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2013年9月15日 (日)

映画「日本の悲劇}と資産としての不動産をどう見るか(693回)

映画「日本の悲劇」と資産としての不動産をどう見るか(第693回)

 小林正広監督、仲代逹矢主演のコンビは前作「春との旅」がすごい傑作だったので期待して観に行ったが、予想をさらに上回る出来だった。今年の日本映画のベストスリーに入るだろう。

 生活者としての能力を欠いた一人息子に、自分の死後も年金を受給させようと自死を選ぶ老人の元大工。妻は1年前になくなり自分も肺ガンで余命3か月。自分の部屋を釘で入れないようにし、入ってくるとノミで死ぬと宣言。正座したまま死ぬ。

 

 この父子を立て続けに不幸が襲っていた。息子のリストラ。精神病、自殺未遂、離婚、母親の介護、離婚した妻と幼い娘は東日本大震災で行方不明。

 映画では仲代は背中だけで演技し、画面は白黒で幸せな思い出だけカラー。息子役の北村一輝も巧い

 この映画のテーマは「無縁社会の深渕」だろう。2010年のNHKスペシャルによると無縁死が年3万200人もいること。その背景には親と同居している40代、50代の単身者が200万人もいて、その人たちの失業率は20%で三分の二が男性。また親の介護を理由の離職は年14万8000人。

 では今後どうなるか。2035年には50歳の単身男性は三人に一人。これで2020年には「団塊の世代」は70になる。本モノの老人社会の到来だ。

 認知症患者は現在でも462万人。今後もっともっと増加することは確実だ。

 老齢化と少子化、言い尽くされているようだが、まだ認識が広まったとは言えないようだ。

 

 昨日も私はある企業で株価・為替などの見通しをお話しする講演会があった。1時間半(質疑応答込)で終了。近くの駅まで歩くと後から二人のご婦人が追いかけてきて個人的な質問だが、とおっしゃる。

 「今貸しアパートを経営していますが先行きは?」

 

 私は最近不動産アナリストの幸田正則さんにお会いして私の考えを確認したのでお答えした。

 

 「住宅やオフィス、店舗などは需給関係がもう壊れています。高齢の方は日常生活に便利さを求め駅前、都心部に住むため郊外の戸建て住宅は売却しています。

 「当然、郊外の住宅、不動産の価値は急落しています。」

 「住宅は全国で800万戸が空き家。年15万戸の空室増加が続いています。東京23区でも空家は54万戸を超えました。」

 「賃貸オフィスでも空室率は高水準で、賃貸価格は東京でも2005年を100として95、大阪で87です・」

 「先日路線価が発表され、全国平均では下落傾向が続いているが東京では、地価が上昇。19日に次の路線価の発表がありますが、同様な傾向でしょう。しかしこれは金融機関の貸し出し増が作り出したもので、本格上昇はほど遠い。オリンピック関連の需要はありましょうが、地価上昇は起きないでしょう。」

 「現在物流施設は不足していますが、大量な供給計画があり需給は改善される。現在の地価は超低金利と金融緩和が支えているもの。こう割り切って考えるべきと思います。」

 

 ずいぶんと弱気、珍しいとお考えだろうか。しかし、もう駅からバスで15分とか20分のところは駅から5分の中古マンションに比べてたとえば日吉だと4割の価格。先ほど述べた高齢者の利便追求がもう始まっている。老齢化、少子化の影響は今後もっともっと拡大する。

 

 ついでに。中国も韓国も2020年代央になると現在の日本以上の老齢化。年金や医療保険などの体制が出来てないので、非常に悲惨なことになる。サマミロということになること確実。余分なことだが。

 

 映画のセリフから。息子が言う年金での生活。「スーパーで380円の弁当2つ買って、ヒルに1個食べて、夜は焼酎呑んで、もう1個の半分食べて残った半分を翌日の朝飯。煙草も3日でひと箱。」うーん。私はこんなことになりたくないなあ。やはり「自分年金」をつくっておかなくちゃあ。

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