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2013年1月26日 (土)

映画「リンカーン」とアベノミクス(第660回)

映画「リンカーン」とアベノミクス(第660回)

 近く発表されるアカデミー賞で実に12部門でノミネートされ、作品賞の最有力候補。4月の公開予定だが試写会で感動したので。

 スティーブン・スピルバーグ監督はやはり腕がいい。リンカーン最後の4か月に期間を絞り、奴隷解放を実現するためには憲法を改正し米国下院で三分の二以上の多数で可決を獲得しようとする。これが大変。また5年も続いている南北戦争を終結させ国としてまとめるため南部も参加させなくてはならない。

 ヒステリーの妻、参戦するといって父親に反抗する息子など家庭でも難しい人間関係が。リンカーンはジョークを交えながら、これらの難問を辛抱強く片付けてゆく。そして人類の歴史を変える決断が下される。

 大統領としては人間の尊厳と戦争の終結、そして家庭人と三方向の難問。ちょうどアベノミクスが①大胆な金融政策②積極的な財政政策③成長戦略の三本の矢で成立しているのに似ている。

 政治家の名と政策をくっつけて何とかミクス、というと1980年代の米レーガン大統領のレーガノミクスを思い出す。強烈な規制緩和と民営化、小さな政府、そして強いドルの組み合わせだった。

 同時期に同じような政策を推進した英サッチャー首相にサッチャリズムの名はのこるが、サッチャノミクスとは言わない。しかし二人ともそれぞれの国の経済を大きく変えたのと成功したことは共通している。

 しかし何と言っても今回のアベノミクスがこれだけ有名になったのは、選挙の発言が強烈な印象を与えたこと、外国人投資家の円売り株買い戦略がこれまた強力で、まず為替市場、それから株

式市場が大きく反応したこと、の二つだろう。

 ただ、民主党のアンチビジネスと稚拙な政治から自民党の大勝で、本来なら国民的大論争になるはずの「1%のデフレより2%の物価上昇の方がマシ」という大転換が何となくまかり通ってしまった。

 私はリフレ派で安倍首相を支持するが、かつて物価安が歓迎されたのを思い出すと、いくら株高が進んだからといっても、そんなに簡単に宗旨変えしていいんですか?と聞きたくなる。

 選択2012年12月号に書いたし、先々週の週刊新潮も私の談話を引用していたが、円安はまだ解散の気配もなかった10月下旬から始まっている。シカゴ市場で円売り玉が円買いを上回ったのは、恐らくヘッジファンドの電話会議で「円売り日本株買い」が決まったからだ。そこに安倍発言があったので、渡りに船、だったのだろう。

 環境というか材料もアベノミクスを支援している。円安がこの政策のカナメだが、ジム・オニールの「2年以内100~120円」発言が効いている。

 独メルケルが文句をつけたが、ユーロ安のおかげで大儲けし続けてきて、何を言っている。米国の自動車はいつものことだし、韓国も長い間イカサマをやってきたことは周知の事実だ。

 麻生、甘利両大臣とも「高すぎた円高是正過程」という主張をツッぱりつづけることだ。国益がかかっている。ガンバレ。

 私が顧問をしている会社の社長から「おかげでもうかったが、今後どうする?」と。トヨタ、ホンダ。キャノン、三井不、三菱重の五銘柄はまだ上値があると思うので不変。売りは海運株。

 映画のセリフから。リンカーンが言う。「南部諸州は敵国ではない。戦争終了後南北合併になるが、州法を上回る憲法で奴隷を違法だとしなければ。」まだまだデフレ脱出は先のことだから、円安株高が続くことが、最高の安倍政権への支援だ。ただし輸出株上昇、デフレ円高で上昇していた株は売り、というルールを忘れずに。

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