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2014年2月 2日 (日)

飯島勲「政治の急所」とビル・エモットと円高・株安(第712回)

飯島勲「政治の急所」とビル・エモットと円高・株安(第712回)

 1月に発表され只今ベストセラーの「政治の急所(文春新書)」で飯島勲・特命担当内閣参与は「総理は必ず靖国参拝を!」と書いてある。要旨は次の通り。

  1. 時の首相は靖国の御霊に不戦の誓いを立てるために参拝するので、他国からとやかく言われる筋合いはない。

  2. 東京裁判でのA級戦犯が合祀されているから首相は言ってはならないという議論は誤解。昭和20年代末の国会決議、遺族援護法、恩給法の改正で受刑者も恩給を受けるようになった。

    A級戦犯で絞首刑になった東条英機元首相ら7人も「刑死」でなく「公務死」に変わった。「言って見れば法律上は罷免されたわけさ」。

  3. 米国のケリー国務長官、ヘーゲル国防長官が揃って千鳥ヶ淵の戦没者墓苑に足を運んでくれた。画期的なことだ。「それなのに日本国のトップリーダーが靖国に行かないってのは、どうなのよ。国民は安倍さんに靖国に行くと信じているはずだろ」。原稿を書いたのが恐らく参拝前だったので、文章では「まだ」になっている。

     

    私は首相側近がこんな見方だから「故意に挑発的な参拝(ビル・エモット氏)が強行されたのだな、と理解した。

     これじゃあ米国側のメッセージはカラ振り。ホワイトハウスが「失望」という言葉を声明に追加したのも仕方あるまい。向こうから見れば、ワカっていない、のである。

     

     知日派ジャーナリストで英エコノミスト元編集長。日経ビジネスONLINEに「世界が憂うアベノミクスの行方」という 知日派ジャーナリストで英エコノミスト元編集長。日経ビジネスONLINEに「世界が憂うアベノミクスの行方」という文を書いている。。

     

     「過去1か月ほどで、安倍首相と彼のリーダーシップの下で、日本が果たすであろう役割への楽観と賞賛は懸と苛立ちに変わった」。

     「すでにあった安倍首相の動機や判断力、政治問題の優先順位へ積極的な疑念へ変わった」

     まあこの引用でエモット氏の見方に明らかだろう。

     

     問題なのは国内だけで通用するロジックではない。

     日本はサンフランシスコ講和条約第十一条で東京裁判の結果を受け入れており、世界のロジックは「宗教施設で天皇陛下も参拝していない靖国神社になぜ首相が参拝するのか」「A級戦犯や戦前の日本を合理化する展示の遊就館などに参拝することは、日本が受け入れた戦後体制を否定するのか」「安倍首相は自分の心情を国の基本政策(たとえば日米協調)より重視するのか」などなど。

     

     再びビル・エモット氏を引用すると「沖縄の米軍基地問題の満足感は、日韓の関係悪化という不快感と、靖国参拝が米国を侮辱したという思いで消失した」。ここいらが「世間の世論」だろう。

     

     となると問題が次から次へと噴出する。

  1. アベノミクスか金融による「第一の矢」以外ほとんど中身がない。

  2. 円安、株高が安倍政権の持率の背景だが、米系ヘッジファンドを中心に、為替も株価も外資が握っており、オバマ政権の対日姿勢でいつガラリト流れが悪い方に向かうか分からない。(1月下旬から、円買い株売りが現に始まっている)。

    ヘッジファンドは時にして米国の世論なりワシントンの意向なりを見て行動する。2月下旬のTPP閣僚会合に向けて日米韓協議が大詰めを迎えている。市場から圧力をかけていることは間違いない。

     

     私は管官房長官が何かのチャンスを捕えて千鳥ヶ淵の墓苑に献花して、アメリカの顔を立ててやればいいと思う。

     

     たしかにオバマは頼りない。オバマケアの失敗に加えて英エコノミスト誌によると①女優ジェニファー・アニストンとの不倫②TVのニュースキャスターのケイティ・クーリックとも不倫、を明らかにした。日本なら大騒ぎだろう。それでもあと3年もこの政権は続くのだ。現実的な外交で、少なくとも日米間の関係を修復することを心から願う。

     

     95年4月のクリントン政権の超円高攻撃の時と同様に、フレッド・バーグステンがまた出てきた。民主党政権の時に必ず出てくる円高論者。恐らく後ろに米自動車労組が要るんだろう。

     

     年初に岩盤のように見えた「円安・株高」シナリオは、一時的と願うが、ここ当分望めそうにない。「当分」って?と聞かれそうだが、どうみても1,2か月の間は―。

     

     映画のセリフから、でシメるのが通例だが、今回は「政治の急所」から、「時の政権の経済政策で肝心なのは、ニュース番組の最後にいつも報じられる円。ドルの為替相場と日経平均株価さ。世界中どこでも為替と株をどう守るかが時の政権の仕事難だけで、日本の場合はもうひとつ。不動産の価値を守ることがあるのを忘れちゃいけないぜ」。安倍さん、株価にご注目を!

     

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