時代」が始まったという主張に私は同感だ。

 最近のユーロ騒ぎは、参加しなかったサッチャーの先見力を裏書きした。「他人の10倍早く、より多くを準備して常に時代の先を行った」サッチャーへの評価は高い。

 映画のセリフから、免許の試験を控えた娘の運転を助手席でみてやりながら言う。「ハンドルを握ったら大胆にやるのよ」。タイミングを見て、攻める時には攻める。

 

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