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2012年11月17日 (土)

映画「希望の国」と解散総選挙と中国、NY株(第651回)

映画「希望の国」と総選挙と中国、NY市場(第651回)

 園子温監督の最新作。原発事故を主題にした。私は事故があったからすぐ原発ゼロを叫ぶのは短落的に過ぎると考えるが、放射能の恐怖を正面から取り上げた力作だ。この現実の重みは誰にも否定できない。

 舞台は架空の長島県の町で20××年。東方沖のマグニチュード8・3の巨大地震と原発事故。半径20キロ以内の警戒地域すれすれにすむ酪農一家の物語だ。

 父親は牛へのと殺処分命令、息子夫婦はオナカの中の子供への放射能不安。認知症の母親を抱えた一家に強制退去命令―。

 父親は言う。「人は生きる時、何度も杭(クイ)を打たれる。今回は、放射能だった。国も県も市も、そんなものに1回でも頼っては駄目だ。(中略)逃げろ。逃げることは、強さだ。強い人間だからこそ、逃げるんだ。」

 逃げた若夫婦、故郷を遠く離れた砂浜だが、もう安心と思っていたが、ガイガーカウンターが鳴り、ここでも恐ろしいほどの高い数値が。

 国の発表する放射能数値への不信がこの映画の一つの軸だ。

 公表される大本営発表が信じられない、というような事態が方々にみられる。

 たとえば中国。中国政府は11月に入って景気立ち直りを示す指標を発表。明らかに14日に終わった第18回共産党全国大会に向かっての演出。つれて日本のエコノミストの中に中国経済に「回復の萌芽」を言う向きも出ている。

 たしかに10月の鉱工業生産前年同月比9・6%増、小売売上高14・5%という数字なら好況に違いない。

 しかし、しかしである。鉄道貨物輸送量は6月以降ずっとマイナスで10月もマイナス6%。これで前述の景気指標がウソっぱちなことは明らかだ。中国経済は、当分、ダメ。

 NYの株安の原因のアップルの25%もの大幅下げも、日経新聞は「スマホの競争激化」と説明している。しかし現実にはブッシュ減税の期限切れでキャピタル・ゲイン課税の税率が現行の15%から38%に高まる。そこで9月に最高値を付けたアップルや銀行株などへ利食い売りが殺到した。日経記事は投資家、資産家の心情を全く理解していない。

 ただ、株安が「人質」になって、恐らく問題点の先送りだろうが、クリスマス前には「財政の崖」は現実化しまい。この問題はかつてのコンピュータの2000年問題の騒ぎと同じ、と私は見ている。

 最後に解散、総選挙の日本。17日のテレ東の番組で田原総一朗氏は「自民180、民主120、維新50」と予測。過半に達しない安倍総裁は公明党でなく、石原氏率いる維新との連立を選択する可能性を田勢氏とともに示唆した。

 私も「第三極」つまり野党は、石原氏が選択するはずがないと考える。日本維新の会と太陽の党の合流が決まったということは、石原氏がワンポイントでいいから自分を総理に、という連立を考えているということだ。安倍氏は憲法問題で逆らう公明党より維新の方を選択する公算が大きい。

 日本株について一言。外国人の「円売り日本株買い」が本格化しつつある。金曜日にキャノンに大量買いが入ったのは、外国人機関投資家の買いだろう。このまま上昇が続くのか疑問を持つ向きは多いが常に上昇相場は「疑念のうちに始まる」もの。円安も株高も案外永続きするだろう。

 映画のセリフから。息子の嫁が言う。「見えない戦争なのよ。弾もミサイルも見えないけど、そこいらじゅう飛び交っているの。見えない弾だ。」よくマナコを凝らして情報を深読みしたい。

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