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2014年1月27日 (月)

映画「小さいおうち」と円高株安への巻き戻し(第711回)

映画「小さいおうち」と円高・株安の巻き戻し(第711回)

 山田洋次監督の直木賞受賞作の映画化で82本目の作品。初めてのラブストーリーをテーマにした映画だ、私は涙を何回も出した。

 舞台は昭和初期の東京郊外の中流家庭。女中として奉公するタキが見た、時代が許さなかった恋愛事件の主人公時子の運命を、平成になってのタキの回想で画く。

 綿密な作劇法で、セリフひとつ、帯の結び方一つに意味がある。そして時代の動きも。

 主演の松たか子の演技の巧さにうなった。上品でしかも女学生っぽい幼さとかわいさを、それに色気をちょっとした表情で見事に示す。それにタキ役を演じる黒木華(老齢になってから賠償千恵子)がからむ。

 まあ山田作品らしくいい映画で、特に年配の方にお勧めしたい。

 

 時代が戦争に突入する前の昭和モダンの時期。次の恐ろしい戦いと混乱の足音におびえながら超す、楽しもうとする人々を画く。

 

 私が恐れていた円安・株高の流れが、明瞭にアンワインドされ始めた。

 

 材料は①アルゼンチン・ペソの急落②中国の「理財商品」のデフォルト懸念、それにこのブログで何回も申し上げた靖国参拝のツケが、為替市場を握るヘッジファンドの投資姿勢に変化をもたらしている。

 具合の悪いことにシカゴ・マーカンタイル取引所の投機筋の円売り玉が、2007年以来の高水準。買い戻しに、もともと入るタイミングだった。

 105円台から102円に円高が進んだが、12万枚を超えた円売り玉が、9月頃の6万~8万枚に戻るだけで100円を割る可能性があろう。

 円レートのタイドル100円と日経平均1万5000円。と思に11月までなかなか抜けなかったカベだった。100円を割れば1万5000円も割れてもおかしくない。外国人は5か月ぶりに2週続けて売り越しになった。下値はまだ読みにくい。

 

 1月31日が償還予定日の中国の高利回り商品のデフォルトがどうなるか。ひとまず北京政府のお手並み拝見というところだが、連鎖反応がおこることは間違いない。また世界中が何かそろそろ出るはずと思っているから、リスクオフへ。このブログの読者は年初来の靖国参拝がらみの私の弱気をよく知っておられるだろう。ちょうど映画で小さな家の持ち主が勤めているおもちゃの企業が、戦争の動きとともに存立の危機に追い込まれたように。

 

 映画のセリフから。年老いたタキがわかいオイっ子が自分の手記を読んでくれるのが嬉しくていう。「年寄りの前でトシヨリトシヨリっていうんじゃないよ。デリカシーがないね」。為替も株式も、外国人特に米系ヘッジファンドが握っている。その現実を忘れないで。

2014年1月19日 (日)

映画「LIFE!」とリート投資への注目点(第710回)

映画「LIFE!」とREIT投資への注目点(第710回) 

 「LIFE!」とはもう廃刊になってしまった米国の写真誌の名前。競合誌「LOOK」の方が有名だったし、私の母満里が1965年に大きく取り上げられた(もちろんすごく珍しかった!)。しかも有名写真家のカール・ベンスティン氏が撮ってくれたので動向に関心があった。7相次ぐ廃刊でガッカリしたものだ。

 

 原作はジェームス・サーバーの「ウオルター・ミティの秘密の生活」。戦後すぐにダニー・ケイが「虹を掴む男」として映画化。ダニー・ケイの珍芸で私は腹を抱えて笑ったものだ。

 

 ひとから注目されたことのない平凡な男が、白昼夢の中で様々なヒーローに変身するというテーマは有名。米国人のパーティでよくボヤっとしている人を「ウオルト・ミティ」と言ってからかうのが定着している。

 

 今回はベン・スティラーが監督・製作・主演し、笑いとともに心温まるいい映画にした。まだ上映は先だが試写会で。一見をお勧めする。

 

 昨年9月頃からJIREIT指数がほぼ横這っており、2012年1月を100として170ぐらいを維持している。

 市場全体は2倍近く上昇しているのだから出遅れ。それに野村証券によると時価総額加重平均配当利回りは3・865%(昨年12月27日)。イールドスプレッド(対10年もの国債)は3・1%で割安と思う。映画のウオルター・ミティのように大きく化けるのではないか。

 

 もちろん理由はいくつも。首都圏オフィス空室率の改善は続くし、オフィスビルの供給も少ない。またマンションも市況と先高観がある。消費税引き上げに伴う駆け込みはもう織り込み、反動減を懸念してJ-REITがモタついているんだろう。オリンピックは有力な価格上昇要因だ。

 

 私は日程はまだ決まっていないが、介護・医療REITのの方が本命と考えている。私は来年80歳になる老人だが、死にぎわに家族の迷惑を掛けたくない。ケアハウスに入りたくても待機させられている人が42万人もいる!!介護REITの株主になれば優先的に入居できれば、タンス預金している老人は必ず買う。

 

 2012年12月のタンス預金は84兆円近い。その後増加しているだろうから現時点では85~6兆円あろう。

 

 私がこのことをあるところで話したら、ある有名エコノミストが「そんなにあるはずがない」、と反論した。私は「話半分の40兆円でも少しも構わない。6,7年前の日銀調査で30兆だったんだから、問題は全く何にもしないで眠っているカネが動き出すということだ」と。私は世の中かわってしまうと思う。介護REITの販売は、J-REITへの注目要因だ。

 

 映画のセリフから。世界の方々で冒険をした後のウオルターに始めて会ったWEBサービスの担当者が言う。「これまで電話で話していただけなので、サエない男に思ってました。会ってみたら、とんでもない。ロック歌手に転じたインディジョーンズみたいだ」。いろんなイベントでいっぺんに見方が変わることも十二分にあるのでは。

2014年1月13日 (月)

映画「大脱出」と再び靖国参拝(第709回)

映画「大脱出」と再び靖国参拝(第709回)

 スタローンとシュワルツネッガー共演の監獄アクション。シナリオが凝りに凝っていて面白い快作になった。

 スタローンが演じるのがセキュリティコンサルタント。自分が犯罪者として刑務所に入所し、脱獄してみせることで収容施設の問題点を探ってみせる。著書もある。

 ところが依頼者の裏切りで外部との連絡を絶たれ、しかも自分が指摘してきた脆弱性を克服している完璧な監獄に収容されてしまう。

 そこでひとクセありげな囚人のボスのシュワルツネッガーと協力して脱獄を図る。意外や意外の展開で見せ場も充分。

 「大脱走」「パピヨン」「暴力脱獄」「アルカトラズからの脱出」「ショーシャンクの空に」などの傑作に並ぶ。お好きな方にはお勧めだ。

 

 完璧なはずの監獄が、やはり意外な抜け穴があったように、衆参両院で多数を占め、3年後の参院選で同時選挙を敢行して超長期政権―のはずだった安倍内閣に問題が出てきた。

 

 昨年12月31日付、707回のこのブログで私は靖国参拝を安倍首相のミスで、この参拝をアジった某女流評論家には責任がある、と書いた。

 

 私はこの見方を確かめるため、ワシントンの私のソースに確かめた。

 その結果は、次の通り。

 現在日本では60~70%が靖国参拝支持で、米国政府はそれほど腹を立てていない、とか日米関係への悪影響は少ない、という見方が支配だ。とんでもない!東京の大使館の「失望」でなく、ホワイトハウスからの声明を出すべきだった、という声もある。

 日本からの議員団が、いくら説明しても米国人有力者たちには靖国参拝が「戦いで国家のために命をささげた人に対するリーダーの敬意の表明」には結びつかない。1997年にA級戦犯が合祀されて以来、天皇陛下でさえ参拝していないのに、なぜ首相が、という疑念が消えない。

 アーリントン墓地には宗教色がない。④靖国神社の方は敷地内にある遊就館の展示を見ても、戦前の日本の行為を正当化するものだ。

 サンフランシスコ講和条約以来の日米安保を含めた国際室所の査定につながるのが今日の靖国参拝だ。

 昨年10月2プラス2会議でヘーゲル国防長官とケリー国防長官が千鳥ヶ淵で献花した。明確なオバマ政権はメッセージを送っている。

 ところが今回の参拝は日本側からの通告は参拝の30分前。完全なサプライズで、オバマ大統領が最も嫌う。

この結果、ワシントンでは来春のオバマ訪日を中止せよとの声もある。少なくとも訪日時に直接不快感を表明すべきだ、という意見も強い。

 

 この私のソースと同様にキャノングローバル戦略研究所の主任研究員辰巳由紀さんも「中国や韓国に日本の軍国主義について大騒ぎする絶好の口実を与えた。百害あって一利ない行為」と報じている。

 このレポートによると「アベは個人の心情を日米同盟の将来や日本の国益に優先させる指導者なのか?」だとすると「尖閣有事の際、理性的な対応がアベはなしうるのか?」という「日本リスク論」が出ている、という。

 

 せっかく日米同盟にプラスのいくつもの政策(①保障戦略策定②防衛大綱・中期防衛計画見直し②国家安全保障会議発足③普天間飛行場の辺野古移設案④特別秘密情報保護法等)が推進されてきたのにー。これを俗に「百日の説法,屁ひとつ」という。

 ただ参拝後の安倍首相の「不戦の誓い」声明を、マスコミがあまり詳しく取り上げていないのも残念だ。安倍首相は再び千鳥ヶ淵で献花し、その後の記者会見で再び詳しく声明を述べ、対米世論修復に努めてはどうか。

 

 映画のセリフから。主人公が医務室で働く医者を味方につけるべく説得する。「ヒポクラテス(医学の祖)が“自分の能力に近い、有益な方法をとる”という誓いを医の倫理として立てた」。安倍首相も国益を考えて行動すべきだ。

 株高が高い支持率に直結していることを、安倍首相は改めて認識しなくては。そしてこの株高は外国人とくに米系ヘッジファンドが握っていることを忘れると大変なことになる。

2014年1月 9日 (木)

映画「ハンガー・ゲーム2」と私の大注目の記事(第708回)

映画「ハンガー・ゲーム2」と私の大注目の記事(第708回)

 映画「ハンガー・ゲーム2」は米国で超大ヒットし、続く「3」は前後編になるとか。私は前作で少女だったジェニファー・ローレンスが成長して女性そのものになったのが印象的だった。

 

 ハンガー・ゲームとは独裁国家が主催する、死ぬまで戦わせる残酷なゲーム。12の地域から若い男女二人が選ばれ、主人公のカットミスが勝つ。ビートたけしが出ていた「バトルロワイヤル」の真似なので前作は評判ほどには面白くなかったが、今回は暴虐の限りを尽くす政権に民衆が反乱し始め、そこらが面白い。また主人公カットニスに故郷に思う人がいるのにゲームで優勝した青年と国民のアイドルとして恋人同士を演じなくてはならない。ゲームも前回はプレイヤー同士の殺し合いだったが、今回は対主催者との闘い。

 

 私は日本の新聞が全く報じない米国のエネルギー政策の転換に大いに、大いに注目している。

 その転換とは①米国からの石油輸出の解禁②戦略備蓄の廃止③米国東海岸の海底油田開発の解禁、である。順番に説明しよう。

 ウオールストリートジャーナル紙が2回、記事にした。昨年12月13日と今年1月3日。同紙はエクソンモービルが禁輸の見直しを要望したと報じ、米エネルギー省のモニツ長官も「原油輸出禁止はエネルギー不足時代の産物。現在のようなエネルギーが十分にある時期はどうかと思う」とした。同長官が「自分の担当まではないが」と断りながら②も実施すべきと述べている。

 については私の問い合わせに対しNYから10月下旬に米国石油協会(API)が発表した「ヴァージニア州の世論調査」を送ってきてくれた。この州は東海岸海底油田に関連する七つの州の最北で、67%の州民が開発賛成という内容。

 

 APIによると「オバマ政権は2014年早々に、海底油田開発の権利を5年間リース契約でゆだねる方針を発表することになろう」としている。

 

 これで私のパズルはすべてピタリと合った。昨年3月に渡米したとき旧知のヘッジファンドマネジャーから「米国東海岸の海底油田はサウジ並みの超巨大油田」という耳打ちもらった。もちろんシェールガス革命に伴いガスに併産させるシェールオイルの生産量の急増も加わる。これで「エナジー・インデペンデンス(エネルギーを海外に頼らない)」という時代に入った。「米国は第二の覇権時代」という私の見方をさらに強めるものだ。

 

 先日、ウオーレン・バフェットがエクソンモービル株を35億ドルを投じて購入した。この私の見方への「援軍」だ。エクソンの株価は急騰している。つれてダウ平均も新値。ドルも上昇。

 反面、世界の原油市場で米国と競い合うとみたサウジアラビアは国連安保の議席を蹴った。オバマ政権がせっかく斡旋したのだが、サウジ王家は米国から恩を売ってもらいたくなかったのだろう。

 

 円ドル関係ではドル買いが進展した。9月から10月は先物市場での円売りドル買いの枚数は6万枚。これが11月中旬に10万枚を超え、年末に15万枚近くになった。

 もちろん円売りの先物はいずれ買い戻す。つれて日経平均も一高一低あるだろうが、円安(ドル高)株高の流れは変わるまい。

 

 映画のセリフから。「これはゲームじゃない。これは生き残りをかけた勝負なんだ」。エネルギーの覇権をOPECから米国が奪い返すことの意味、分かりますか?

 

 1月7日、私は時事通信社の互礼会で安倍首相の年頭あいさつを聞いた。「どうも世間はアベノミクスには低評価で―」が開口一番。ウーマノミクスに力を込め、ジョークも。「私は年男なんだが、ある自民党の女性議員が48ですか?と聞いた。一まわり違うよ、といったら36?()この人は自民党でエラくなりますね()。」ともかく昨年より声も大きく自信満々に見えた。

 年末年始は「武士の献立」「永遠のゼロ」「ゼロ・グラフィティ」それに五日は歌舞伎座。8日は演舞場で海老蔵。これがよかった。

2014年1月 6日 (月)

2014年 日本経済の展望

「日経トップリーダー」経営者クラブから出版された『トップの情報CD』に、「2013年日本経済の展望」というテーマでインタビューが収録されました。

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