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2012年9月25日 (火)

映画「鍵泥棒のメソッド」と日中、日韓問題の今後(第643回)

映画「鍵泥棒のメソッド」と日中、日韓問題の今後(第643回)

 内田けんじ監督は「運命じゃない人」「アフタースクール」など脚本も兼ねて秀作を作ってきた。最新作は前2作と同様、練りに練った良く計算された面白さで、ぐいぐいと引っ張ってゆく。一見をお勧めする。

 35歳にもなっても全く売れない役者(堺雅人)が銭湯に行き、そこで石鹸で滑って転んだ殺し屋(香川照之)のロッカーのカギを盗んで、人生が入れ替わる。殺し屋は完全に記憶喪失。そこへ計画的婚活を推進する雑誌編集者(広末涼子)が絡んで三人の運命は予測不可能の展開。そして何とも楽しいハッピーエンド。

 香川照之が記憶をなくす前と後で、全く別人に変身する男を、まことに名演技で見せるが、ちょうど日中、日韓がこの何ヵ月かでガラリと情勢が変わったのに似ている。

 3年前の鳩山政権が日米関係をガタガタにして以来、中・韓はスキをついてやろうとしていた。そこに中国は経済と高度成長を支えていた国家資本主義が崩壊しかけ、党の要人たちは海外に資産と子弟を逃避させている始末。

 一方韓国は李明博の任期満了まじかで近親、側近のスキャンダルで、歴代の大統領同様来年の逮捕は目に見えている。後任候補で同じ党の朴謹恵に頼まれて竹島訪問、反日扇動の戦略に乗ったのだろう。

 佐藤優氏によると1965年に日韓外務省の交換公文がある。「両国間の紛争はまず外交上の解決。これが可能でないなら両国政府が合意する手続きで調停による解決を目指す。」だから竹島問題が「紛争」と国際的に認められれば、韓国は外交交渉と国際的調停から逃げられない。

 歴史認識や従軍慰安婦問題は、アーミテージ元米国務副長官が日経電子版8月25日でこう言っている。「事実はただひとつ。それは悪いことであり、実際に起こった。そして日本人の何人かが責任を負っている。それで話は終わりだ」。そのとうり。

 では日中は。歴史的認識の問題が「靖国神社のA級戦犯を分祀すべき」という仏の専門家の助言は十分考慮に値する。(日経8月31日)

 尖閣の方は日本個人投資家協会の木村喜由さんが懸念して次のように言っている。

 「中国の方では明確に尖閣諸島を自国領として確保する意思(中略)。スキあらば尖閣に漁民を上陸させ、その保護を名目に軍艦出動(略)。弱腰の自衛隊が手をこまねいて発砲できずにいる間に建造物を建て、なし崩しに居座り続ける」。これがフィリピン領南沙諸島でやった手口だ。(マーケット通信9月22日)海上自衛隊もハラを据えてかかるべきだ。

野田政権は「石原知事を妨害し、中国をなだめる」目的だったのだろうが、バカなことをしたものだ。中国側は待ってました、と全国に配置してある反日デモ用の工作員、プラカード、おそろいのTシャツを使い日当も出した。

 中国側の大失敗はデモが暴動化し、政府の扇動工作と「愛国無罪」つまり治安とか法律が無視される国という印象が世界中のメディアで報道されたこと。外資系の対中投資は激減、急激な成長率低下は必至だろう。現に逃げ出した米有力企業もある。

 私は19日訪中したパネッタ米国防国長官が、何らかの警告を習近平次期国家主席にしたと思うが、内容はわからない。しかし、急速な鎮静化はそこいらが原因だろう。

 前記した佐藤優氏は尖閣に対し外務省が「領土問題は日本には存在しない」という立場をとり続けている。しかし「中国との対話を拒まない」と変更しないと「ダブルスタンダード外交」というプロパガンダを中国が展開するだろう、と懸念している。

 私の結論。まず韓国が悲鳴を上げるだろう。韓国企業が使用している素材、部品の23%は日本製。中国の方は少し遅れるだろうが、困るのは韓国と同じだ。

 どうおさめるか。前述したアーミテージ元米国務次官補は「日米間参加国の有識者の非政府間会合、次に政府当局者と民間人双方が出席する準政府間会合に格上げしながら進展を図る」。これは私も名案と考える。日韓も日中も政権が交代すると外交方針も変えやすい。

 映画のセリフから。お芝居で腹にナイフを刺され血ノリを見せる演技を殺し屋が役者に指導する。「突然腹を刺されたら、事態の把握、緊張、それから痛みだ。」事態はまだ起きたばかりだが、悲観しないで推移を見守ろう。

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