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2012年6月14日 (木)

映画「ロボット」とロボット産業の今後(第627回)

映画「ロボット」とロボット産業の今後(第627回)

 世界の興行収入100億円を突破したインド映画最大のヒット作。私は完全版を上映するまで待って見たがまあ面白いの何の。笑いとスリル、アクション、ダンスなどをメチャメチャに盛り込んだが、ある評論家が「奇跡的」というくらいうまくまとめた。ちょっと類を見ないエンターテインメント。一見をお勧めする。

 研究者バシー博士は10年かけて自分と同じルックスのハイテクロボット「チッティ」を完成。やがて人間の感情をプログラムされたチッティは博士の恋人サナに恋心を抱いて三角関係に。怒った博士は分解して廃案処分。ところが悪徳教授がゴミ捨て場から部品を回収して殺人マシンに改造してしまう。

 そのあたりからチッティから分身したロボット軍団の壮絶な大暴れがメチャ面白い。最後は殺人プログラムを外されて終わりになるがー。

 映画の中のロボットがそう先のことと思わないほど、現実のロボット工学の発展は目覚ましい。

 日本以外では軍事技術がロボット作りのバックにある。日本でも売られている自動掃除機の「ルンバ」は米軍の委託で地雷除去ロボットを開発した「アイロボット」という企業の製品だ。ナズダック上場で60%が家庭用だが40%は偵察ロボット、水中の調査ロボットなど軍事用。この開発を政府が委託し、その技術を民間用に使うことを許されている。

 日本のロボットはご存じのとおり産業用では世界一の特許数を持つ。世界でのシェアは三分の二、三分の一が日本で稼働中だ。代表選手が安川電機、ファナック、川崎重工。

 この流れに加えて次の世代は①音声認識技術②画像認識技術③人工知能(AI)など頭脳部門が開発、回転が求められている。

 コミュニケーション・ロボットの「パロ」とか日本初の食事支援ロボット「マイスプーン」、介護予防リハビリ体操補助「たいぞう」などなど。これらのサービスロボットの市場は10年以内に1兆円。政府の報告書では現在の産業用と同じ規模になると予測されている。

 三菱総研のロボット市場はもっと大きい市場を見込んでいる。まず現在の製品のみが今後普及してゆくだけで2035年に2兆7000億円、これが新しい分野の開発で2035年に9兆7000億円。しかしロボットを活用した周辺産業が同程度の市場を創造すると予測している。

 具体的には①インテグレイションとコンサルティング3兆7727億円②保守・管理1兆2477億円③サービス代行1兆779億円④リースとレンタル1兆4198億円などなど。

 海外のマスコミ、例えば英エコノミスト誌は「日本人は幸運にもロボット恐怖症に束縛されていない」と感嘆する。特異な摺合せの要求されている分野だし、軍事予算のバックがないというハンデはあるにしても、日本の将来を支える分野の一つだろう。

 映画のセリフから。30年後ロボット「チッティ」は分解されて首だけが陳列されている。小学生の団体が見学に来て先生に聞く。「どうして分解されちゃったの?」ロボットが先生に代って言う。「感情を持ってしまったからだよ。」

 SF作家アイザック・アシモフの「ロボット工学三原則」①人間への安全性②命令への服従③自己保護というルールは、やはり小説の中だけで現実的でない。しかし倫理システムをどう組み込んだかは今後の大問題だろう。

 余談、恋人サナになるアイシワリヤー・ラーイの美しいこと!ミス・ワールドになったのが94年だそうで、いい年なのだろうがスタイルも含め完璧な美人。この踊りだけでもこの映画、値打ちがある。楽しいよー。

 

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