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2012年9月 2日 (日)

映画「テイク・ディス・ワルツ」とシェールガス革命②(第639回)

映画「テイク・ディス・ワルツ」とシェールガス革命②(第639回)

 変わった題の映画だが、これはカナダのミュージシャン、レナード・コーさんの歌によったもの。不安な現代をよくあらわしている。私は知らなかったが「メンヘラ」という言葉があるほど精神的に病んだ人が多い。女性監督サラ・ポーリーの目から徹底的にリアルに、この「ほとんどビョーキ」の人妻を画いた佳作。

 

 フリーライターのマーゴは取材先でダニエルという青年と知り合う。タクシー相乗りで帰宅しようとするが、驚いたことに隣人だった。

 空港での会話でマーゴは「飛行機の乗り継ぎが怖い。コワいと思うことそれ自体が怖い」。つまり「乗り継ぐ」というのはマーゴが現在の夫からこの青年に乗り換えが、ほんの気まぐれで行われるというテーマ。またアルコール依存症のマーゴの夫の姉とか、同類の女性も登場する。

 誰もが不安で、見通しのつかない現代。とくにリーマン・ショック、ソブリン危機といろんなことが起こりすぎるここ3,4年だ。

 しかし、沈滞している米国経済と世界経済がシェールガスによって救われる。そこにシェールガス革命の意義がある。

 日大国際関係学部・大学院教授の円居総一さんが、きわめて明確にシェールガス革命の巨大な影響を論じた。(週刊エコノミスト2012年2月7日号)

 新しい安価で大量のエネルギーの発見は、時代も変えてしまう。エネルギーこそ産業の基盤インフラだからで、たとえば1800年前後の英国の産業革命は木炭から石炭への転換期に起きた。次に米国は石油が20世紀初頭の大好況を生み、自動車とハイウエイ、電力などの現代文明につながった。

 円居さんによると「新エネルギーの台頭はそれまでの停滞は打ち破られ、生産性の向上と相まって新たな成長期が導かれる」。エネルギーの収穫逓増の法則が働くからだ。

 シェールガスは米エネルギー情報局(EIA)によると、世界のシェールガスの可採埋蔵量は既存ガス田の累計量と同規模で、可採年数は73年から一挙に400年に。使用料の急増を見込んでも250年で、原油の46年、天然ウランの100年(BP推計)をはるかにしのぐ。

 ここから先はワシントンのシンクタンクIHSの予測だが、2010年から2020年までの10年間でシェールガスの寄与分は累計8700億ドル、GDPを6%押し上げる。また雇用は2010年の60万人が2020年に112万人、税収も186億ドルが371億ドルに。

 もちろん貿易赤字削減効果も米国にとっては大きい。エネルギー赤字は55%に達しているが、2015年からのシェールガス輸出も含めると2020年ごろには、半減する可能性が大きい。当然、ドル高だろう。

 ユーロはダメ、中国も怪しい。しかし世界経済の大黒柱の米国経済の見通しがいいことはこの不安な時代の先行きを明るくする。

 テイク・ディス・ワルツの歌詞。「いま、ウィーンに10人の美女がいる。死が泣きにくる肩がある。900の窓があるロビーがある。鳩が死に場所にする1本の木がある。(中略)アイ-アイ-アイ。このワルツをどうぞ。このワルツをどうぞ。」世界中、嫌なことばかりが目につくけれど、前途を信じて明るく生きよう。

 

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