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2014年5月18日 (日)

映画「とらわれて夏」とNYと東京の株安(第724回)

映画「とらわれて夏」とNYと東京の株安(第724回)

 小品でもあと味が良く俳優の演技もうまい映画は私のお好み。今回はケイト・ウィンスレットが主演なので。前作「愛を読むひと」は素晴らしかった。

 原題は「レイバー・デー」で9月第一週の月曜日の休日、かつての名作「ピクニック」でもこの日だった。

 離婚して13歳の息子と暮らす母親が、怪我をした脱獄囚に助けを求められ、五日間かくまい続ける。 

 初めは半ば脅かされた親子だが脱獄囚は心優しく、次第に母親は愛情を感じる。料理上手な父親代わりの脱獄囚は、ピーチパイをつくる。これがのちに思いがけない人生の贈り物になる。

 

 三人の俳優の演技のうまいこと。映画ではお互いの信頼が増すほど逮捕の迫る不安がつのる不安感と幸福感が巧みに画かれる。監督はジェイソン・ライトマンで「JUNO」「ヤング×アダルト」ともに良かった。

 

 不安感と言えば、新高値更新中のNY市場は5年以上のブル相場だけに不安はある。いくらイエレンFRB議長が株価水準を妥当と認めても。

 というのはテイパリング。こんな表現はとっても金融の超緩和状態からの引き締めであることは変わりない。まだ長期金利が上がらないでいるから不安感が表面化していないのだが。

 それだけに5月9日に点灯したヒンデンブルグ・オーメンが、まことに気になる。昨年も4月と8月、12月に三回現われたが、その都度かなり意図的に条件の一つのマクレラン・オシレータをプラスにして暴落を回避した。しかし今回は4月4日の高値を抜いて新高値に行ったが、このオシレータはプラスになっていない。

 

 順序が逆になったが、ヒンデンブルグ・オーメンとは、次の四条件が発生すると暴落が発生する。

  1. 52週の高値更新銘柄と同安値更新銘柄が両方とも、その日の値上がり値下がり銘柄数の2・8%以上に達する。

  2. NY取引所総合指数が50営業日前を上回る。

  3. 短期的な株価の方向性を示すマクレラン・オシレータの値がマイナス。(19日移動平均マイナス39日移動平均)

  4. 52週高値更新銘柄数が52週安値更新銘柄数の二倍を超えない。

    これが確認されるとー

    「72%の確率で株価は5%以上下落し、パニック的な売り相場の可能性は41%、重大なクラッシュとなる可能性は24%」(ロイター)。

     何とも恐ろしい予言だが、いったん発生すると向こう30営業日は有効、という。5月いっぱいから6月早々までが要注意だ。

     最近数日間のNYダウ急落がこれかも知れない。

     

     まあここいらは少々早いが「夏の怪談ばなし」と思ってお読みください。その分、逆にシリアスなのは東京株式市場だ。金曜日に日経平均1万4000円ギリギリ。これを切ると1万2400円近辺まで行ってしまう。

     円レートの方も13日の日本時間のヨルからのヘッジファンドの仕掛けで102円の大台を割り、次は100円。目標は95円ぐらいだろう。すでにシカゴ為替市場で急速に円売りの玉が減少を始めている。

     

     ヘッジファンドにしてみれば、5月は中間決算で、実現益を出すべく、5月に入って日本株を売ってきた。5月21日の日銀総裁の記者会見後の総裁発言次第で売りなおすだろう。材料は5月16日(金)の毎日新聞夕刊の言葉を使えば「アベノミクスの旬過ぎた」。

     この記事(2面全面)は、私がNY滞在中に内野雅一編集委員から電話がかかってきての取材が一つの軸になっている。(このブログには何とか専門家に入れてもらう予定)。

     そこでは私がこのブログで前回も述べた「円安・株高の二人三脚の動きが、靖国参拝から逆回転」という主張が引用されている。旬というのは、経済第一主義でないアベノミクスはもう魅力をなくした、という意味だ。

     結論。今週中に対ドル100円と1万4000円を切る可能性は大、NYダウの押しも材料だろう。

     映画のセリフから。脱獄囚のジョシュ・ブロ-リンは家に迫ってくるパトカーのサイレンの音を聞きながら言う。「景気が20年延びてもあと三日、君と過ごしたかった」。円安と株高が続いた昨年のような幸せな期間は、あの安倍靖国参拝で終わってしまった。当分の間、再び始まることは、ない。

     ただ、楽しい時間が短くても、その後に大きな意味をもつ。今年予想される安値は絶好の買い場となるだろう。私の弱気は、あと何か月間かで、終わる。


    140520

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