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2014年2月11日 (火)

映画「アメリカン・ハッスル」とヘッジファンドの売り(第713回)

映画「アメリカン・ハッスル」とヘッジファンドの日本株売り抜け(第713回)

 本年度のアカデミー賞で最多10部門にノミネートされているデビッド・O・ラッセル監督作品。「ハッスル」というと精力的な響きもあるが「詐欺」という意味もある。詐欺師たちの物語で、まあ面白いの何の。かつての「スティング」に匹敵するエンタティメントだ。まあ、一見をお勧めする。

 主人公アーヴィン(クリスチャン・ベール)と愛人のシドニー(エイミー・アダムス)はダマしまくった揚げ句FBIに逮捕されるが、担当捜査官リッチー(ブラッドリー・クーパー)は二人に意外な提案。免責で罪をとがめない代わりに、大物政治家たちをオトリ捜査でゴッソリつかまえる手伝いをしろ、というのだ。

 

 狙いはアトランティック・シティのカジノ利権。1979年に起き「アブスキャム事件」が背景とか。アラブのシークが出資すると吹き込んで収賄の現場をビデオに収め、5人の国会議員が辞職に追い込まれた。

 映画で準主役となるのは市長のカーマイン(ジェレミー・レナー)とアヴィンの妻でどうしようもないダメ女ロザリン。この二人の演技が抜群にうまい。特に主人公の子供かわいさをエサに親権を離さないダメ妻を演じるジェニファー・ローレンスが凄い。

 

 この映画では主人公を含めコン・チームが次々に出会う誤算がストーリーの転機になっている。ダメ妻のおしゃべりで一網打塵を狙っていたその大物が怪しいゾと気づいてしまったように。

 

 年初からアルゼンチン・ショックをきっかけに世界的な株安が発生、日本株は14%も下げた。主要市場のNY市場やドイツなどは4%ぐらいだったので日本だけが下げ幅が大きい。

 私はこのブログで早くから安倍首相の靖国参拝が、ヘッジファンドの「円買い・日本株売り」につながると警告してきた。海外投資家の売りは現物でも先物でも年初からここ数週間目立っている。

 

 昨年外国人は15兆円を買い越して、日本株の大幅上昇を支えてくれた。これに対し国内の個人は87000億円、金融機関は58兆円の売り越し。要するにアベノミクスに期待して日本株を買ったのは外国人だけである。

 いくら株価が上がっても、利食い売りしなければ利益を確定できない。外国人特にヘッジファンドは①恐らく公的年金が株式を買ってくれる②1月から始まったNISAが受け皿となる③先行したヘッジファンドの売りを、他の外国勢の年金や基金が買ってくれる、などを期待していた。

 しかし今のところこの3つの思惑はまあまる外れ、であろう。

 

 このところ、ダボス会議と出席した安倍首相にジョージ・ソロス氏が質問して、落胆したソロス氏が日本株を売り始めた、という情報がしきりと入ってくる。またヘッジファンドの円売り日本株買いを唱道してきたジム・オニール氏「がもうこれ以上の円安はない」と明言し始めた。いつも強気の私だが、最近の株価反発には戻り売りと見ている。そう見ざるを得ない。

 映画の中で使われるビージーズの曲の歌詞に「敗者が勝者になる見込みは、一体あるのかい?」という夢破れたもののセリフがある。敗者になりかけたヘッジファンドは、戻ったらもう一度、売り崩しにかかるだろう。

 

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