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2012年8月 8日 (水)

映画「4,3,2,1」とヘッジファンド」と株買い時期(第635回)

映画「4,3,2,1」とヘッジファンドの株買い時期(635)

 英国映画の佳作。たった一館でレイトショーなので見る人は少ないだろうが、私には拾い物だった。題は「四人の女の子、三日間、二つの都市、一つのチャンス」の意。四人の美女のうち三人は米国の映画専門サイトの「世界美女ランキング100」に入っているし、とくに一人はジュリア・ロバーツの姪でキュート。

 カフェで男の子を品定めしながらおしゃべりしている女の子四人。TVのニュースはダイヤモンド窃盗犯の逃亡ニュース。ふざけて走りまわっていた男が女性グループにぶつかり、ダイヤがバッグの中に放り込まれる。

 そこから始まる四人の娘たちのそれぞれの同じ週末を四回繰り返すと、すべての謎が解け全体像が見えてくる―という構成。監督ノエル・クラークのスタイリッシュな画像で見せる。爽快な映画だ。

 世界の投資資金は、リスクを回避して、米国国債や日本国債など安全と思われる国の長期債に流入している。米国10年もの国債はこの原稿を書いている8月7日現在1・57%、日本の10年もの国債も0・78%の超低金利。半年くらい前はそれぞれ2・2%、1・0%だった。

 三井住友信託銀行の7月号月報に「超低金利下でだれが米国債を購入しているか」という面白い調査が載っている。

 映画の四人の美女とダイヤ窃盗団の戦いのように、国債市場での売り手と買い手の戦いが毎日行われている。金利が下がっているのだから、買いが強いということだ。誰が買って、だれが売っているのか。

 同調査によると、QEⅡが2011年月に終わった後、インフレ調整後の長期金利がマイナスに転じた2011年10月から2012年3月まで最大の買い手は、ヘッジファンドを含めた「家計」2510億ドル、次いで海外の公的資金が1040億ドル、そのほかの銀行、年金保険、ミューチュアルファンドはごく小幅な買いに止まっている。

 面白いのは大手の買い越し組の「ヘッジファンドを含めた家計」は、その他の債券と株式は大口の売り手なことだ。

 たとえば政府系機関が発行するエイジェンシー債などと社債は、「ヘッジファンドを含む家計」は1850億ドル、株式も1300億ドルの売り越し。「家計」がこんなに大量に売買しないので、主体は「ヘッジファンド」だろう。

 三井住友信託の調査では「投資環境の変化の際に反動で金利上昇幅が大きくなるリスク」はあるものの、米国株の時価総額が上昇することにより、米国内の各部門のバランスシートが大きく改善されていることを指摘している。

 つまり①家計1兆6580億ドル②ミューチュアルファンド9460億ドル③年金保険6740億ドルなど、合計4兆ドルを超える株式保有時価総額の増加。40%以上の「富」が創造されている。

 前回のこのコラムで私は「8月1日のFOMCでQEⅢは穀物価格上昇の最中なので不可能。8月31日のジャクソンホールのミーティングでのバーナンキFRB議長の講演での発言で発表」と見た。すでにFRB理事12人のうち少なく見ても8人がQEⅢ賛成に転じている。FOMCの9月12~13日を待たなくても議長一任になっていると観測した。この見方を全く変えない。

 映画では四人の美女の一人シャノンが家庭内環境の悪化に耐えかね、衝動的に川に飛び込もうとするが、その時手にはなぜか大量のダイヤが握られている。その瞬間、三人の女友達が現場に到着。四人それぞれの複雑に絡み合った物語がそこでわかってくる。「量的金融緩和は効果が少ない」という見方もあるが、ヘッジファンドの「リスク・オフ」から「リスク・オン」への転換は、やはり米国株、日本株の上昇につながるのでは。

 

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