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2013年9月 1日 (日)

映画「謎解きはディナーのあとで」と増税不況対策の提案(691)

映画「謎解きはディナーのあとで」と増税対策の提案(第691回)

 「NAZO-D」ナゾディーの略称で知られる東川篤哉原作の映画化。シリーズ三作で335万部を突破し、連ドラもヒット。エンターテイメントに徹した気楽で愉快な一作だ。

 主人公は世界有数の財閥宝生家の執事景山(桜井翔)。お仕えするのは宝生家の一人娘麗子(北川景子)で、麗子はその身分を隠しながら国立署刑事課強行犯係の刑事―という設定だ。

 景山は麗子刑事が帰宅してから事件の概要を聞いて、あっという間に解決してしまう。その時に「お嬢様の眼はフシ穴でございますか?」などと毒舌をふるうのが見せ場だ。

 今回は豪華客船によるクルーズでの休暇という設定。早速殺人事件が起こるが、今回は景山も「今回の事件の真相、皆目、見当もつきません」。

 しかもそのあと、第二、第三の事件が続発。お話しはこんがらがってゆく。

 

 映画では超人的な推理力を持つ景山でも、消費税増税による景気押し下げ効果への名案はなかなか思い付かないだろう。

 皆が言う消費税率の引き上げに合わせて補正予算で公共投資の拡大を行う案は、本来の財政再建という趣旨から見ると、本末転倒だ。

 まあ60人の有識者会議でもやるべしというのが多数意見だった。44人が賛成、とか。

 

 私は韓国が最近大嫌いでキムチも食べないくらいだから、本当は嫌なのだが、少し前に伺った林野宏クレディセゾン社長の案がいいと思う。

 それは1999年に行われた「クレジットカード利用促進」である。

 韓国は1997年にアジア通貨危機に巻き込まれ、98年に実質マイナス6・9%成長という大不況。

 そこで①クレジットカード使用額を勤労所得から控除②売上高一枚で一回抽選の機会を得て宝くじ③公共機関や法人の経費支払いで一部にカード利用を義務付け、を決めた。

 控除は300万ウオンを限度として年間カード利用額マイナス年間給与の10%の10%という算出方式。

 

 これで韓国経済は立ち直る。

 カード取扱高は98年31兆ウオンが99年43兆、2000年880兆、2010年には493兆ウオンに16倍。12年間で16倍ですぞ。

 つれて民間最終消費支出は98年から12年間で2・0倍、GDPも1・8倍になった。

 カードによる決済比率は98年度9・6%。12年後に57・0%に急伸した。

 

 前記の林野宏社長は、導入により韓国社会で確かに弊害があった。カード借金による自己破産とか、カード会社の経営悪化など。

 しかし韓国ではカード決済促進と同時にキャッシング規制を撤廃したため、所得証明不要の貸し付けや高利(現在でも上限40%)であったため。与信管理が徹底している日本ではありえない。

 

 野村総研が昨年7月に試算した「ライフ・アシスト・ポイント制度」がある。

 この制度は家電のエコポイント制度をそのまま使う。クレジットカードの利用に対しポイントを付与するがその方法は小売業・カード業による協議会で決める。またカード未取扱店への端末設備を補助する。

 

 その効果は大きい。

 カード利用増加額が50%、18・5兆円に達した場合を想定する。うち6・8兆円は現金からのシフト分で個人消費増加は11・7兆円。

 

 となると①景気押し上げ効果はプラス1・9%(民間最終消費はプラス4・3%)②税収増加は1・3兆円。そしてポイント付与額は1兆円。十分にソロバンが合う。

 これは本気で検討する値打ちがあると考える。決まれば大手銀行株、楽天などが「買い」だが、もちろん投資にはまだ時期尚早だろう。安倍さんにこのブログを読んでもらいたいがー。

 映画のセリフから。景山は言う。「お嬢様は失礼ながらアホでございますね」。ちょっとモノの見方を変えればいいのに。

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