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2014年4月13日 (日)

映画「白ゆき姫殺人事件」とNYに始まる暴落と金(第720回)

映画「白ゆき姫殺人事件」とNYに始まる暴落と金(第720回)

 

 湊かなえの50万部のベストセラーの映画化。若い女性観客が6~7割を占め公開後2週興収上位に。中村義洋監督。

  超美人OLが全身をメッタ刺しにされ、その後火をつけられる。同期入社の城野美姫(井上真央)に疑惑の目が。しかし美姫は行方不明。

 TVのワイドショーで、美姫の周辺が取材され、ツイッターでは犯人と決め付けた投稿が続々と。週刊誌ではついに魔女説まで出る始末だ。

 

 ところが意外な犯人の逮捕で城野の無実がわかり、TVではキャスターが頭を下げてオシマイ。週刊誌はひところのナゾをアオッた記事はどこへやら。ネット上では無実の城野のため週刊誌と記者に抗議メールが殺到。いまの日本社会を見事に描いた佳作。ともかく面白いので一見をおすすめしたい。

 

 何かわからないことがあると、ひとつのうわさが無責任に出され、それがどんどんひろがってゆく。TVや週刊誌に書かれるとウソが本当になってゆく。私はマーケットという、噂が支配する怪物をずっと見てきた人間なので、文字や画面になる前の情報を重んじる。噂は結構大事だ。

 

 昨年12月26日の靖国参拝以来、円安と株高の二人三脚が逆回転を始めている。ヘッジファンドが中心だ。

 私は以前から「来年は間違いなく日本株は長期上昇の第二ラウンド開始、だが2014年は要警戒」と述べてきた。

 

 年初から3月末までの世界の株式市場はウクライナ問題、中国経済の不安など弱材料が多いが、日本ひとり負け。下落幅はNYダウ0・7、英FT2・2、上海3・9各%。これに対し日経平均9・0、TOPIX7・6%の大幅下げだ。

 逆に上昇した市場も多く、S&P500はプラス1・7、独DAXはゼロ、イタリア14・4、カナダ5・0、インドネシア11・6各。

 やはりヘッジファンドは①アベノミクス第三の矢の効果不信②消費増税の反動③円安を許さないオバマ政権の意向、その背後には何と言っても靖国参拝。これが大きい。このコラム読者なら先刻ご存じだろう。いくら安倍首相があれは非戦の誓いだといっても、戦後の体制への反逆という見方を否定しきれない。あれは大失敗だった。

 

 私はNYダウの大幅下げが従来は6,7月と見ていたが、先週末から始まったとみている。NASDAQで大崩れしている銘柄が多いし、信用取引の買い残が市場空前。テイパリングというFRBの政策は何と言っても金融引き締めなので、必ず株価にひびいてくる。

 

 そこに「石油の売買代金がドル建てでなくなる」という噂が飛び込んできた。オバマの弱腰外交のツケ回しだ。

 

 シリアのアサド政権に対し、オバマ大統領はいったん決定した攻撃をひっこめた。この結果ロシアはアサド政権を支援し、中東の同盟国イランの影響力(シーア派)は強まる一方だ。

 スンニ派の代表サウジアラビアは米国に厳しい。3月28日G7からサウジに回ったオバマ大統領が、王家を訪問したが、晩さん会を断られ帰国した。

 

 ロシアは米国の存在感の低下に付け込んでまずドイツへの天然ガス代金をユーロ又はルーブル建て、また対中国では人民元を提案。対ロ経済制裁でこのドル離れを現実化させようとしている。プーチンの親友である石油大手ロスネスチ社のトップが推進している。時間の問題、と見てユーロはジリ高だがドル指数はジリ安。

 

 石油代金がドル建てであることは米国の生命線。かつてのサダム・フセインがドルからユーロに切り替えようとして2003年のイラク戦争が始まった例もある。先週のNYダウは1万6026ドルまで下げ、昨年末の最高値1万6576ドルからまだ3・2%下げただけだが、下げの本番はこれからではないか。

 

 「米国にとり不快なことが起きると必ず上昇」する金価格は買いだ。昨年末のオンス1179ドルで私は底値を打ったとみて、誰も買い推奨していないが、一人で強気を言い続けている。

 産金会社の株価は上昇中だし、ETFの減少も止った。何よりもドル安が金価格を支える。日本株?ドル安円高なら、ダメに決まっている。

 

 映画のセリフから。主人公の友人がTV局の取材している男を評して言う。「自分の目の前5センチくらいのところしか見えてねえもんな」。マスコミって薄っぺらなもの。そこをわからなくっちゃ。

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