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2012年11月10日 (土)

映画「黄金を抱いて翔べ」と新高値必至の金価格(第650回)

映画「黄金を抱いて翔べ」と新高値必至の金価格(第650回)

 井筒和幸監督の新作。高村薫のデビュー作の映画化で、妻夫木聡、浅野忠信、溝畑淳平、チャンミンそれに西田敏行という豪華メンバー。フィルム・ノワールらしい観応えのある作品になった。

 登場人物もストーリーも一筋縄では行かない。舞台は大阪で時代は20年前。巨大銀行の地下金庫にある金塊を盗もうとする6人組のお話しだ。主人公二人は養護施設で育てられた裏街道をゆく北川(浅野忠信)と幸田弘之(妻夫木聡)。これにシステムエンジニアで銀行内部に詳しい野田(桐谷健太)、北川の弟と北鮮からのスパイだったモモ、それに元エレベータ技師で銀行のビルに精通しているジイちゃん。北川が親分格で「札束でなく金塊を狙う。札束は信用できないが、金塊は永遠だ。だからやるんだ」。

 これに元左翼。地元ヤクザ、北朝のスパイが絡んでお話しは予想を次々と裏切って二転三転。幸田の出生の秘密もひと役絡む。主人公の一人北川は「誰も人がいないところに行きたい」という夢があり、これが犯行を決意させる。

 このブログの読者は米大統領選挙後のNY株の「オバマ暴落」と私が予告していたことをご記憶と思う。見事に的中、自慢させてもらう。まあ下がれば下がるほど、政権と議会は対策をする必要が生まれる。米国経済の大不況説は当たらないと思う。

 ただしオバマ当選で減税が廃止され、税負担は2200億ドルも増える。株のキャピタルゲインは15%から平均30%近くへ増税され、それをイヤ気しての株価下落だから、かんたんにダウ平均1万3000,4000に戻らないとみている。

 ところで金。先日渋谷を歩いていたら私のファンの方からお声がかかって「目先どう見ますか?」。私は目先弱気です」とお答えした。

 理由は市場内部での買い手と売り手の動きが、金価格の目先の上昇に結びついていないから。

 米国では個人投資家スモールトレーダーの買いが7,8月ごろから急増し、10月上旬に市場空前の買い残に達した。10月5日の1798ドルは個人買いで、ついたと思われる。

 一方、プロのトレーダーはこれに売り向かった。1800ドルはテクニカルに見て、抜くのが大変なレベル。売り残の方も10月とこれまた空前の量に達し、結局売り方が、勝って11月2日に1674ドルと1700ドルの大台を割ってしまった。ここは、買いだ。

 私の注目しているのは例年11月後半から1,2,3月頃までの金ETFの買いによる価格上昇というアノマリー(季節性)である。トレーダーたちの空売りは急速に減少中、市場の需給関係は急速に好転しつつある。

 例年米国の年金は9月末までのパフォーマンスを中心に翌年の資産配分をどうするか、を決定する投資委員会を開く。11月後半が多い。その委員会が新しく運用会社を選ぶのだが、噂を聞いて1月からの運用開始も前からヘッジファンドが金買いを始め、3月ぐらいまでETFを中心に金価格は上昇する。

 今回の新高値挑戦は成功すると見る。国際決済銀行(BIS、スイスのバーゼルにある)の銀行規制の「バーゼルⅢ」。金を現金なみもリスクレス資産とし、銀行の自己資本の中のTIER1(ティアワン)の総資産の中での比率を4%→6%とした。2012年から。これは大材料だ。

 またロンドンのCMEクリアリングという国際決済機関はもう今年から担保としての金を現金並みに扱うことを決めた。金価格上昇に始めてリクツがついた。目標はとりあえず2000ドル突破。

 映画のセリフから。首領格の北川が宣言する。「初めに金塊ありき。我々とともにありき。我々の結束は肉の欲によらず、人の欲によらず、ただ金塊によって生まれしもつなり」。金への信仰がヒトを動かす。

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