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2012年6月 3日 (日)

映画「スパルタカス」と株価に見通し(第625回)

映画「スパルタカス」と株価の見通し(第625回)

 最近TV映画でも同名のシリーズがヒットしたが、映画は名匠スタンリー・キューブリックの1960年の名作。カーク・ダグラスが製作兼主演でローレンス・オリヴィエ、チャールズ・ロートン、ピーター・ユスティノフ、ジーン・シモンズなど重厚なキャスティングだった。脚本はローマの休日を書いたダルトン・トランボで大迫力のある反抗精神に満ちた史劇になった。

 舞台は紀元前3世紀のローマ。スパルタカスは奴隷でツラ構えを見込まれて剣闘士として養成されるが、貴族の慰みのためだけに生死を賭けた試合をさせられ、ほかの剣闘士とともに逃亡。反乱を起こしてローマと戦う。始めは連戦連勝。スパルタカスは「奴隷にとって、死が唯一の自由だ。奴隷は死を恐れない。だから我々は勝つ。」と言う。

 失うものがない人間は強い。相場でもこれ以上下がる余地がなくなると、あとは上がるしかなくなる。恐らく今週中(6月4日以降)に底が入ると考えている。

 なぜか。日経平均の週間ベースでの続落記録が6月1日現在で9週間に及んだ。これまでの記録は第1位が10週で1975年7月から9月。9週は第2位で1992年3月から5月まで続いた。今回は第2位タイ。

 たしかに①ギリシャのユーロ脱退やスペイン国債利回り上昇②中国の成長率鈍化③米国の就労統計など、売り材料が続いた。6月1日のNYダウは200ドルを超える大幅下落で6月4日(月)の東京株式市場の下げは不可避だろうが、そうそう毎週毎週下げ続けるわけではなかろう。

 私のシナリオは、やはりギリシャの選挙。80%近い国民がユーロ脱退を望んでいないし、緊縮予算容認派が支持率を上げている。一方ユーロ共同債について、選挙直前にドイツの要人が一言いえば―という期待は十分にありうる。

 いまの世界の株式市場は「リスク・オフ」の投資作戦で一斉下落だが、と問えば日経平均は1月から3月まで10週連続して週足は陽線でこれは新記録だった。いったん「リスク・オン」に変われば同じような展開があろう。

 日本株買い、円売りの投資作戦を新年早々に発表したゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントのジム・オニール会長は6月1日付で「まだ過去の金融危機時と比較するともう少し問題国の株価はまだもう少し下値がある」という予測を発表した。同時に「危機のあとすべての株式市場は急回復し、1年間で最安値から100%上昇した」とも。欧州経済は今後数年間で大きく持ち直す可能性は低いと指摘はしているが、つれ安つまり欧州危機が材料で売られた地域は別だろう。

 先週もこのブログで述べたとおり、PERは10倍そこそこ、PBRは0・8倍台ともう下値は知れている。

 恐らく反転は為替市場から始まるだろう。ユーロの先物売りは17万枚を大きく超える空前の水準。これが買い戻しに入るのは時間の問題だ。

 映画の終盤、スパルタカス率いる反乱軍は海路でのイタリア半島脱出が不可能になり、ローマ軍と正面対決、衆寡敵せずで敗戦を覚悟する。そこでスパルタカスが言う。「俺たちは負ける。でもきっと後に続くものが出てくる。」「声をあげなくちゃだめだ。一人が声を、上げたからローマが恐れる。」私は一人で強気を言っているが、ここはひかない。まだこの原稿を書いている現在の8400円台よりは下値はあるだろうが、下げ幅は知れていると確信する。

 

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