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2012年4月 7日 (土)

映画「スーパーチューズデー」と米大統領選(第617回)

映画「スーパーチューズデー」と米大統領選(617回)

 大統領選の民主・共和両党候補を目指す政治家にとっての天王山は、予備選と党集会が集中する3月のスーパーチューズデーだ。ジョージ・クルーニ監督はこの選挙戦を舞台に面白い傑作をつくった。

 選挙を実際に仕切る人物は選挙参謀とか選挙コンサルタントと呼ばれる。長い選挙戦でのあらゆる判断を下すリーダーであり、候補者のパフォーマンスを引き出すディレクターで、しかもメディアやほかの政治家などの協力を引き出すディレクター(JMM・USAレポート567回)。

 映画の副題「正義を売った日」の通り、腐敗した政治への告発がテーマだが、選挙戦のウラ話としても十分に楽しめる。

 映画の中で候補者の知事は選挙事務所のトレーニーを妊娠させる。主人公の選挙広報担当は「大統領は必要のない戦争を始めることも、国を破産させることもできる。でもトレーニーとファックすることだけは許されていない」あのモニカ・ルインスキー事件を想い出してニヤリとする向きも。

 共和党の候補者争いは、ようやくロムニーがリードしたが、指名に必要な過半数の代議員1144人の半分。とても党内を一本化している数字ではない。

 イントレードというwebサイトがある。カネを賭けて候補を買う。この3か月余り、オバマは68セント。ロムニーは37-38セント。当たれば1ドルになって返ってくる。

 共和党サントラム、ギングリッチ、ポールは皆1セントにもいかない。米マスコミは面白ければいいので、激戦とアオっているが。

 それでもガソリン代高騰を含めてオバマ不人気は相当なもの。民主党大統領と共和党の上下両院多数というねじれ現象が起きる公算大。となるとバーナンキ議長が「巨大な財政の断崖」と呼ぶ米国財政の時限爆弾にスイッチが入る。

 それは法的上限に近付きつつある、連邦債務問題。段階的に上限は引き上げられることになっているが、議会が同意しないと1昨年のような事態が再現されてしまう。

 このほかにも12月31日までに議会が対策を講じなくてはならない時限爆弾は三つある。

 給与減税の失効(給与の2%分の増税)

 所得減税の失効(いわゆるブッシュ減税以前の水準)

 大幅な歳出削減の強制執行

要するに共和党は年間の歳出額に上限を設けた、将来の社会保障の削減。一方民主党は富裕層への増税だ。政治の方はなかなか妥協が成立しにくい。

一方経済面では、このコラムでも紹介したが最大の負の資産の住宅がまだ明確な反発に入っていない。ウオーレン・バフェット氏やシラー教授の「底入れが近い」という見通しはあるが、一部大都市部の回復に止まっている。バーナンキFRB議長もまだまだ説で、金融緩和が今後も必要との立場を維持している。全国ベースでは、なかなかいい数字にはなるまい。

 私は明日8日から1週間、主にニューヨークで取材してくるが、シェールガス革命の進展という最大のテーマに絞るつもりだ。

 映画のセリフから。選挙参謀が部下に言う。「この政界では忠誠心が唯一の通貨なんだゾ。」いまの米国ではシェールガスが唯一、明日につながる材料と私は見ている。

 

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