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2012年9月 9日 (日)

映画「夢売るふたり」とシェールガス革命と日本(第641回)

映画「夢売るふたり」とシェールガス革命と日本④ (第641回)

 「ゆれる」や「ディア・ドクター」のヒットで大いに注目されている西川美和監督の最新作。題名には「人生とは、大事なものを引き替えにして生きてゆくもの」という監督の思いが込められている。独特の毒を含んだ、一筋縄で行かない作品だ。

 主人公は火事で小料理屋をなくした夫婦の貫也に里子。再建資金をどうしようかと困っていた所へ焼失した店の客だった女性と貫也は出会う。愛人は事故死しあやふやな手切れ金を押し付けられた女性は泥酔し、駅のホームで隣に座った貫也のズボンにゲロを吐く。捨て鉢の女は貫也に

手切れ金としてもらった札束を押し付けて―。

 日本橋の割烹に板前と仲居として雇われた夫婦は結婚詐欺を始める。里子が糸を引き、貫也が手駒となって身体を張る共犯のコン・ゲームだ。

 松たか子の演じる里子の行動は不可解だ。夢の実現のためとはいえ、夫とほかの女が親密になるよう間を取り持ち、一人、夫の帰りを待つ。女たちから金は巻き上げるが、チャンと借用書を書きカベに貼っておく。「倍にして返そうね」というけなげさがこの映画のテーマだろう。

 「夢」というと、いまの日本はダメに見えるが実際には大きな好材料がある。米国発のシェールガス革命で、国として大きな利益が生まれる可能性だ。

 日本の2011年の鉱物性燃料輸入額は22兆円。うち原油11兆円、LNG5兆円。私は3年ぐらいでこれが半減すると考えているので、これで成長率は2%強押し上げる。

 ホントに半減?とお思いになるかも知れない。まずシェールガスを含めた天然ガス。現在百万BTU当たり18ドルだが、韓国の輸入契約価格から見て10ドル。年2兆6000億円の国富の流出回避(日大円居総一教授試算)。

 百万BTUのガスは6倍すると原油と同じ熱量で、現在米国で2ドルを割り込んでいる。シェールガスはバーレル12ドル。原油の八分の一。併産される良質のタイトオイルを含め原油価格全体に押し下げ効果があるだろう。ただし、このいい材料はTPPに入らないとダメ。次期政権に期待しよう。

 第二はドル高円安。国際通貨研究所の購買力平価によると、消費者物価を基にした対ドル円レートは139円。企業物価99円。現実の78円というレートがメチャメチャな円高でこれがデフレと企業収益の圧迫要因だ。

 ところが米国のシェールガス革命は貿易収支と財政収支の赤字を大幅に減少させる。当然ドル高円安になってくる。

 つぃでに。韓国が格付け会社によって日本より格上にランクが引き上げたため、為替市場でウォン安の操作はしにくくなった。日韓スワップ協定ももちろん不要になり、いずれウォン高に苦しみ始める。ザマアミロといえる日はそんなに先のことではない。

 脱原発は日本の大問題だが、シェールガスつまり天然ガスを使った発電所で一挙に解決する。最新のコンバインドサイクルという技術が日本にある。再生可能エネルギーの三分の一の低コストで発電効率を現在の40%弱から60%に上昇できる。すでに重電機メーカーへは発注が増加し始めた。

 映画のセリフから。里子が言う。「夢なんて、ほんの少しで充分よ。少し、少し。少―しだけ素敵な夢を見せてあげれば」。私には夢は少しどころか、大きな夢に思える。

 

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