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2012年10月24日 (水)

映画「96時間 リベンジ」と「オバマ暴落の予兆(第647回)

映画「96時間 リベンジ」と「オバマ暴落」の予兆(第647回)

 映画「96時間 リベンジ」は、有名な原作もCGもなしで全世界で大ヒットしたりユック・ベッソン製作の続編。試写会で見たばかりだが、アクション映画好きにはお勧めできる快作だ。

 温厚な元秘密工作員ブライアン(リーアム・リーソン)だが、娘キムが犯罪組織にパリで誘拐された途端、冷酷非情な男に豹変し、身につけた特殊な能力で群がる悪党をなぎ倒してゆく。その『96時間』で殺されたアルバニア人犯罪組織のボスが息子の仇討として、今度は元妻レノーアと娘キムも含めた三人を捕える。これが今回の続編だ。

 地下にとらわれた自分がまず脱出し、重傷を負って地下に拘束されているレノーア、そして地上で敵に追われているキムを同時に救出しなければならない。最愛の二人を救う手立てはあるのか。

 いよいよ米国大統領選が大詰め。現職の優位を生かしてオバマ有利。先物取引のイントレード社でも55対44.選挙人数を予想するエレクトラル・ヴォート社でも過半をオバマ大統領が確保している模様。

 これを見て「オバマ大暴落」を公言するウオール街の人は多い。それは映画と同じく一度にひとつづつしか難問は解けないが、そこに株式市場に増税という難しい重荷が入ったからだ。

 お断りしておくが、私は米国経済は今後何年かで大好況に入ると思うし、NYダウも上昇トレンドは続くだろう。

 しかしごく目先、大統領選挙の後12月、1月に「オバマ暴落が発生する可能性はかなり大きいと考えている。

 ロムニーが勝っても「暴」がつくかどうかはわからないが、上昇基調の中でかなり大きな調整は相当な確率で起きよう。

 これを大げさな表現で弱気博士とあだ名がついている相場の名人マーク・ファーバー氏が先日TVで述べた。「大統領選挙の後どう株式市場は動くと予想しますか?」とアナウンサーが聞いた。

 「オバマならマイナス1万3473ドル。つまり株価はゼロになってしまう。

 ロムニーならマイナス6000ドル。」

 かなりファーバーでなくオーバーだと思うが、感覚としては私も同感だ。

 なぜか。富裕層の投資家の税金アレルギーを私は良く知っているからだ。

  2003年のブッシュ減税をオバマ大統領は否定して「私は金持ち優遇をするつもりはなくブッシュ減税は12月末で失効させる」と明言している。

 そこでキャピタルゲイン税は15%から20%に増税、配当は(現在15%)通常の所得として課税されるが、米国国民の平均から見て30%近い高い税金になる。増税分はその他も含め2800億ドル。いわゆる「財政の崖」の中核部分だ。

 もう10月下旬現在、NY株式市場は1日200ドルを超える大幅下げの日が多い。配当の収入を当てにしていた投資家が現金化し始めている。ミューデュアル・ファンドの残高も8月以降毎週50~60億ドルも減少を続けている。

 ロムニーが勝っても就任は1月だからブッシュ減税の時間切れは変わらない。「エアポケットみたいな下げ」、とヘッジファンドNO・1のブリッジウオーター創業者レイ・ダリオ氏がたとえたが、恐らく不可避と私も考える。

 映画のセリフから。元妻にブライアンが言う。「オレは100%目先のことに集中するんだ。獰猛な犬が骨をしゃぶりつくすようにな。」あくまでも目先だが、私は弱気だ。

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