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2012年12月17日 (月)

映画「レ・ミゼラブル」と第二次安倍内閣(第655回)

映画「レ・ミゼラブル」と第二次安倍内閣(第655回)

 ビクトル・ユーゴーの名作は何回も映画化されたが、今回はミュージカルをそのまま。

 私はロンドンで3回、ブロードウェイで1回、帝劇でも1回観た。今度の映画も含め必ず鼻の奥がツンと来て涙した。何がこんなに人の心を打つのだろうか。貧困と格差、社会の非人情と権力による圧迫、現代のわれわれにも通ずる。ユーゴーの社会への怒りが。

 誰もが知っている銀の燭台の話。パン1個盗んだだけで19年間も投獄され仮釈放されても社会に受け入れられなかった主人公ジャンバルジャンの再生と波乱万丈のストーリーは、たしかに面白い。しかし心を打つのは人間の真心と愛情だろう。もちろん音楽も素晴らしく、合唱曲のワンディモアとか民衆の歌は美しいし圧力も十分。

 今回のトム・フーパーは「英国王のスピーチ」でアカデミー賞を得た名監督。普通のミュージカルと異なり、俳優が実際に歌いながらナマで収録する撮影方法で、これが効果を挙げている。一見をお勧めする。

 自民党の地滑り的大勝が明らかになりつつあった昨17日深夜、TV朝日は田原総一朗氏が司会して報道していた。石破幹事長が出演したとき「安倍さんは2回目の首相でー」と言ったらすぐ田原氏は「失敗したじゃないか」。

 そうかも知れないが、映画のジャべール警視と同じで、監獄に入った人間は必ず悪人と決めつけているのではないか。」2回目の内閣は前回の経験を活かして前よりうまくやろうと考えるし。

 私は安倍さんはツイていると考える。官僚勢力の代表財務省は前回は小泉政権の後なので拒否反応が強く、主要大臣の選挙区事務所の税務上の問題点を次から次へとマスコミにリークして仕事をさせないようにした。

 今回は違う。2014年の消費税実施の前に「安倍リフレ」つまりデフレ脱出政策は大歓迎だろう。協力するはずだ。何よりも有権者はデフレ脱出と経済回復を熱望しているから、世論を敵にはできないだろう。何しろ反原発、反消費税を主張した党はダメ印がついたのだから。

 外交面では対米関係は良くなるだろう。もちろんTPPが「踏み絵」になるだろうが、これまでと違い「1年だけの総理大臣」にならない可能性が強い。米国は大事にするだろう。中国を押さえ込むためにも。また中・韓ともに新政権で「仕切り直し」しやすい。これもツイている。

 来年の参院選は憲法改正をテーマにした衆参同時選だろうが、これに勝てば3年ぐらいの長期政権だ。

 「ねじれ」はまだ現時点では残っているが、強いのは3分の2の衆議院議席で参院で否決されても、(時間はかかるが)法案を結局成立させることが出来ること。

 となるとごく目先の大事な点はスピード。経済財政諮問会議の復活はいいことだし、担当大臣を1212日の日銀の政策決定会合に出席させるのも一案だ。23月に次期日銀総裁人事が行われ、デフレ脱出策に熱心な人物を選び、政権の意志を明確化すべきだ。

 「民衆の歌」の中に赤とブルーで人々の怒りと反抗を表しているという歌詞がある。

 NHKのTVの中で3年前の民主党の獲得した地区がブルーで、自民党は赤で示され、今回の逆転劇を明示していた。人々の怒りと失望が大きくなると途方もない大きな結果を生む。自民党は戒心して成果を挙げるべきだ。

 

 

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