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2014年3月 9日 (日)

映画「家路」と私の金価格強気転換の理由(第715回)

映画「家路」と私の金価格強気転換の理由(第715回)

 映画「家路」は2014年ベルリン国際映画祭出品作品であの東北大震災から三年目の福島の農家の物語だ。久保田直監督で、主演松山ケンイチ、内野聖陽、田中裕子。地味だが深い感動を与える作品だ。

 

 一家はあの原発の事故で警戒区域になり、狭い仮設住宅に母と夫婦、子供が住んでいる。そこへ20年ぶりに行方不明だった次男が帰って来る。これが松山ケンイチ。ストーリーも設定もきわめて複雑だが、無人の街や放置されている田畑など、画面を見ているだけで映画のテーマは明らかだ。

主人公の次郎が中学時代の友人と誰もいない母校の教室でホームルームごっこをする場面が心を打つ。

無人の街の割れたアスファルトを走る雑草を見て次郎が「緑の導火線だな」とつぶやく。また人間がいなくても青々と育ってゆく苗床の苗。生命の力は強い。そして相場の力も。

 

 昨年末から、私は安倍首相の靖国参拝以来、円安と株高が逆転すると予想し、このコラムで続けて書いてきた。

 「アエラ」2月17日号で私の主張を紹介してくれた。題は「アベバブル崩壊の兆し」。取り上げてくれたのはとても嬉しい。

 年初から「外国人の日本株売りは、1兆7~8000億円。これで12月30日の1万629円が1万4000円少し割れまで下がった。為替レートも1ドル105円から100円スレスレ。

 それでもまだ1兆5000億円はヘッジファンドは保有しており、5月の中間決算までに保有株を売って実現益にしたいはずだ。彼らは「売るために買う。」上値に戻しつつあるが、上がってきたら、昨年5月のような売り仕掛けは確実だ。

 

 もうひとつ。私が年末から金価格に強気転換したことも強調したい。

 始めてこの意見を表明したのは1月7日、帝国ホテルでの時事通信社の新年互礼会。第一商品の社長、副会長、副社長の三人に会場で会い「今年は金価格は上昇するよ」と申し上げた。副社長は私の昨年9月の第一商品での講演会の時、これから下げると予告したが、覚えておられたので私の変心にびっくりしている。

 

 私の変心の理由はカンタン。従前から「1100何十ドルで底値」と予測してきたところに昨年末に1179ドルがついた、底値と思う。また「オンス1000ドル」とか「いや900ドル」というバカが現れると底値がつく。これは「日経トップリーダー」1月号のCDで申し上げた。

 

 金価格は利回りなどのメドがない。その代りに需給関係が価格を決める。ここ2,3年。金ETFの急減少が金価格下落の重要な要因だった。

 また米FRBのティパリングで、ゼロ金利から脱却することも売り材料となった。

 

 しかし私は金ETFの主な買い手だった米国の年金、基金の多くがもうこれ以上ETFを売らないことを掴み、また新高値を更新しつつあるNY株式へのQEⅢ効果が消えることへの警戒感が存外強いことも知った。ティパリングは意外にも金価格の上げ材料だったのだ!

 しかし、私がかつてオンス260ドル近辺で金買いを主張し始めた時と同じ。まだ金の専門家は私をのぞいて強気ではない。

 

 しかし、1920ドル台で天井を打った時、私は弱気だった。従前から「皆がオンス2000ドルを言い出したら、1890とか1900何十ドルで天井」と著書にも書いた。現実にその通りになった。

 ごく目先、1400何十ドルで上値は抑えられよう。しかし、次の天井は2000数百ドル。今度は2000ドルはもちろん、もっと上かも。

 

 今週土曜日、私は第一商品の渋谷本店で「今後の投資環境と金相場」という題で講演する。午後1時から一時間半。私がこのコラムで講演を宣伝するのはこれが初めてだ。昨年私は86回の講演をしたが、確か8~9回は第一商品だ。今回ダメな方は第三土曜日にどこかでやっている。

 

 映画の主題歌「アイニユケル」の中に「人はいつも後から、気づいては振り返る」とある。私が天井の金価格の予想を的中させた男であることを覚えていてほしい。

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