今井澂プロフィール

講演・出演など

お問合せ


« 週末公開のダメダメ映画3本と私の買いたい株(第644回) | トップページ | 映画「アウトレイジ ビヨンド」と米国大統領選とNY株(第646回) »

2012年10月 9日 (火)

映画「ツナグ」と中国の今後の混乱(第645回)

映画「ツナグ」と中国の今後の混乱(第645回)

 新直木賞作家辻村深月の連作長編の映画化で、平川雄一朗監督。若手売出し中の松坂桃李と樹木希林、それに助演に仲代達也、八千草薫など。年配の観客に加えて随分若い女性も。後味のいい佳作と思う。

 ツナグとは、一度だけ死んだ人と会わせてくれる案内人のこと。会えるのは月の出る夜で夜明けまでとか、いろんなルールがある。普通の男子高校生歩美は実はこのツナグで、祖母のアイ子からこの仕事を引き継ぐ途中の見習い。

 登場するのはまず中小企業の経営者で、死んだ母に会って本当の病名を伝えなかった決断が正しかったかどうか聞きたい。次はケンカ別れしたまま交通事故で死んだ親友と会いたい女子高校生、最後にプロポーズ直後に失踪した恋人のことを信じて7年間待ち続けているサラリーマン。

 一方歩美は、はたして死者にあったおかげで人は救われるのか、人生は変わるのか、疑問に思う。また不可解な死を遂げた両親にも。

 常識では信じられない死者との対話ができるーと告げられて戸惑う人たち。

 常識外れというと、私は最近の中国の抗日暴動や、それ以前では2年前の漁船衝突事件とその後のレアアース輸出禁止などなどを思い出す。

 9月17日付人民日報は一面に「中国はいつ対日経済制裁を始めるか」のコラムを掲載、人民日報系週刊誌も日本経済への打撃が大きいと特集した。ほかの中国メディアも同様にヤレヤレとあおっている。

 2年前のレアアースが有効だったと考えているようだが、日本側のチャイナリスクの認識後の対策を知らないらしい。中国の対日レアアース輸出は昨年34%減で今年も大幅減。中国のレアアース輸出は上半期で43%減。もちろん価格は暴落し、例えば高性能モーターに必要なサンカジスプロシウムの価格は三分の一。

 業界関係者によると中国の業者からもっと買ってほしい、と懇願されているという。だから中国マスコミが「レアアースの対中依存度49%・3%」と、武器として使えることを強調しているのは実情を知らない。現実には中国企業がもっと打撃を受けるし、WTOからの調査開始が8月に決定している。

 中国側も気が付いたのだろう。税関検査を遅らせて日本の自動車業界は生産を削減または停止に追い込まれ、某大手化学などは原材料が届いていない。

 また中国メディアは「日本への打撃が大きい」証拠として①中国の総貿易に占める対日比率は2002年の16%が2011年9%とほぼ半減②日本の対中輸出比率は30%(そんなにない。せいぜい20%)としている。

 しかし中国の世界への輸出を支えるハイテク製品の素材や部品、その品質を高める工作機械や計測機器の多くは日本からの輸入や現地生産に依存している。

 外国からの対中投資は急減している。1~8月3・4%累計で減った。日本だけが1~7月で19%も増やしていたが今後急減する(当り前だろう)。4~6月の外貨準備高は20年ぶりに減少に転じている。対日制裁どころでなくなる時期は遠くないだろう。

 映画のセリフから。祖母アイ子の兄でツナグの先代(仲代達也)が、歩美(松坂桃李)に言う。「目に見えているものだけが真実じゃない。大切なことは、心で見るんだ。」世界中が、もう文明国として中国を見ない。そこが大事だ。

« 週末公開のダメダメ映画3本と私の買いたい株(第644回) | トップページ | 映画「アウトレイジ ビヨンド」と米国大統領選とNY株(第646回) »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« 週末公開のダメダメ映画3本と私の買いたい株(第644回) | トップページ | 映画「アウトレイジ ビヨンド」と米国大統領選とNY株(第646回) »