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2013年4月 7日 (日)

映画「ヒッチコック」と黒田サプライズの今後(第670回)

映画「ヒッチコック」と黒田サプライズの今後(第670回)

 サスペンスの神様ヒッチコックの主に「サイコ」にかかわる裏話の映画。アンソニー・ホプキンスが似ても似つかないヒッチを演じヘレン・ミレンが夫人アルマ、ジャネット・リーの役をスカーレット・ヨハンソン。私のようなヒッチコック・ファンにはとても面白い小品。

 この映画の主役はヒッチ夫人のアルマ。今としてはホラー映画の古典となった「サイコ」だが陰惨な話だというので製作会社が出資を渋り、ヒッチは自宅を担保にして80万ドルの製作費をねん出。3600万ドルの興行収入という大ヒットになった。しかし製作中にヒッチは発熱、また自信を失いアルマが編集しなおして何とか映画にする。

 この間に有名なシャワーシーン(45秒)に7日間かけた、とか。原作のロバート・ブロックの本はスタッフが買い占めた、とかのトリビアも入る。

 「サイコ」のお話しはご存じだろうが、映画が始まって30分でスターのジャネット・リーが惨殺されてしまう。そこいらで観客は完全に監督のねらい通り、まったくストーリーの展開が読めない状態に入ってゆく。何回観たか分からないくらいだが、ドキドキ、ハラハラ。

 大方の人の想定を大きく上回った「黒田サプライズ」。まるでヒッチコック映画のような4月4日の日銀政策会合だった。

 黒田総裁の発言通り「現在やるべきと思われるものはすべてやった」。まず量的マネタリーベースを目標とし、年60~70%増加させる。またこれまでの買い入れ月額4兆円から7兆円強にし、毎月の国債発行額の7割を買い入れる。

 2年で2倍とか2年で2%とか、プレゼンのやり方も明らかに白川時代と違う。

 やはり株式市場の動きと、大量の売買高が示す通り、円安・株高シナリオの進行が続くことを予想し始めていると考えるべきだろう。

 私は5,6月に上昇相場一休み、というシナリオを取っていたので、日銀発表から1000円以上上がった日経平均の方が、私にとりサプライズであった。

 私は東証一部売買高64億5000万株という新記録の意味は大きいと思う。高値で利食った投資家もずいぶんいたということなので、上昇の動きは止まるまい。

 最大の株高の背景は円安。従前から私は1ドル100円以上の円安ドル高を見込んでいるが、この黒田サプライズは円レートが2014~14年中に110円はつくことを市場に確信させた。

 SMBC日興証券によると、10円の円安が企業の経常利益への影響度は次の通り。

 上昇①電機(65・1%)②鉄鋼(40・7%)③輸送用機器(29・4%)、④卸売業(16・3%)。全産業12・1%。 一方下落組は①石油(マイナス9・4%)②非鉄金属(マイナス7・7%)、小売(マイナス9・4%)。

 またSMBC日興証券はJIREITとETFの買い入れにも注目している。日銀はそれぞれ年間300億円、同1兆円増安が、従来決定分からの増加は4100億円。1000億円の買い入れ増加で日経平均100円高となるので、今回の分は400円分の押し上げ、となる。

 結論。4月8日以降、勢いづいて市場の上げ足は簡単にはおさまらないだろう。

 映画のセリフから。」遠慮しながら「プールはもう担保に成るので泳げなくなるぞ」とヒッチが言うとアルマは「プールだけでなく家全体もね」。株価は「次」を見越し始めた。

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